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自由に気ままな旅|大人の夏休み-広島編

絶賛無職なので、大人の夏休みと題して10日間ほどひとり旅。

夜行バスに揺られ東京から最初の目的地の広島へ。夜行バスに乗るのは高校生以来。
当時は狭く空気も悪い環境で夜行バスに乗ったら毎回風邪を引いていたが、今の夜行バスは個人スペースの区切りもあるし、想像より快適だった。

戦争・歴史・平和について考える広島

1945年8月6日午前8時15分、人類史上初の原爆が投下された。第二次世界大戦末期であり、約14万人の方が亡くなった。

日本に生まれ育っていながら、戦争のことをあまり深く知らず生きてきた自分にとっては、戦争・歴史・平和を考える機会になる旅だった。


原爆ドーム

もともとは建築家 ヤン・レツルの設計「広島県物産陳列館」。
至近距離で爆発が発生し、爆風が上方からほとんど垂直に働き、それにより爆風が抜けたことで全壊を免れたらしい。

原爆ドームには多くの外国人観光客が集まっていた。様々なバックグラウンドの人たちは、一体何を思い眺めていたのか。

周りには多くの外国人観光客がいた

兵役が存在する国の方もいるだろうし、現在母国が戦争中の国の方もいるかもしれない。あるいは、過去に戦争で母国がもっと悲惨な目にあった方もいるかもしれない。

自分は運が良いことに、治安が良く平和な日本で生まれ育った。戦争というものを意識したことが生まれてこの方ほとんどなかった。ウクライナVSロシアの戦争だって、開始から2年半ほどたった今でも続いているが、いつの間にか意識からはだいぶ薄れてしまっている。

戦争・歴史に意識を向けることは重要だと思う。自分もそのためにここに来てみたかった。
他方で、これくらい”戦争”というものが意識から薄れるくらい平和な日常を生きられていることが”幸せ”なことだと強く感じた。

今後も、戦争を意識せずとも楽しく生き続けられる日常が続くことを祈るばかりである。

反対側からの原爆ドーム
戦争を思い返す象徴として残り続けることに意味を感じる

おりづるタワー

建築家 三分一博志によってリノベーションされた「おりづるタワー」。観光客向けのスペースと企業向けのスペースが複合された施設。

おりづるタワー外観
  • RF:平和記念公園や原爆ドームを眺められる展望台

  • 12F:おりづるを折って投入する体験やデジタルアトラクションが体験できるスペース

  • 2F〜11F:オフィス

  • 1F:カフェ・物産館が並ぶ

屋上展望台”ひろしまの丘”

展望台からの眺めは最高。風の通りもよく気持ちが良い。

眼下の平和記念公園や原爆ドームを眺めながら、約80年前の原爆から復興した街並みを眺める。

ここまでたかが数十年で完全に復興している街並みに感心すると共に、原爆により街が破壊されているため新しい建物が並ぶ街並みを実感する。
戦争により、その土地が紡いできた歴史や文化が一度途絶えることはとても悲しい。

展望台からはスパイラルスロープ“散歩坂”を下る
壁面にはアートが並ぶ
散歩坂には子供用のすべり台も

12Fからはエレベーターで降りるだけでなく、建物の外壁に沿って歩いて降りる散歩坂が建設されている。
散歩坂にはアートやすべり台など、どの年代でも楽しめる要素をが散りばめられていて、降りるという体験自体も楽しめるように工夫されている。

ひろしまゲートパーク

原爆ドーム・おりづるタワーから道路を渡った反対側には、開放的な空間「ひろしまゲートパーク」が広がる。

日差しを避けて、くつろぐことができる開放的なスペース
円形の広場に様々な店舗が入っている

真夏の暑さのため外を歩いている人は少なかったが、店舗や休憩スペースでは市民の方と観光客が入り混じりながら、多くの人が訪れ賑わっていた。

円形の公園に沿う形で並ぶ木造の建物は空間に溶け込んでおり、最大2階層までの建物も開放的な空間を演出していた。

たまたま歩いていたら出会った場所だったが、個人的にはとても好みの空間だった。

カトリック幟町教会 世界平和記念聖堂

建築家 村野藤吾の設計で世界平和への祈りを込めて建築された「世界平和記念聖堂」。コンクリート中心の建築に、ステンドグラスから光が差し込み、神聖な雰囲気が醸し出されていた。

世界平和記念聖堂

隣に幼稚園があるため、静かな礼拝堂の中に子供たちの元気な声が聞こえてくる。
礼拝の最中、こうした子供たちの未来が平和であるように願うとともに、守っていかなければいけないなと思わされた。

心が静かに、自分に向き合うことができる非常に良い空間だった。個人的には子供の声が聞こえてくることで、より空間として良さが高まっていると感じた。

ひろしま美術館

円形のメイン展示室が中心に存在。円の中心から各展示室が広がるような構造になっている。

調べてみたところ、原爆ドームを模した作りになっているとのこと。

「愛とやすらぎ」をテーマに掲げたひろしま美術館の本館は、原爆ドームをイメージした丸いドーム型の展示室になっています。そして本館を取り巻く回廊は、厳島神社の回廊をイメージして造られました。いずれも世界遺産でもあり、広島を代表する建物をモティーフにしています。

ひろしま美術館公式Web

ガラス張りの開放的な美術館も多いが、ここは逆に閉鎖的に外空間から遮断されるような建築。展示されている作品により集中できる感覚がある。

特に好きだった3作品

「サン=マメス」 - アルフレッド・シスレー
「ポルトリュー、グールヴロ」- ポール・シャニック
「喜雀」 - 竹内栖鳳


初めての広島。
戦争とは、平和とは。普段考えることが無いテーマについて考える機会を得た良い場所だった。

次は、尾道へ。



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