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読んだ本とかについて書いた記事
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2024年1月の記事一覧

もう人間じゃん

もう人間じゃん

キャロル・スタイヴァース著、「マザーコード」(早川書房)を読んだ。本屋で手に取ってあらすじを見てバイオ兵器とかの話なんだな~くらいの感じで買ったがめちゃくちゃ面白かった。ちなみにこの小説はコロナウィルスが流行する直前に出版されている。

こっからネタバレあり。

アメリカがどこかとの戦争でバイオ兵器を使った結果暴走して世界中に広まってしまうことになった。その対策の一つとして遺伝子操作され免疫を持っ

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死んでいないから笑えるのであって

死んでいないから笑えるのであって

ミカエル・ニエミ著、「世界の果てのビートルズ」(新潮社)を読んだ。原著はスウェーデンで大ベストセラーになった作品らしい。スウェーデンの人が書いた小説は読んだことないし、タイトルにビートルズって入っているから、という理由で買って読んだ。

ここからはネタバレ含む。

スウェーデンの北の村、パヤラ村は北極圏に入る。この村で主人公がビートルズに出会う前後の少年期から青年期に入る前までを描いたお話だ。

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遊戯

遊戯

ロジェ・カイヨワ著、「遊びと人間」(講談社)を読んだ。最近私は遊ぶということに少し興味を持っていて、遊ぶというのはどういうことなのかと考えることが多かった。例えば私は学生時代に運動部に所属していてある程度真面目に活動していたのだが、私よりも少し遊びながら練習していた友人のほうが大会の成績が良かった。このような経験を持っている人は少なくないと思う。遊び心というものは効率の先を行くものなのかもしれない

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ふわふわした話なのかな

ふわふわした話なのかな

フィリップ・K・ディック著、「逆まわりの世界」(早川書房)を読んだ。以前、電気羊は読んだことがあるのだけれど個人的には世間が言うほど名作なのかな、自分はよく読めていないのかな、と思っていたのでフィリップ・K・ディックは少し避け気味だった。しかし、いつも本屋に行くとハヤカワ文庫のフィリップ・K・ディックの背表紙は目立っていてなんとなく気になっていて、ある日タイトルを順番に読んでいくと「逆まわりの世界

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vox

vox

クリスティーナ・ダルチャー著、「声の物語」(早川書房)を読んだ。この小説の原題は"vox"。この単語は声という意味のラテン語で英語圏では馴染みがありすぐに意味が理解できる単語らしい。本書の表紙ももちろん素晴らしいのだが、原書の表紙は女の人の横顔の口の部分にvoxと印刷されたxの部分が重なるようになっているみたいだ。とても素晴らしい表紙だと思う。

ここからはネタバレ込々!

あらすじは現代のアメリ

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一人で勝手に突っ走らない

一人で勝手に突っ走らない

ケヴィン・デイヴィス著、「ゲノム編集の世紀: 「クリスパー革命」は人類をどこまで変えるのか」(早川書房)を読んだ。
本屋さんに行って何か科学系、特に生物系についての本を読みたいなと思って探しているときに見つけた。ゲノムって遺伝子に関連したものなのか、くらいの知識しか私は持ってなくて、そもそも私は生物に全く詳しくない。それでも本の表紙がかっこいいのと、遺伝子を操作するってどういうことなんだろうという

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どう使われるか

どう使われるか

ミハイル・ブルガーコフ著、「犬の心臓・運命の卵」(新潮社)を読んだ。二つの中編?小説が入っている本だ。前情報はほとんど無くて、本屋に並んでいた背表紙が気になって手に取ってみると新潮社のstar classicsというシリーズの一冊だった。このシリーズ他の新潮文庫の海外翻訳と少し表紙の質感が違う。普通はスベスベした感じなのだが、このシリーズは少しでこぼこした感じの質感だ。O・ヘンリーのシリーズとかこ

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おもちゃでいっぱいの世界

おもちゃでいっぱいの世界

おお〜、読み切ったぞ〜
マセマの微分積分、なんとか読みました。少し前に線形代数を読んだあとに次は微積かなと思い読んだ。

最初は前回線形代数をヒイヒイ言いながら読んだから今回も大変かもなと思って読み進めた。思った通り大変だったのだが後半から急に読みやすくなった気がする。
前半のイプシロンデルタ論法とかテイラー展開とかは昔から知ってたからまだわかったけど、他はなんだかわかったようなわからないようなみ

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