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ドイツに住んでいる中で「ここは正直苦手だな」と思うところ

こんにちは、taigaです。
前回は、ドイツのスーパーのいい意味でのユルさを紹介しました。
これはドイツに限らず、他の国でもあるあるネタだと思います。海外生活は日本にはない体験ができる機会だと思っています。

さて、海外生活と一括りに言っても、多くの海外在住の方々は、皆さんが想像しているような『充実した素晴らしい生活』を送れているわけじゃないです。言葉の壁はとても厚いので、皆さんが思っている以上に(つまり外から見えている以上に)日常生活にストレスを抱えている人は多いと思います。

理由の一つはやはり言語でしょう。
ドイツは日本人が思っているよりも『英語が通じにくい国』です。
言語学的には、英語とドイツ語は『同じ言語グループ(兄弟っぽいもの)』というように説明されます。僕自身も単語などを勉強している中で「そうだな」と納得する部分は確かにあるのですが、でもやっぱ全然違います。
なので、正直英語が苦手なドイツ人も結構います(意外と若者でもそうです)。

そんなわけで、ある程度のドイツ語というのは生活の上でどうしても必要で、英語だけで全て押し通せるわけではないのですが、だからと言ってかなり勉強してドイツ語が話せるようになった人間でも、もちろんネイティブには程遠いので……と言うわけです。これはまた別の機会に詳しく書きたいと思います。

それでは今回は、ドイツに住んでいる中で『ここは正直苦手だな』と思うところを紹介します。

◆宅配便に関するトラブル

ドイツは諸外国に比べると『宅配便に関するトラブルが少なめ』だとは思います。アマゾンで何かを注文すると、ほぼ予定通りに届きますし、よっぽどのことがない限り、完全に紛失して届かなかった、などといったトラブルはありません(少なくとも自分はまだ一度も遭遇していません)。
ただ、もちろん日本のようなきめ細やかなサービス、安心感とは程遠いです。
「ちゃんと受け取れるだろうか」と、日本では普通はしなくて良い心配することになります。

まず、配送される時間帯が選べないので、確実に受け取りたい場合は、その日は自宅に1日待機です。なぜなら基本的に再配達はないからです。
普通の宅配便であれば、午前中か午後ぐらいのユルい時間枠は一応選べるのですが、ほぼ時間通り来ないので全くアテにならないです(配送トラックの時間帯のルーティン?は大体決まってるので)。

しかも一日中家で待っていたにも関わらず夕方になってもピンポンが鳴らず、家のポストに『ご不在でしたので、最寄りの郵便局に預けてあります。明日以降、一週間以内に受け取りに行ってください』というハガキが入っていること、割とあります。

これは宅配便に限らず、電気工事とかネット工事でも時々起こるらしいですが、特にコロナ以前は1日を無駄にした感じがしてガッカリしていました。(しかも重いもの、大きいものに限って微妙に遠い郵便局に留め置かれたりするので、荷物を運ぶ用の折りたたみ台車は必須です

あとは『アパート内の誰かに届けられて、その人の家まで取りに行く』と言うのも普通にあります。
僕自身は誰かの家に受け取りに行ったことはありませんが、配送スタッフが、1人に荷物を届けるついでに、「そうだ、このアパートに届いた今日の荷物は全部その人に預かってもらおう!」とするパターンですね。

だから僕自身も、アパートの他の住民の宅配便を代理でサインをして受け取り、自宅の玄関先に他人の荷物が数日間置いてある、と言うことはよくありました。大概はその夜に不在票と共に取りに来てくれるのですが、夏休みとかだと平気で1〜2週間、他人さんのアマゾン箱が自分の家に留め置かれることになります。

それにしても、平日の夜20時〜21時ごろに、他人さんの家にピンポン鳴らして、気まずそうに「あの、シュナイダーですが、荷物を…」とかやるの、彼らにとってもいちいちストレスだと思うのですが、それは『そう言うもの』と割り切っているのだと思います。
ただ、これってある意味『信頼関係』なので、代理の受取人が「いえ、届いていませんよ」と嘘を吐いたらどうなるんだろう?と、疑問に思ったりもします。

なので、ドイツに来てしばらくしてからは、Deutschepost(郵便局)/ DHL(ゆうパック的な立ち位置)がやっているPackstation(駅などに設置されている大型の宅配ボックス)に届けてもらって、アプリやメールで通知を受け取り、自分で受け取りに行くのが一番ストレスが少なくて安心です。

◆何でも交渉ベース

これは正直メリットでもあるので、『苦手なところ』というよりは、表裏一体ですね。ただこれは端的に言うと、担当によって言うことが全く違うということなので、何かサービスを受けたい時は、常に窓口の人と向き合って交渉しなきゃいけないのがストレスになる感じですね。

交渉ごとに慣れすぎると日本では『厚かましい人間』としてレッテルを貼られる可能性がありますね;ただ少なくともドイツでは窓口で何かを交渉して、自分にとってよりベターな道を選ぶことは普通です。

そんなわけで、ドイツで交渉というのが日常的に行われている理由は、自分が考えうるに3つあります。

1. 窓口担当にかなりの裁量権があり、上司の確認なしにOK・NGの判断ができるため

基本的に窓口業務の方々は残業しないので、『時間のかかる確認作業』をある程度減らすことで、作業を効率化しているんでしょうね。ただこれ、知識が足りない店員に当たってしまった場合は、サービスを受ける側(顧客)が損をします;

代わりに『通常よりも少し良い条件でやってもらいたいな』という場合でも、担当がOKと言えば、もうそれはOKなので、やや言ったもん勝ち?のような価値観になってきます。
なので疑問に思ったことは「店員さんに迷惑がかかるかもしれない、申し訳ない」などとは考えずに『とりあえず聞いてみるとラッキーかも』ぐらいの感覚でいるといいかもしれないですね。

2. 担当は自分の知識を『正しいもの』としてOK・NGを決めることができるから

最初に話した点をコインの表とすると、こっちはコインの裏側です。
つまり、担当者に十分な知識がない場合で、同僚に聞くのが面倒な人に当たった場合、自分の知識を『絶対に正しいもの』として処理してきます。なので、ちょっと複雑な質問、交渉をする時などは、あらかじめウェブサイトをスマホに準備しておくなど『武装』が必要です。

でないと、特に我々外国人は、ドイツ語や法律知識の面でどうしても不利なので(要はナメられる…と言うことですね)、言い方は悪いのですが、何もしなければ、何も言わなければ、『損』をする確率はやっぱり高いです。

これはドイツだけでなく世界中に住む『外国人』は同じ経験をしていると思いますが、特に日本人は主張・交渉が苦手でクレームも言わないので、多くの場合で『良質なカモ』になりがちです。なので、

(確かにこんなサービスがあったはずなんだけどな)

と思ったら、店員に「そんなものはない!」と怒られた場合でも「ここに書いてあるんですが」と説得力をアップさせることができます。

時には声を荒げてきたり、『何言ってんだコイツ?』みたいにバカにされる感じで不愉快になることもありますが、ハートを強く持っていればOKです。


客側の主張を聞くと大概の店員は『あれ、そうなの?』という雰囲気になり、そこに書かれている条件を詳しく読んでくれ、時にはChef(ボス)に聞いたりしてくれるので、正しいサービスが受けられる確率がグッと上がります。

3. 店員のご機嫌次第でサービス内容が変わるから

これは言葉のまんまです。
ご機嫌だとしっかり相談も聞いてくれて、バリバリ調べたり違う部署に電話とかもしてくれて、とってもフレンドリーです。交渉する時や、複雑な質問をするときも、店員さんがご機嫌だと無敵です。
ドイツ語がある程度できるなら、天気などのスモールトークを入れるなどして、より好感度を上げて接してみるといいかもしれません。
(ただあんまり話に夢中になりすぎると、数字の打ち間違いとか、細かい書類ミスとか出てくるので、そこはサジ加減です。Danke!と返事をして元気にお店を出て、日付が去年のまま印刷されていた、とかないようにチェックしましょう)

しかし、店員さんのご機嫌がすこぶる悪いと『とにかく面倒くさい』オーラを出されるので、もうはじめからちょっと気まずいです。顔見知りでも同じです。
最悪の場合は「ちょっと今日はできないから、また週明けにでも来て」と言う感じで、スルッと終わらされたりします。日本では信じられないかもしれませんが、普通にスマホゲームを弄りながら対応、という場合もあります。

◆おまけ:ドイツ人からのアドバイス

窓口担当やカスタマーサービスの当たり外れに関しては、ドイツ人自身もやはりストレスのようで、彼ら、彼女らの愚痴も割とよく聞いたことがあります。

そんな昔、語学スクールに通っていたとき、ドイツ人の先生がクラスに向けて発信していたアドバイスがあります。
未だにかなり使えるので、ドイツとは言わず、海外に住んでいる全ての日本人に是非とも知っておいてもらいたいので、書いておきます。

「もし窓口で1人の担当にダメと言われたら、また列に並び直して、今度は違う担当のところに行くのよ。5回ぐらいやれば1人ぐらいOKって言ってくれる人がいるから!」

まさに、『担当によって対応が違う』と言う事実をドイツ人自身が教えてくれたいい例です。人によっては5回も繰り返すのはちょっとストレスかもしれないですが、2・3回程度ならやる価値は十二分にあると思います。
(ただ並び直した時に限って『また同じ担当』にアタリそうになる事もありますよね…そういう時は整理券を後ろにいる人と交換して先に行ってもらうなど、ちょっと工夫が必要です)

こんな感じで、現地に住むドイツ人自身も行なっている処世術、他にもちょこちょこストックがあるので、思い出すたびにちょっと書いてみたいと思います。

◆まとめ

と言うわけで、今回は『ドイツに住んでいる中で苦手だな、と思うところ』をチラッと紹介してみました。

思えば、前回の記事『ドイツのスーパーでのいい意味でのユルさ』と表裏一体の内容ですよね。『サービスにおけるユルさ』は、プラスにもマイナスにも働くということですね。

もちろん、ここに書かれていることがドイツのサービスの全てだと言うことは絶対にありません。会社の規模、サービスの質、教育水準、店員のご機嫌、知識レベル、そして住んでいる場所、などなど…全てに左右されます。これは日本でも同じですよね。

ドイツ人は基本的に真面目な人が多いので、アタリの担当さんだと本当にしっかり、安心して任せることができます。笑顔は少なめで怖い時もありますが、真面目なだけなんだ、これが普通なんだと割り切りましょう。
逆に移民背景を持つ担当さん・スタッフはドイツ人に比べてユル度が高め(フレキシブル)な印象がありますが、ドイツ人よりもフレンドリーで、細かいことは気にしないぜ!という感じですね。

あくまで僕個人の知識レベル・体験レベルでの話なので、世の中にはいろんな人がいるよ、と言う感じで少しでも参考になれば幸いです。

この記事を最後までお読み下さいましてありがとうございました。 これからも皆さんにとって興味深い内容・役立つ情報を書いて更新していきますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。