45歳からの外資転職ノート 第10話 役職ポジションについて

第10話 役職ポジションについて

日本人は会社名で就職先を決めることが多かったように思うが、外資ではどのポジションになるのかが極めて重要だ。もちろん会社選びも大事だが、この会社ならどの仕事でもよいという考え方はない。それは前にも述べたように、ポジションと給与がリンクしているため、またポジションに対する役割や専門性を強く意識しているからだと思う。

外資では採用を決める際の契約書にポジション名が必ず記載される。そのポジションに対して契約したことを明確にするためである。外資系企業の採用の主流は中途採用なので、プロフェッショナルとして、どのポジションをいくらの年収で受けるか、ということが重要なのだ。

海外赴任をしていた頃、アメリカ人の同僚が次のようにいった。「僕は大学で労働法を勉強していたからこの会社でも労務管理をやりたかったんだけれど、ポジションがなかったんだ。だから、今は採用の仕事をしているけれど、労務管理の仕事を探しているんだ。」当時の私にとって、この発想はとても新鮮だった。

日本では、学生時代に専攻した分野にこだわって就職先を選ぶケースは必ずしも多くないように思う。しかし、本来であれば、専門として学んだことを活かして職業に就き、生涯を通じて更に専門性を深めるというのが筋だと思う。最近は日本企業でも職種採用がみられるようになったので、今後は職種にこだわる傾向も増加していくのかもしれないが。

転職する際も、外資では「よいポジションが見つかったので転職します」と堂々と挨拶するひとが多い。同じシチュエーションでも、日本企業ではなかなか聞くことができない発言だと思う。プロ野球選手のような発想で、このような発言が自然にできるようになると、転職も更にしやすくなると思う。


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