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書いていると、読みたくなる。


文章を日常的に書くようになると、「読む」ことへの視点や姿勢が変わったりすることはないだろうか。

自分は、ここ最近、小説に対する視点が少し変わった。どう変わったのかと言えば、読み手視点から書き手視点になった。自分なりに“小説的なもの”を書き始めてみて、物語を紡ぐ難しさと奥深さを身をもって感じているだけでなく、読み手として誰かの作品を眺めていた時とは違う感覚がいろいろと押し寄せてきている。

まず、以前より小説を読むようになった。これは単純に、みんながどんなものを書いているのかを知りたいというのが大きいのだけど。私が読むのは、名の知れた作家のそれではなく、noteに投稿されている作品たちだ。もともと小説はそんなに読まないタイプなのだけど、noteで「小説」「短編」などで検索して気になるものを読むようになった。個人的にはクスッと笑えるネタや驚きを含んだ“変な小説”が好きなのでよく探している。

次に、以前より小説が読みやすくなった。今まで作品によっては、まわりくどい奇をてらったような描写で読み疲れてしまい投げ出すことが度々あったけれど、それが減った。書き手の執筆時の気持ちを多少理解しながら読める感じといえばいいだろうか。こういう感情をこういう描写で表現してるのか、なるほど!的な。

あと、以前より人の書き方が気になるようになった。書く人によって、文体やジャンルや世界観などが違っていて、それぞれに個性があって面白い。さらにいえば、改行の仕方、ひらがなと漢字の使い方、一文の長さ、比喩表現も違う。みんな本当にバラバラだ。学ばせていただける点も多い。プロの作家もそうだと思うけれど、小説執筆には、映画やドラマやCMをつくるのとは違って「予算」という概念がない(取材にはお金がかかるとは思うけど)。小説は物語を文字に起こすだけだから、制約もなく自由に世界を広げられる。地球を破壊することもできるし、テントウムシになることもできる。なので、自由すぎて、かえって何も書けなくなる日もあったりする。

とにかく、書き手視点で小説を読むのは結構面白い。個人的に、これはちょっとした発見だった。(ずっと書いている人には今さらの話だと思うけど)


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読んでもらえるだけで幸せ。スキしてくれたらもっと幸せ。