只見線のあるまちにて2021/04/22
友人宅を出発したのは午後3時半過ぎ。会津線の南若松駅を通り過ぎ本郷大橋を渡り会津美里町本郷地区へと入る。なぜ本郷が好きなのといえば中学の時の恩師が本郷出身の人だったからだ。また、その人の母親が「酔月窯」で働いていたこともあって本郷焼にも良い印象を持っている。そんな本郷地区へ入って一番最初に目についたのは、ガソリンスタンド前のリンゴの木。木の枝の隙間から飯豊山が見えるのもなんとなく良い感じがする。今日は撮るところがいくつかあるので、こんなところで休んでいるわけにもいかない。急いで自転車をこぎだし目的地へと向かう。
伊佐須美神社へと向かっているので会津美里町の中を走っているのだが、途中突然、会津若松市の標識が現れる。ここら辺は会津若松市(旧北会津村)との境目が道路に沿ってないのでそういう現象が起きる。だから自分のいつも撮影しているところも厳密には会津美里町ではなく会津若松市(旧北会津村)になる。そんな標識を通り過ぎるとトラクタで田んぼを耕しているのが見える。
あぜ道のランボルギーニことタンボルギーニの軽トラが走っていく。遠くにはJAのマークが入った建物が見える。おそらく会津美里町の農協の倉庫なのだと思われる。一度近くを通ったことがあるが、でかい建物だなぁと感心した覚えがある。こんなところで時間を割いているわけにはいかない。軽トラを見送りながら、再度自転車をこぎ始める。
友人宅から30分ほどで伊佐須美神社に到着した。とりあえずは鳥居をと思ったのだが、望遠レンズを着けているので全部が入らない。標準レンズも持ってきているが、取り替える手間が面倒だというか、カメラの中にゴミが入るのも気になる。仕方なく鳥居から離れて、望遠レンズの広角側いっぱいいっぱいにしてみると、なんとか鳥居が入った。
もう10年以上前になるだろうか、伊佐須美神社の本殿が火災で燃えてしまった。それ以来、仮の本殿で参拝客を迎えているが、どことなく不自然な感じがする。一組の男女が今まさに拝むという瞬間だったので、左の淡墨桜を入れながらカメラに収めてみた。男女と入れ替わりに自分も拝むが、いつもかぶっているキャスケットはきちんと脱いでから拝んだ。
毎年、伊佐須美神社の淡墨桜の写真は撮り忘れてしまうのだが、今年は20日頃に満開になると聞いていたので、それが目当てで今日伊佐須美神社へ来たのである。桜の木の下に銘板があったが、品名がアイヅウスズミとなっていた。梅も桜も区別のつかない自分でも、淡墨桜はその紫がかった色で区別がつく。いつまで咲いているのかはわからないが、4月いっぱいではないのかと思う。
伊佐須美神社がなにか変わったなと思っていたら、お札などの販売所やあやめ苑のほうにある売店が開いているからだった。昨年、閉まった店の裏で高田梅の看板の下で野良猫を撮影したが、今日はその猫はいない様子。去年にはなかった左側の看板が気になるが、起き上がりこぼしだろうか。会津若松市内ではみかけない代物だ。今度寄って見てみたいと思う。
伊佐須美神社を出発して只見線の撮影ポイントへと向かう途中、道路を渡る一輪車を押す男性に出会う。ここら辺にはホームセンターもあるので、農作業用具でも買いに来たのかと思われる。後ろの看板には龍興寺の文字が見える。10年以上前、蓮の花を見に午前中の早いうちに来た覚えがある。
今日は風が強いせいか菜の花も倒れている。踏切停まれの看板が昔からあるもののようで、なんだか逆に新鮮味を感じる。遠くには雪のかぶった飯豊山が見える。
田んぼの中にポツンと一本だけ立っている木がある。去年は周りが菜の花で埋もれていたが、今年は何もなくてちょっとばかり寂しい様子。今年もこのあたりで菜の花があるとの話を聞いたが、四方見回してみても見当たらない。こればかりは地元の人に聞いてみないとわからないと思った。
今日はじゃんりん(雀林)踏切で只見線を撮ろうと思ってたところ先客があった。なんだって、こんな平日のこんな季節に撮りに来るのか不思議だったが、仕方ないので近くの菜の花が咲いている所で磐梯山をバックに撮ることにした。
今日のもう一つの目的地は法用寺だった。先日来た時には虎の尾桜がまだぽつりぽつりとしか咲いていなかったので今日また来たのである。相変わらず咲いているのか散ってしまったのかわからない状態だった。この法用寺の正式名称が「雷電山法用寺」と言うそうで、なぜかYMOのRYDEENが思い浮かんでしまい、一人ほくそえんでしまった。
虎の尾桜を撮ろうとしたが、あいにくマクロレンズもなく寄れるレンズもなかったので、望遠レンズでぼかして撮ってみた。花を撮るときぐらいマクロレンズ持って歩けよと自分にツッコミを入れたくなるが、バッグには最低限のレンズと替えのバッテリを入れて持ち歩いているので仕方ない。
三重塔も標準レンズ持ってるのなら、それを着けて撮れよと思ったが、次の只見線の時間を考えるとレンズ交換してる暇はない。仕方ないので屋根だけ三重だと分かるように撮った。それにしてもきれいな建物だと思う。
じゃんりん(雀林)踏切に戻ってくると、先ほどバッティングしたカメラを持った人はどこかへ行ったみたいで、一人で下りの只見線を撮ることにした。地元の方には悪いとは思うのだが、10年近く「雀林」を「すずめばやし」ではなく「じゃんりん」と呼んでいた自分には「じゃんりん踏切」のほうが合っている感じがする。
ほどなくして下りの只見線がやってきた。見出し画像に使った写真が踏切の上り側で、すぐさま踏切の下り側に急いで移動する。さっきの只見線を撮っていた人は上り列車だけ撮影したかったようだが、自分にとっては赤いテールライトのほうが雰囲気があって良いと思うのだが、自分だけだろうか?
じゃんりん(雀林)踏切で次の列車を待つことはせず、また次の撮影ポイントへと向かった。途中何気なく見た国道の標識が会津高田町のままになっていることに気づいたが、写真を撮るだけで、誰かに報告するものでもないだろうと思った。
次の撮影ポイントをどこにするか迷ったが、昔撮った宮川橋梁の下から見上げるように撮ろうと思った。昔来たときは橋梁を撮影するのに邪魔する木などなかったが、今日は葦が生えていて撮影の邪魔をしていた。そこで縦に撮ろうとしたら橋梁の下から磐梯山が見える。これは新しい発見だと思い、通過する列車と一緒に磐梯山を撮った。
いつもの通り3本の只見線を撮り終えると家に帰るのだが、途中ドラッグストアで食べ物を買って帰ると、午後7時近くになる。ベランダから今日行った方角を眺めてみると夕焼けと夕闇が入り混じっている感じがして、とても良い感じに見える。明日はもう一本6時台の只見線を待って撮ってみてもいいな、そう思いながら食事の準備を始めた。
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