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累計約70,000個の廃棄予定だったパンをTABETEでレスキュー 先駆者として2年間出品を続けた効果【株式会社FLAVORWORKS様】

TABETEがリリースされたのは2018年4月29日。

さっそくお店にお声がけをするも「自分からロスを出しているなんて、ネットで公開できる訳ないだろ。」という反応が多く、新参者の「TABETE」を受け入れてもらうのは大変難しいことでした。

そんな中、2018年11月にTABETEを導入してくださったのが「BOUL'ANGE」。大手パン法人としては、特に早くにTABETEを取り入れてくださいました。現在では全国7店舗でTABETEを活用していて、累計で約7万個のパンがTABETEでレスキューされています。さらには同店における食品ロス削減の取り組みが注目を集め、メディアに取り上げられることも少なくありません。

今回は「BOUL'ANGE」のお三方から、導入の経緯、導入後にみられた効果を伺いました。

<聞き手=篠田沙織>

【今回お話を伺った皆様】
・松川様:株式会社FLAVORWORKS 執行役員 ※トップ写真右から二番目
・山田様:株式会社FLAVORWORKS BOUL’ANGE セクションマネージャー ※トップ写真左から二番目
・斉藤様:株式会社FLAVORWORKS BOUL’ANGE 新宿サザンテラス店 販売責任者 ※トップ写真中央

篠田
リリース当初からTABETEを使ってくださっているBOUL'ANGEの皆さんにインタビューができて、嬉しいです! お時間いただきありがとうございます。
まずは、こちらのお店を利用されている客層について教えていただけますか?

山田さん
「BOUL'ANGE 新宿サザンテラス店」では、主に20~30代の女性のお客様にご利用いただいています。常連様も多く、中では6年間通ってくださるお客様もいらっしゃいます。

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BOUL’ANGEのInstagramもあるのですが、そちらをフォローして頂いている方も、同じ層の方が多い傾向です。

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BOUL'ANGEさんのInstagram。“暮らしに寄り添うブーランジェリー” として、日常に親しみやすいパンを提供されています。

「廃棄率3%以下」を目標にしつつ、閉店間際まで品揃えを用意

篠田
TABETE導入前は、廃棄率削減に向けてどのような対策をされていたのでしょうか。

松川さん
BOUL’ANGEのパンは保存料を使わない分日持ちしないので、フードロスにならない工夫は前々から考えていました。

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今でも続けているロス対策として、生産量の調整はもちろん、翌日に違う商品として提供できるように設計しています。例えば、バケットはラスクにしたり、クロワッサンをダマンド*1 にしたり…。

(*1 「ダマンド」はアーモンドを指します。BOUL’ANGEでは、クロワッサンにアーモンドクリームやスライスアーモンドを合わせて上品な甘さに仕上げた「クロワッサン・オ・ダマンド」が販売されています_編集注)

他にも、弊社取締役の髙橋が月に一回子供食堂にパンを届ける取り組みを実施しています。

篠田
そういったフードロス対策に関して、ゴールや目標はあるのでしょうか。

松川さん
廃棄率を3%以下にキープするという目標があって、先ほどお話したような工夫をしつつ、廃棄率を3%以下に抑えられるようにしていました。

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本来であれば廃棄率はもちろん売り切れとなる0%が理想ではありますが、閉店間際でも期待してご来店されるお客様がいらっしゃる以上、商品棚を空にするわけにはいかず、最低でも3%以下に設定しています。

TABETEを使うことで、これまでの工夫にプラスして廃棄率が減らしやすくなるのでは、と考えていました。

ブランドイメージを守るため、絶対に値下げはしなかった。「安売りサービスではない」ことがTABETE導入の決め手に。

篠田
松川さんに初めてTABETEのお話をした時は、「TABETEで値下げをすることによってブランディングにマイナスの影響が出るのでは」と懸念されていました。そこから導入を決断するに至ったポイントは何だったのでしょうか?

松川さん
TABETEの導入を決めたポイントは、「フードロス 削減」という目的が明確なサービスだったことですね。

初めてお話を聞いたのは、今から3年前でした。当時は「安売り・お得サービス」はあっても「フードロス 削減サービス」はなかった

「購入」ではなく「レスキュー」という言葉を使っているのもわかりやすかったですし、TABETEは単なる安売りサービスではないと理解できました。

篠田
3年前はまだTABETEもサービスとして小さすぎて、まだ大手法人様はどこも導入していなかった中でよくぞ...! と今でも思っています。

【ちょっと裏話】
実は松川さんにTABETE導入の話を持ちかけたのは、当時大学生だった井上美羽さん。元々BOUL'ANGEさんで働いていた彼女は、世の中で廃棄されるパンを少しでも減らしたい! という思いからTABETEでインターンをしていたんです。きっかけをくれた井上さんには、今でも感謝しきれません。

篠田
こちらのお店ではほぼ毎日TABETEで出品していただいています。日々のオペレーションについて教えていただけますか?

斉藤さん
15:00ごろに様子をみて、夕方、夜のピークをみながらTABETEの販売個数を決めています。

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その日の販売責任者が、“TABETEの出品に入れても良いもの”をパンの種類で指定します。そうしてTABETEには入れないパンの種類を決め、後はランダムに詰め合わせてTABETE用のセットを用意します。

他には、試作品で余ってしまったものや、生産時に形崩れしてしまったものも時々入れていますね。

導入から1ヶ月で、スタッフ全員がTABETEを完璧に使えるようになった。

斉藤さん
購入が確定すると、TABETEからの通知電話がきますよね。スムーズに電話を確認できるよう、店舗の電話機に通知がくる番号を登録してありますよ。

篠田
通知電話について、お店側でも対応してくださっているのですね。ありがとうございます!
ちなみに、TABETEを使いこなせるまでの期間はどのくらいでしたか?

斉藤さん
シンプルだったので、使い方はすぐに覚えました。1ヶ月くらいでアルバイト含めた全員が使えるようになったと思います。

篠田
1ヶ月で全員が使えるようになったんですね! BOUL’ANGEさんはスタッフさんも多いお店かと思いますが、全員がすぐに使えるようになったコツを教えていただけますか?

斉藤さん
最初は、販売責任者がスタッフに個人指導をします。電話でレスキュー通知が届くところから、商品をお渡しするまでの流れを教えて…。
そのあと、そのスタッフが先生になって、他のメンバーへ使い方を0から説明してもらうんです。

篠田
教えてもらった人が、すぐに他の方へ教えるんですね...!

斉藤さん
はい。教えた方が記憶は定着しやすいので、この方法をとっています。スタッフからメンバーに使い方を説明するときは、LINEグループを使っています。私がつくった「TABETEの使い方動画」もLINEグループで共有していますね。

篠田
使い方動画までつくられたんですね! 確かに、文字で説明されるよりも動画でみた方が分かりやすいですよね。

斉藤さん
最近では誰でもYouTubeを観たりしますよね。みんな、動画で何かを観ることに慣れています。アルバイトの子はメモを取らずに、動画や写真をとってメモ代わりにしていることが多いですよ。

また、店舗側の目線では、デリバリーサービスと比較してもTABETEはオペレーションに組み込みやすいと感じます。デリバリーサービスはお客様との直接のやり取りではなくなく、間に配達員さんとのやりとりが必要なので、そこでトラブルが起きてしまうこともあります。

その点、TABETEは福袋形式で商品内容も自由ですし、お客様と直接やり取りをするので安心して使いやすいです。

廃棄率は月間0.3%削減。スタッフのフードロス に対する意識向上にも繋がった。

篠田
ほかのお店の皆さんも一番気になるところだと思うのですが…。
実際にTABETEを使い始めてから、どのくらいの量のロスが削減されましたか?

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山田さん
廃棄率でいうと、TABETEだけで月間0.3%の廃棄率が削減されました。また、レスキュー数は現在導入している7店舗で月間1,100セット(月間約58万円の利益)になります。

篠田
月間1,100セットもレスキューされているんですね...! 「廃棄率3%以下」の目標達成にTABETEも貢献できているようで嬉しいです。

山田さん
それから、定量的な成果に加えて、定性的な面でも効果を感じますね。スタッフそれぞれが、今まで以上に「フードロス削減」を意識するようになったと思います。


フードロスを抑えつつ、販売機会も逃したくない。TABETEはそんな時に頼れるツールになる。

篠田
最後に… TABETEの導入を検討されている方に向けて、一言ずつお願いします。

山田さん
お店の形態などによって合う・合わないはありますが、TABETEは働いている方の意識改革にも繋がるので、個人的には強くオススメしたいです。

斉藤さん
TABETEはフードロス削減はもちろん、お店の認知につながるかなと思います。お店の味をお得に知っていただいて、次の来店のきっかけづくりにもなりますし。お客様とお店がwin-winな関係になれるので、ぜひやってみてほしいなと思います。

松川さん
昨今の状況だと売りが読めず、フードロスを恐れてどうしても生産量を抑えてしまうことがあります。それがチャンスロス(販売の機会損失)に繋がってしまう。

それでもちゃんと売上を立てるために、生産量を確保したい。そのとき支えになるのがTABETEさんだと思っています。もし予想外に余ってしまっても、最後はTABETEを通してレスキューしてもらえる。TABETEは、販売体制を整える手助けになると思います。

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TABETEを利用している店舗さんがまだ少ない中、TABETEを使って「フードロス削減につなげる」という方法を選んでくださったBOUL’ANGEさん。

ただサービスを導入するだけでなく、スタッフみんなが使いこなせるための工夫もしていらっしゃいました。特に、動画を使ったノウハウ共有のやり方は、どこのお店でも参考になりそうですね。

BOUL’ANGEさんでは日々工夫を重ね、食品ロス削減に取り組みながらお店を運営していらっしゃいました。皆さんが明るく、そして誇りを持って働けるよう、これからもTABETEを活用していただければと思います。


〈取材・文=篠田沙織(@0815Sama)/編集=山田晴香(@komugi_eat2live)/撮影=伊作太一(@fuzz139)〉

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今後もTABETEを導入している店舗様へのインタビューや、フードロス削減の工夫についてnoteで発信していく予定です。フードロス削減にお困りの飲食店の方は、ぜひ以下URLからご連絡ください。

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