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神様のおしごと|ショートショート
「あなたが湖に落としたのは、普通の鍵ですか? それとも最新式の非接触型ICカードキーですか?」
突然、湖の中から神様が現れた。
「え? 鍵ですか?」
男性は驚いて神様を見た。
「そうです。さっき落としましたよね?」
「あー……すみません。もう日曜日が終わっちゃうな―って。月曜日、会社に行くのイヤだなーってぼんやりしてて」
男性はため息をついた。神様は構わず続ける。
「それは大変ですね。お疲れ様です。で、どちらの鍵があなたのですか?」
「僕の上司ね、ひどいんですよ。部下に仕事を押し付けて、自分は全然仕事しなくて……。わざと聞こえるように『仕事できない部下を持つと大変だなー』って言うんです。ひどいと思いませんか?」
神様は「めんどくさい奴が来たなぁ」と思った。
「鍵を返してから話聴きますから。えーと、こっちのICカードキー……ですよね? うん、きっとそうだ!」
「転職した方がいいでしょうか……。神様、どう思います?」
神様のイライラはピークに達した。
「そんなこと知りませんよ! それより鍵ですよ鍵! 鍵を受け取ってから転職活動でも何でもしてくださいよ!」
「あ、鍵はちゃんとポケットの中にありました。話を聴いてくれてありがとう! さすが神様! それじゃ!」
神様は「こんな仕事辞めてやる!」と叫んだ。
(了)
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