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【連載小説】僕と彼女の宇宙旅行【連載中】

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彼女との初の宇宙旅行は”ミステリーツアー”。 どこに着くかわからない旅の始まり。 しかし、予想もしない展開が待っていた。
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#洞窟

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#1】

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#1】

#1 宇宙をお散歩していたら...
 無重力は楽しい。何でもぷかぷかと浮かぶ。
 だから、宇宙を散歩するのは大好きだ。今日も少しだけ散歩しよう。

「宇宙は綺麗だなぁ。」

 宇宙では大声で独り言を言っても、外に声が漏れることはない。外には誰もいないし、何てったって真空だから。

「また言ってる。よくもまぁ、毎度毎度感動出来るわね。」

 外に声が漏れる事はないけど、隣にいる人には丸聞こえだ。

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僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#15】

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#15】

#15 洞窟の奥に 洞窟内には光が無かった。
 開いている扉から少しの光が差しているだけで、先は全くと言っていいほど見えない。

 急いで周囲に何か灯りになるものはないか、と探してみた。
 しかし、使いさしの蝋燭くらいしかなかった。

「あ、そういえば、、、」

 ずっと手に付けっ放しだった端末に、ライトの機能があったはずだ。それを思い出し点けてみると、完全とまでは言わないがある程度先までを見通す

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僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#16】

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#16】

#16 レイトとヒューゴ少年 ガタガタ、ギギギイイイ、ゴロゴロ、、、

 洞窟は小刻みに揺れ、岩の擦れる音や小石が転がる音が、一気に緊張感を高めている。
 揺れは20秒か30秒か。少し長めに続いた。

「...おさまったかな...。」

 岩壁について手を放し、周囲を確認する。何かが変わった様子はないだろうか。足元も小石が少し増えている気はする。
 大丈夫。ここで止まっている場合ではない。できるだ

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僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#17】

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#17】

#17 誰かいる 洞窟はやはり暗く、少しじとっとした空気が緩やかに、まとわりつくように流れる。

 二手に分かれた道のうち、下り坂を選んだマークは、転ばないように慎重に慎重に歩みを進めていた。

「少し寒いな…。」

 洞窟は深くなればなるほど、太陽光で温かい地表からは遠ざかっていく。近くに溶岩や源泉でもない限り、地下が温まる事はない。あったらあったで大惨事だが。

「おーい! レイニー! いるの

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僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#19】

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#19】

#19 ここはどこだ。 レイニーと再会し、早速今まで来た道を引き返し始めた。

 長い廊下をてくてくと歩いて行く。左右に牢屋がある異様な廊下。
 今まではレイニーを探すのに必死だったが、マークにとって牢屋を見ること自体始めて。
 昨夜、捕まった詰め所のような簡易な牢屋ではなく、ちゃんと人をここに閉じ込めておく事を目的としているのがありありと伝わって来る。

 それにさっきまで居た女性はどこかに行っ

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僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#21】

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#21】

#21 二人の鍵 紫色の女が消え、再び静寂が訪れた。

「とはいえ、まずこの扉をどうにかしないと…。」

 その後も、鍵をどうにかして挿し込もうとしたがうまくは行かなかった。

「マーク…。もう無理だよー。何でわたしたちがこんな目に…。」
「もうちょっと待って。がんばってるから。」

 鍵穴から向こう側を除いたり、何度も鍵穴に当ててみたりした。

 もう諦めかけていた。
 精一杯前向きに、レイニー

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僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#23】

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#23】

#23 彼方からの使者 僕たちは言われた通り、鍵を火に当てることにした。

「やるよ。終わったら…ここから出られるようにしてくれるんだろうね。」
「…そうだね。望み通り道を作ってあげる。」

 変な言い回しだな、と感じた。
 それに、一切信用はしていない。
 それでもやるしかない。

 そう決心し、レイニーと共に鍵を握り、徐々に火に近づけていった。
 炎は相変わらず煌々と燃え続けていて、鍵を赤く熱

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僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#25】

#25 地上への扉「待てええぇぇぇ!ここからは一人も出す気はない!」

 紫の魔女が、目の前に現れた。魔女は宙に浮いていて、確かに只者ではないのが一目でわかる。

「マーク!マーク!!」

 紫の魔女の力なのだろうか。僕がいる廊下は、地上への扉からどんどん離れていく。押し戻されているのだろう。
 徐々にレイニーからも離れていく。

「レイニー!行くんだ!!地上へは真っ直ぐ上がれ!分かれ道は全て上だ

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僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#26】

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#26】

#26 向こう側へ マークは、遠ざかる扉を見ながら、レイニーがどうか助かりますようにと願っていた。
 初めての宇宙旅行で、二度も彼女と別れる事となってしまった。しかも、もうこのまま会えないんじゃないか、と後悔ももちろんあった。
 ただただ、彼女の無事だけを願いながら、洞窟の奥で巻き起こっている事を見られる限り見ることにした。

 相変わらず二つの光がぶつかったり、消えたり、また現れたりした。
 宙

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僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#27】

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#27】

#27 ピケ マークは、一歩一歩しっかりと歩いた。

 あと9m。あと8m。あと7m。

 着実に進んでいる。向かいにいるレイニーの顔も近づいて来た。
 しかし、ここで遂に起こって欲しくない事が起こってしまった。

『逃がさないよ。』

 さっきまで光がぶつかりあっていたはずだが、今では空洞の中に響いていた轟音もなくなっていた。
 そして、真横に紫の魔女が迫っていた。

『一歩でも進んだら、どうな

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僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#28完】

僕と彼女の宇宙旅行【連載小説#28完】

#28 別れ 何分経っただろうか。
 わずかながら空が白んでいて夜明けが近いのがわかった。

 僕たちは必死に駆け上がった。

 地震は収まらず、洞窟がいつ崩れるかわからない恐怖の中、走り続けた。
 それでも、全員が洞窟から地上へ上がって来られた。

 地上の光が見え、やっとだと思った時。魔女が声なのか音なのかわからないような怒号を鳴らしながら上がって来るのが見えた時には、もうすぐなのにこれまでか

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