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『「好き」を仕事にする自分ブランドの作り方』ものづくり系クリエイターの教科書(2010年発行)を公開します。


「台東デザイナーズビレッジ」の村長の鈴木淳です。

「台東デザイナーズビレッジ(略称:デザビレ)」は、2004年に東京都台東区が設立した、ファッションやデザイン関連のクリエイターが集まる創業支援施設です。廃校になった小学校の旧教室をアトリエにリノベーション、自らのブランド、自らのビジネスを成長させたいという意欲のあるクリエイター達に貸し出し、事業をサポートをしています。開設から17年目を迎え、卒業したクリエイターやブランドも100組を超えるようになりました。卒業生たちは、事務所や店舗を構えたり、ファッション業界で活躍したりして話題になることも増えています。
このような成果が口コミで広がり、現在では入居希望倍率が平均6.5倍、10倍を超える年もあるなど、日本一の人気創業支援施設と言われるようになりました。

私、“村長”の役割は、創業したばかりのクリエイターたちにビジネスをアドバイスすること。創業支援の相談窓口は全国にたくさんあり、支援担当者も多いのですが、その大半は一時的な事業相談や手続き相談などが中心です。ここデザビレでは、入居期間が3年間と長いため、「事業を成長させる」ことに加えて、「その人自身を成長させる」ことにも重きを置いています。

私が関わるクリエイター達は、何かを作ることが好きで、そのうちに周りの人たちに喜んでもらえたことが嬉しくて商品を作り始め、漠然とこれをビジネスにしていきたい、と考えるようになった人が多いように思います。
しかし、「ものをつくること」に集中してしまい、とにかく「いいモノをつくっていれば稼げる」と思いがち。ビジネスの原理原則を知らないまま、何となく商売をしているけれども、「なかなか売れない」「頑張っても成果が出ない」「何をしたらいいのかわからない」「先行きが不安」という悩みを抱えています。仕事が辛い、自信を失ってしまい、不安で泣き出してしまう人もおおぜい見てきました。
これまでデザビレで100組以上のクリエイターの創業3年間の成長を見続け、1000人以上のクリエイターに関わってきましたが、この悩みは驚くほど共通しています。

しかし、そんな状況から、事業を成長させて、人としても魅力的で生き生きと仕事をしているクリエイター達を何十人も見てきました。多くの卒業生たちが活躍してくれたおかげで、デザビレに入居すれば成功できる、と期待を持ってくれる人も増えてきました。ただこの卒業生たちも最初から売れていたわけではありません。苦しいことや不安を乗り越え、試行錯誤しながら、徐々に事業を大きくしていったのです。

16年間を通じて「失敗する理由は似ているが、成長する方法はひとそれぞれ」ということがわかってきました。人それぞれ、というのは、自分自身を活かして、自分だけの成長法則を見つけたときに伸びるからです。私自身が考え試行錯誤してきたこともありますが、100組の創業クリエイターの3年間を見続けてきたからこそ分かることもたくさんあると思っています。

◆好きを仕事にする自分ブランドの作り方を公開


今回NOTEで公開するのは、10年前の前著「好きを仕事にする自分ブランドのつくりかた」です。これは創業支援施設の現場での指導内容や気づきを、1~7年目まで書き続けたブログを基に再編集し、クリエイターの活動に参考になるようにまとめ直した本です。

この本はクリエイターに注意してほしいことが中心で、ちょっと厳しい内容になっています。また10年前は、ネット販売ではなく小売店への卸売りで販路を広げることが中心という内容です。コロナ後の販売方法とは少し違いますが、考え方自体は大きく変わらないと思います。ぜひ参考にしていただければ幸いです。

内容を少しずつ投稿してきますので、しばらくお付き合いください。

なお2019年に発行した「自分を動かすスイッチの入れ方」は、ベースとなる考え方は一緒なのですが、前著ではページ数の関係で大幅に割愛した「自分の生かし方」「コンセプト」「ターゲット」等の考え方や、クリエイターに特有の考え方の癖を解説しています。この内容は私が主催するクリエイター起業塾で受講生たちに教えている内容がベースになっているのですが、両方読んでいただくと、ブランド立ち上げや事業の見直しに役立つと思います。既にブランドを立ち上げて、伸び悩んでいる人には、現状を脱却するヒントになるはずです。


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