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せかいへいわちゃん(紀尾井文学会)
2019年2月15日 02:52
我が逃走 #砂糖酒 ねこちゃん大好きー!!って話です。ねこちゃん大好きだから一時間半で書いたよ! by.水無月透子(砂糖酒)。 今日に至ってみて私は、運命の神が私を旧アジア圏辺境の小さな島国日本国に誕生させて呉れたということを、深く感謝せずには居られない。それはこの小さな島が、もはやその総体としての誇りを失い何一つ己で考えられなくなってしまう程に夢も希望も危険もない国だったからである。我々
透子
2019年3月2日 23:43
春が来た。 雷鳴を轟かせながら降下してくる雷鳥達が月あかりに照らされて白銀の翼をはためかせた。月世界との交易が始まって5年。八ツ代ノ岳(ヤツシロノタケ)は二星間の貿易拠点として陽春の候、精華なる狂乱の様相を呈していた。月世界と交流があるのは2月〜4月の薄桃色をした空気の日に限られており、従って今日のようにうららな夜は次々と、その澄み切った空気を引き裂いて天の雷鳥が舞い降りる。 ここ八ツ代
2019年2月27日 18:36
つまらない授業中、教卓の上を歩く小人を夢想した。小人は妖精じゃないから羽を持たない。飛べない小人は教卓から降りられない。 永遠に教卓の上に縛り付けられた小人は、でもその狭い世界をよぉく観察している。教卓の隅につもった薄い埃から最前列の生徒の落書き、どの教師の筆箱にコンドームが入ってるかなんてことも知ってるのだ。ちなみにそれは学校の倫理科目を担当している教頭先生なのである。たしかに倫理的なのか
2019年3月29日 02:49
「全然気づかなかった。」女の子は、悄然と呟いて洞窟の地面を見つめた。そこにはボロボロに引き裂かれてしまった影があった。ランタンの灯に照らされてゆらゆら揺れ動いている。氷の世界、炎の世界、土の世界、空の世界と女の子は無謀な冒険をしてきて、それでもまだ足りずに地下洞窟の世界に乗り込んだところだった。沢山ある世界達の中でも一等危険と言われる所。無謀な彼女を『怖いものなしのジョバンニ』みたいに巨大な