なぜ意図的に先延ばしすると成績が上がるのか?
人は期限がないといつまでも先延ばししがちです。
転職活動や結婚など人生を左右するほど重要なことなのに「後でやろう!」と考えてしまいます。
これは時間が無限にあるからと考えるからです。「いつまでにやる!」と制限を付ければ、行動できるようになります。
しかし、ただ単に期限をつければいいというものでもありません。
夏休み宿題のように長いスパンで考えていると「時間がまだあるから大丈夫!」と余裕をもって序盤は何も手を付けません。
夏休みが終盤に近付くにつれて「ヤバい、終わらん!」と感じて本気を出すのです。
資格の勉強や受験も同じです。試験まで時間があるから「まだ大丈夫!」と考えていると、試験日が差し迫った時期には手遅れで、勉強時間が足らずに合格できなかったということになるでしょう。
なので今回は「どのように期限を付ければモチベーションが維持できて、行動できるようになるのか?」について解説します。
自分で期限を決めるとバランスが取れる
期限を自分で決めれるとモチベーションの維持と行動力に繋がることが実験で分かっています。
その実験に参加した生徒は1学期中に3つの宿題を提出する必要があります。提出が遅れればペナルティーです。
その際、3つのグループに分けられました。
・均等期限グループ:3つの課題の提出期限を均等に分ける
・自分で期限決定グループ:3つの課題の提出期限を自分で決める
・学期末提出グループ:3つの課題の提出期限を学期末にする
その結果、
①均等期限グループ
②自分で期限決定グループ
③学期末提出グループ
この順番でレポートの成績は高くなっていました。均等に締め切りを作ることで締め切り効果が発揮したからだと思われます。
締め切り効果とは期限間近に頑張ろうとする効果です。夏休みの宿題も最終日に頑張る人が多かったのではないでしょうか。それと同じ現象です。
一方、どれくらい課題がつまらないと感じたかを尋ねたアンケートでも上記の順番でつまらないと回答していました。
つまり、自分で期限を決めたグループはレポートの成績、課題の面白さでバランスが取れるのです。
また、自分で締め切りを設定したグループで自ら均等に締め切りを決めた人は均等に決められた人と同じぐらい、高得点を取っていました。
そのため、自分で締め切りを決めるときでも適切な締め切りを設定できれば成績は上がるということです。
先延ばしを利用する
とはいうもの期限があっても先延ばししてしまうという人多いのではないでしょうか?
先延ばしすることは悪いことではありません。「意図的に先延ばし」すれば、「つい先延ばししてしまう」より成績が良くなることが分かっています。
カナダの大学生230人に「課題に期限がある時に先延ばしすることがありますか?」という質問を行い。3つのグループに分けました
①課題を先延ばしすることはない
②意識して課題を先延ばしする
③つい先延ばししてしまう
③は本能的に課題に手間を感じるから先延ばしをしている人たちで、②は意図的に先延ばししている人たちです。
そして、この回答結果とGDPの成績の関係性を調べました。
GDPとは大学の総合的な成績のことです。このGDPには大学の中間テストや期末テストの結果が反映されています。
その結果、先延ばしをしないグループのGDPが最も良く、次に意識して先延ばしをするグループ、最下位がつい先延ばししてしまうグループでした。
つまり、意図的に先延ばしすれば、本能的に先延ばしするよりも成績が上がるということです。
なぜ意図的に先延ばしすれば成績が良いのか?
なぜ「意図的に先延ばしすること」と「つい先延ばしすること」で成績が変わるのでしょうか?
先延ばしすることを自分でコントロールしているという感覚があり、必ず期限までにはやり遂げる考えを持っているからです。
つい先延ばししてしまう人は、勉強していても目の前の欲求に負けがちです。
たとえば、スマホをいじったり、ゲームをしたり、遊びに行ったり。
しかし、意図的に先延ばししている人はスマホをいじるけど、期限までには絶対に終わらせようとする意志を持っています。
そのため、「意図的に先延ばしすること」は、「つい先延ばしすること」よりも成績を上げる効果があるのです。
先延ばしは悪影響もある
意図的な先延ばしは成績を上げるとはいうものの、完了しないタスクは頭の中でグルグルと何度も考えて、ストレスになりがちです。
たとえば、明日テストがある時に、ゲームをしていても集中できず、
・明日のテストめんどくさいなー
・悪い点数取ったらどうしようー
このようなことが、ふとした瞬間に思い浮かびますよね。
この状態が続くと気づかないうちにストレスが積みあがっていき、ストレスホルモンが心拍数を上げて増々不安を掻き立てます。
実際、心臓が悪い人ほど仕事を先延ばしする傾向があることも分かっています。
おそらく、日常的に先延ばしをしているのでストレスが心臓に負担をかけているためでしょう。
このように全てのことを先延ばししていると健康への悪影響が出てくるので、期限があるものはスグに取り掛かるのがおススメです。
まとめ
この記事では正しい期限の使い方を紹介しましました。
・自分で期限を決めると成績と課題への面白さのバランスが取れる
・本能的に先延ばしする人は意図的に先延ばしする人よりも成績が悪い
・先延ばしをしているとストレスが積みあがり、健康に悪影響を及ぼす
期限を決めないといつまで経っても行動できません。いつまでも先延ばししていては自分で人生をコントロールできる感覚を失ってしまいます。
そうならないためにも自分で期限を決めて、順番に完了していくことが大事です。
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