2023年5月の読書記録
今月、いい加減パリ行きに向けて節約しなければ、となったときに、真っ先に辞めたのが ”本屋に寄り道すること” だった(行かないわけではない)。最寄駅前にジュンク堂があるので外出したときには(それがたとえ ただバイトに行っただけであっても)本屋に寄ってしまって、帰る頃にはいつの間にか新しい本を手に持っていて、交際費と同じかそれ以上に本にお金を使う生活をしていた。
新しい本を買わなくなったことは少し寂しかったけれど、その分、積読が消化されたり、再読ができたり。読書は新たに買うだけでなくて、今あるものの中でも十分楽しめるのだと思えた1ヶ月だった。
そんな今月出会った or 再会したのはこの15作。
辻村深月『ぼくのメジャースプーン』
カテゴリ:言葉を味わう、気づきを得る
読了日:5/3
辻村ワールドすごろくを順調に進めている。
今のところ、辻村作品でストーリーとして1番好きなのは『子どもたちは夜と遊ぶ』なのだけれど、出てくる言葉とかが1番好きなのは今作『ぼくのメジャースプーン』だな、と思ってます。どっちの方が、なんて選べない。
もうとにかく、「ぼく」と先生の問答のようなやりとりが名言(というか気づき)だらけで、付箋貼りまくりです。
原田マハ『美しき愚かものたちのタブロー』
カテゴリ:ストーリーを味わう、体験を得る
読了日:5/5
久しぶりのマハさんのアート小説。
今作に出てくる登場人物たちの絵画に対する知識量・興味・スタンスは人それぞれ。本物の美術好き、絵のことはわからないけど日本の将来のために美術館を作るそのためになら絵にお金を出す人、その情熱に動かされて絵のための人生を歩む人。
だけど絵によって繋がっている。
その奇跡がよく現れている物語だなと思います。
私はやっぱりマハさんが書くパリと、歴史、アートの物語が好きだなと思いました。
今は『たゆたえども沈まず』を再読中です。
寺地はるな『ガラスの海を渡る舟』
カテゴリ:言葉を味わう、気づきを得る
読了日:5/6
寺地さんの小説にはいつもハッとさせられる言葉が散りばめられている。
今回も付箋貼りまくりだし、なによりこの表紙の透明感が物語全体の雰囲気にぴったり。
瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』
カテゴリ:ストーリーを味わう、気づきを得る
読了日:5/9
本屋大賞13作目/20作。
ずっと気になっていてやっと読めました。
もっとはやく読めばよかった!
周りから見たら複雑に見えるような事情を抱えていても、本人はつらいとは思っていないかもしれない。逆にいうと、周りから見て幸せそうに見えても本人は幸せではないかもしれない。自分の勝手な印象や先入観で無意識に相手に渡す言葉を決めてしまいがちで、それをなくすのは難しいことではあるけれど、フラットな心を持った人でありたいと思った。
ラストは泣きました。
糸井重里『ボールのようなことば。』
カテゴリ:言葉を味わう、気づきを得る
読了日:5/10
言葉のためだけに本を買うのはこれが初めてだったけれど、短歌とか詩とかも含めて、今後はもっと言葉だけに触れる機会を増やしていけたらいいな。
そう思える本でした。
これからもそのときどきで目次から気になったやつを開いて、味わっていきたい。
2巻や3巻もほしいな。
三浦しをん『舟を編む』
カテゴリ:ストーリーを味わう、気づきを得る
読了日:5/16
本屋大賞14作目/20作。
こちらもずっと気になっていてやっと読めた本屋大賞。
もっとはやく読んでたらよかった…。
章ごとに辞書編集部の人物のだれかの視点に切り替わっていくけど、特に「三、」の西岡さんの章と「四、」の岸辺さんの章が私は好きだった。
こちらもラストは泣きました。
砥上裕將『線は、僕を描く』
カテゴリ:世界観を味わう、気づきを得る
読了日:5/19
こちらもずっと読みたかった2020年本屋大賞3位。
流星さんが表紙になってすぐ買った()。
うまく言えないけれど「私はこの本が好きだ」と強く思いました。
水墨画、というあまり身近ではない世界を描いた物語だけど、水墨画に関わらず生きていくこと全般に通じる名言が物語の最初っから溢れていて、この本も付箋貼りまくりでした。
藤堂裕『信長を殺した男 日輪のデマルカシオン 第4巻』
読了日:5/19
新刊が出るたび発売日に買いに行って、妹以外の家族全員でずっと読み続けている漫画。日本史で、これまで抱いていた歴史上の人物に対する見方がガラリと変わる。
すべての記述がちゃんと歴史史料に基づいていて、すごく綿密な調査をしてるんだな、と伝わってくる。その分、その部分を味わおうとするほど他の漫画のように軽く読めないけれど、深く重く読むとより一層、おもしろい!
今、大河で『どうする家康』をやっているから、相乗効果で『どうする家康』を見ていれば『信長を殺した男』が、『信長を殺した男』を読んでいれば『どうする家康』が楽しめます。
元々は〜本能寺の変 431年目の真実〜で、明智光秀や織田信長を描いていたのがシリーズのはじまり。そちらは完結済で、続編のような形で〜日輪のデマルカシオン〜では豊臣秀吉について描かれています。
デマルカシオン 第1巻はこちら
本能寺の変 第1巻はこちら
凪良ゆう『神さまのビオトープ』
カテゴリ:ストーリーを味わう、気づきを得る
読了日:5/20
彼女が描く生きづらさ、それを解く言葉に救われる。
彼女の世界の生きづらい人が持つ心は彼らが縛られてきた分、寛容であたたかでやさしくて、「もっと自由でいいんだよ」と自由を応援してくれるよう。
この作品「うる波」と彼女の事故死した夫の「鹿野くん」を柱に、各章いろんな生きづらい事情を抱えた人が出てくる。みんな切なくて、だからこそ刺さる言葉がある。
この作品は凪良さんの作品の中でもかなり好きな方だな。
凪良ゆう『汝、星のごとく』 (再)
再読日:5/21
凪良ゆう『すみれ荘ファミリア』
カテゴリ:ストーリーを味わう、体験を得る
読了日:5/23
正直、最初の方は平坦で読む手が止まったこともあったけれど、中盤一気に物語が加速して、だんだんとミステリになっていくのがよかった。そうなると逆に読む手が止まらなくて、そうなってからは一気に読み終えてしまいました。
この本で、凪良さんの一般文芸作品は全部読破。
寂しい。
はやく新作出てくれないかなぁ、と毎日思ってます。
荒木飛呂彦『岸辺露伴ルーブルへ行く』『岸辺露伴は動かない』『岸辺露伴は動かない2』
読了日:5/23
「(私)がパリに行くなら」と、友人が貸してくれた3冊。(これ読んでるかわからないけど、その節はどうもありがとう!)
個人的にはやっぱり『ルーブルへ行く』が好き。
ミステリ感あるのはミステリ好きにはたまらないし、考察心をくすぐってくるのも良きすぎ。
ただ、私はジョジョを映画しか知らないので…というのと、パリ好きってことを考えると劇場版でも観たいな〜と、シンプルに思いました。
赤坂アカ × 横槍メンゴ『推しの子』
更新分に追いついた日:5/30
アニメと、YOASOBI『アイドル』に魅せられて、ジャンプ+で初回無料やってるのをいいことに、2日で漫画版を一気読みしてしまった。
私の推しは、かなちゃん と アクア です。
実はアニメ化される前から注目していて、コミックシーモアの試し読みで飛ばし飛ばし読み進めていだのだけれど、その頃から…というか、第一話の1ページ目からヒット作の予感しかしなかったよね。
ストーリーも、芸能界事情を知れるのも、キャラクターも、音楽も、アニメも、どことっても満点。最高です。
***
海外のキャッシュレス化とスリに対応するため、人生初のクレジットカード(楽天カードとANAカード)を作った。
楽天カードはちょうどキャンペーン中で、さらにポイ活サイトを経由して12000ポイントかなんかゲットした。
冒頭に節約のために本屋寄るのやめた!と宣言しておいてなんだが「楽天ポイントで買えるからいいよね!」と6月はまた本屋通いが復活しそうで危ない。
6月も再読と積読消化に専念して自分を律しようと思います。
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