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きっと、まがいものの努力なんてないよ


2020年1月18日・19日にセンター試験を受けた私、
そして共通テストを終え、二次試験や私大入試に臨む君へ

会場に向かう電車やバスの中で、会場で、頭をよぎるものは何だろう。

志望校に合格して家族が喜ぶ姿や、友人や彼と喜び合う姿だろうか。はたまた、4月からはじまる大学生活だろうか。あるいは「もうここまできたら、あとはやるしかないでしょ」という吹っ切れた感情だろうか。

もしそうなのだとしたら、どうかそのまま試験を走り抜けてほしい。そんな素晴らしい精神状態を持っていたら、きっとうまくいく。


だけどもしも、今頭に浮かんでいることが不安なのだとしたら、不安を自信と読み換えてほしい。


私は、俺は、高校に入ってからほとんど勉強しなかった。テスト前だけ一夜漬けをして、あとは部活や遊びばかりで帰ってきたらすぐに寝て、大学入試のための勉強は部活を引退した夏からだった。

そこからだって、塾や自習室には毎日行ったけれど、友達と話しながらご飯を食べたし、時間は制限したとはいえスマホをいじっていた。

努力には本物と偽物があると言う。だとしたらきっと、自分の努力は偽物なのだろう。


そんな風に絶望しているかもしれない。

それでも、何度だって言う。
不安をおぼえるのはこれまで努力してきた証だ。

不安になるのは「これがダメだったら親に申し訳ない」とか「周りが合格するなかで自分だけ不合格なんて嫌だ」とか、現役で合格する未来を諦めていないからだ。

ちゃんと努力して模試の結果や自分のやってきたことを自信に変えてこれた人は「センターなんて余裕」と思えるかもしれない、それも事実。

だけど、ほんとうに努力していない奴は、その場でそんなことを考えたりしない。「浪人すればいいや」なんて諦めている。こちらもまた事実。

本物の努力と偽物の努力がある。量が足らなかった、質が悪かった。そうなのだとしても「やった」ということに変わりはない。


断言しよう。

無意味な努力、なんて存在しない。
本物の努力、なんて存在しない。

君は頑張ってきた。頑張っている。


だけど、それを自分で信じられないと意味がない。最後に勝敗を分けるのはメンタルだから。

だから、自分のできていた面だけを思い出して、これまでの努力を自信に変えてほしい。

夜何時に寝て、朝何時に起きていた?
朝何時から塾や自習室に通った?

もっというと、そもそも嫌いなのに勉強を1年間全力でやったこと自体ががんばりなんだ。

それができた君なら大丈夫。

あとはやるだけだ。



*****


毎年、この時期になると5年前のセンター試験を思い出す。そして「n 年前」の n の値が1増えるたびにそんな前になるかと驚き、今は「センター試験」ではなく「共通テスト」であることに気づいて苦笑いする。


5年前、私のセンター試験は失敗だった。

それは先ほど書いたように、自分の努力を自分で信じられなかったことが大きな要因だった。

こういうケースでは「実力不足」でしかないだろう、と思われるだろうが、そもそも「実力不足」というのは自分で自分を信じられるレベルの努力を重ねていないということだ。「これだけやったなら大丈夫だ」と思えるときって、だいたい受かる。


また今年もあの日の私のような緊張、不安、苦しみ、絶望を抱える高校生がいるのだろうと思うと、その重い荷物を代わりに持つことはできなくても下から持ち上げて軽くするような言葉を紡げたらなぁと思わずにはいられない。

今、私から言えることは、
自分の努力を自分が1番に信じることが大事だということ

そしてもう1つ付け加えるとすれば、共通テストや第一志望の合格は、大学入試や人生のすべてではないということ


5年前、センターに失敗した私は、第一志望の国公立はもちろん不合格だった。残念ながら二次で挽回できる!なんていうシンデレラストーリーではなかった。

だけど、前期の私大入試は合格だった。そこで受かった学部に納得いかなくて、受け直した後期の私大入試にも合格して、今がある。学びたかった心理学を4年間学び、就活にも成功し、この春、卒業を控えている。


綺麗事のように聞こえるかもしれないけれど、本来、大学に行くのは「大卒」の資格を得るためではない。自分が興味を持てることを、学問の視点から探究するためだ。

意志あるところに道は拓ける。

「これを学びたい」という意志のもとに努力を続けたら、第一志望ではなくとも自分が学びたいことを学べる、自分に合う環境にきっと辿り着ける。


努力は、自分が望んだ形・望んだタイミングで報われるとは限らないけれど、報われない努力もないと私は思う。


第一志望には行けなかった私は、望んだ形・タイミングで努力が報われなかった側だけど、今の大学・学部だからこそ出会えた学問を楽しむ心と素晴らしい友人たちは、まぎれもなく努力が報われた結果だと胸を張って言える。


だから「こんな努力は報われない」と諦めずに、3月の後期試験までは粘ってみてほしいなと思う。

ゴールが見えない戦いは
キツイ。つらい。しんどい。

だけどあの日々があったから今があると思える日がきっとくるから。


まずは自分のこれまでを信じてあと1〜2ヶ月。

さあ、もう一踏ん張りだ。





昨日今日、第一戦を戦い抜いた受験生のみなさんに幸あれ!




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