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#1は0じゃない


「英語できる?」

そう聞かれたらほとんどの日本人は「No」とか「So-So」とかって答えて、なんだかんだ中高6年間習ってきた内容組み合わせて道案内くらいはできたりするけれど、


「日本語できる?」

そう聞かれた外国の方は「YES!!」と答えてドヤ顔でノリノリで「Arigato(ありがとう)」とか「Sushi(寿司)」とか、とりあえず知っている表現を述べるのだ、

と聞いたことがある。


何かを「好き」「得意」「できる」というとき、それは目に見えてわかる数字や、全国大会出場とか合格っていう実績がないと、ダメなんだろうか。


#私にとって自然なこと
今回はタイトル通りの「1は0じゃない」というお話。


▽過去の連載はこちら




試験ってものはただ受験したら必ず受かるわけではない。勉強をやっただけで突破できるわけでもなくて、1を限りなく100に近づける完璧さが求められる。「これ、聞いたことあるけどなんだったっけな」とか言っていたら話にならない。

試験の世界では、つい合格しなかったらダメだと、自分の努力は報われなかったのだと、思ってしまう。試験さえ突破できない自分はバカだ、思考力なんかないんだ、と思ってしまうかもしれない。

だけど、合格しなかったからといって100にならなかったものが0になるわけではない。50は50だし、80は80。

たった一度の試験。その人が持っているもののすべてがわかるわけではない。試験に合格した人=努力した・実力ある、の証明はされるけど、不合格だった人=努力してない・実力がない、の証明はできない。

そして、試験という場を離れたら、たとえ100でなくても、0ではない1以上のものには価値があると私は思う。


1以上ということは「知っている」ということ。間違えたということは「聞いたことがある」ということ。


試験という場を離れたら、知識そのものが完璧であることは求められない。知らないことや忘れたことは調べたらいい。

問題は「なんかやった気がするな」「こんなことあった気がするな」が頭によぎるかどうか。「知っている」か「知らない」か、「やった(1以上)」か「やってない(0)」か。

人間、知らないことは興味が湧きにくいし、興味が湧かない話は聞けない。だけど、知っていることには興味が芽生える可能性があるし、その分野の話は聞きやすい。むしろ中途半端に自分の知識を過信していない分、「詳しく教えてください」と素直に尋ねられる側面もあると思う。



だから私は、

地方大会を目指して6年間水泳に励んだ日々を、
国立大を目指して苦手な理数に励んだ日々を、
VRの研究開発・エンジニアを目指して基本情報技術者試験の勉強やプログラミングに励んだ日々を、

結果には結びつかなくとも後悔することはない。


結局、何の成果もないけれどあの時トレーニングに励んだから、体力はあるし、スポーツとか筋トレとかに嫌悪感を抱くことなく今でも行うことができる。私大だったとしても受験時代にやった理数は、就活のWebテとか、専門の中で何気なく出てくるトピックに、生きる瞬間がある。合格しなかったけどITのトピックで出てくる単語の中に「ああ、やったな」と、コードを見て「だいたいこんなことしてるのかな」とわかる瞬間がある。子どもたちを塾で教えていた時に、スラスラと理数を解説できて「なんで試験ではできなかったんだろう」と思ったことがある。


それは全部、0ではない1が私のなかに生きているからだ。


1は0じゃない。



インスタをはじめて10日経った。

たった5つの投稿で、1投稿あたり70ほど、いちばん人気の投稿は142のいいねがついて、フォロワー数は40人。投稿の保存数は9。ビュー数は3400。本のリンクから出たAmazonアソシエイトのクリック数は11、売上は0。

このアカウントの目的は2つある。「読書エッセイ+音楽で、コンテンツとして価値のある本紹介をすること」「そこで紹介した本をAmazonアソシエイトで売り上げること」。

上記の成果は、インスタ初心者にしては良い方なのか、悪い方なのか。わからないけれど、1ではないということは需要があるということだと思う。アフィリエイト的に売上につながっていないということは、稼ぐという面を見ると成果がないということだけど、クリック数が0ではないということは、続けていたら伸びるかもしれない、と思う。



1は0じゃない。


多いか少ないか、成功か失敗か、合格か不合格か。


つい、白黒はっきりさせたくてゼロヒャクで考えてしまう時だってあるけれど、無駄なことなんてないんだ、と胸を張って生きていたい。













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