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掌編小説

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掌編小説を敷き詰めてあります。
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#結婚

掌編小説「赤んぼ」

掌編小説「赤んぼ」

「私不安になったわ。結婚するのが」
「まだ言ってる。俺たちが住むのはあそこじゃないだろう。マンションなんだから」
私が溜息をつくと、光はおもむろに私のバッグを腕から引き剥がし、肩に掛けた。

今頃気付くなんて。
私は閉口する。
私のバッグが重いのを歩いてから15分経って気付くなんて、無頓着にも程がある。
帰りに林檎の山を貰ったの、隣りで見てた癖に。
何を今更。
機嫌でも取ってるつもり?

電車は行

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