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パニックは進化の証?

パニックは進化の証?

深いため息をついて図書館に足を踏み入れたウサギは、今日のラジオのお仕事「ウサギのティースプーン」を思い出していた。静かな閲覧室でゆっくりとページをめくっていたカメは、彼女の姿に気づくと、椅子を引いて「お疲れさま」と声をかけた。

「ラジオで話すとき、こんなに緊張するのは私だけかしら。イメージトレーニングもしているのに、スタジオに入るともうパニックなの。私、この仕事向いていないのかな」彼女は、自分に

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一九八四年

一九八四年

その日、ウサギは図書館に続く道をぼんやりとした視線で歩いていた。彼女は昨夜、ジョージ・オーウェルの「一九八四年」を読み終え、その物語の世界観に深く浸っていた。

「この本で一番心に刺さったのは、『言葉を破壊する』という考え方だわ。言葉が破壊されれば人の思考の範囲が狭くなるなんて、今まで考えたこともなかった」とウサギは内心で動揺しているようだった。

彼女の隣を歩くカメは静かに頷いた。「僕たちが感情

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