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覚悟を決めるとき

 そういえば昔、「彼氏ほしい」と思っているうちはできなくて、「いなくてもいいや~」というスタンスで生きていると、いつのまにか彼氏ができているものだな、と思ったことがある。そんなことを思い出したのは、ずっと願っていてもはや執着していたとも言えるようなある〈夢〉を、いったん脇にどけて別のことに集中していたら、ほとんど忘れた頃になって〈夢〉のほうが私を追いかけてきてくれた、というような経験をしたからだ。  少し前に、NHKアカデミアに演出振付家の MIKIKO先生が出演されていて

    • 推しは推せるときに推せ

      おつかれさまです。 生きてるだけで疲れる昨今。推しの存在は偉大です。 先日、知人と「推し」の話をしました。 彼女の娘さんが、ライブの抽選に複数申し込んだら全部当選してしまい、 お金が…時間が…という話。 でも、いつまで推せるかわからないのだから、 推せるときに推した方がいいと、ここ最近は思います。 もちろん破産しない程度で。 昨晩ひさしぶりにお酒を飲み、気が大きくなって数万円のものをポチってしまったことに対する言い訳のような気もしますが、いいんです、その分働けば。

      • 奥にある気持ち

        心のなかで「好き」と思いながら口では「嫌い」と言うのと 心のなかで「嫌い」と思いながら口では「好き」と言うのと どちらのほうがいいだろう 心と言葉は時に一致しない 100%過不足なくexactlyに一致するなんて そもそも不可能なのかもしれない でも その奥にある気持ちをきちんと感じ合えれば 言葉の意味は辞書の定義を超えていくのだ

        • おひさしぶりです

          noteのアカウントを持っていることを、ついぽろっと忘れがちです(前回の投稿が2年前)。もともとは、早川書房さんのゲラ読みに当たって、その本の感想(下記記事)を書くために開設したものでした。それが終わってしまえば、なので、言うなればお役御免ではあるのですが、それももったいないことですので、せっかくなのでまた徒然とつづっていこうかと思います。 ゆるーく読んでいただければ幸いです♡

        覚悟を決めるとき

          どうせ時間はない

          「SNSをやる時間があるなら、勉強しなきゃ!」 「家事をしっかりやらなきゃ!」 「仕事も締め切りを守らなきゃ!」 と、毎回決意だけはご立派にするものの、 なぜか締め切りは守れなくなるし、 ごはんは作れないし、掃除もできないし、 勉強もやっつけ仕事になっている。。。 どうせ「しっかり」なんてわたしには無理だから、 やりたいことを、やりたいときに、やりたいだけやってしまったほうが 自分にとっても心地いいんじゃないかと思いました。 「時間ができたらnote書こう

          どうせ時間はない

          【講演】唯一無二の劇場”クレスト座”〜松家仁之×角田光代×小川高義「海外文学のない人生なんて」No Foreign Literature, No Life

          日本出版クラブが移設されるとのことで、前回よりこれでしばらく神楽坂にくることもなくなるな、としんみりしていたのですが、存外早くに再訪のときがやってきました。神楽坂と言えば新潮社。そして新潮社と言えば!クレスト・ブックス!こちらのシリーズが創刊20周年を迎えられ、記念イベントが催されたのです。クレストの創刊編集長松家仁之さん、クレストを大量に読み続けていらっしゃる作家の角田光代さん、そして翻訳家の小川高義さんという豪華な顔ぶれ。 角田さんが翻訳小説を読むようになった背景として

          【講演】唯一無二の劇場”クレスト座”〜松家仁之×角田光代×小川高義「海外文学のない人生なんて」No Foreign Literature, No Life

          【講演】日本語版の著者になる〜「名訳が生まれる背景~翻訳家・土屋政雄と編集者・山口晶が語る翻訳秘話~」

          六月末日、日本出版クラブにて標記の対談が行われました。土屋先生のご講演を聞きに行くのは今回で三回めを数え(それもわずかここ一年のあいだに)、訳文の素晴らしさは言うまでもなく、その飾らないお人柄も窺い知ることができ、すっかりファンになってしまいました(パーティではサインもしていただけた〜!)。 今回は翻訳にフォーカスして、まずいかにして土屋先生が翻訳家になられたのかを詳しく話されました。山口さんが「小説にしたら面白くない」とお褒めに(?)なったとおり、留学、スカラシップ、スカ

          【講演】日本語版の著者になる〜「名訳が生まれる背景~翻訳家・土屋政雄と編集者・山口晶が語る翻訳秘話~」

          なにがあっても

          苦しいフェーズに入りました。登山に例えるなら、はじめは元気でどんどん登っていけたのに、だんだんと息が上がったり疲れが出てきたりして、周りにずんずん追い抜かされて焦りばかりが募る感じです。このまま登り続けても、ほんとに頂上まで行けるのだろうか。むしろ下っているような気さえする。 なにかに取り組むということは、そういうことなのかもしれません。真剣にやればこそ楽しいばかりではない。初めてなのに上手にできるというひとが現れれば、「わたしはこんなにやってるのに上手くならない」と落ち込

          なにがあっても

          【講演】翻訳家が生み出す世界〜代官山文学ナイト:鴻巣友季子の文学茶々vol.6『翻訳ってなんだろう? あの名作を訳してみる』(ちくまプリマー新書)刊行記念

          関東地方の梅雨明けが宣言された6月29日、代官山蔦屋書店にて鴻巣友季子さんと朝吹真理子さんのトークイベントを拝聴した。 このお二方のお話をうかがうのは一年ぶり。前回は、助詞「は」と「が」の違いについて新たな視点を得ることができたうえに、朝吹さんの朗読を初めて耳にしてその音楽的な調べに酔いしれた(そとは大雨だったけれど)。今回もまた、新たな地平を求め、鴻巣先生の最新刊『翻訳ってなんだろう?』を携えて、どきどきしながら訪れたのだった。奇しくも、当日は朝吹さんの七年ぶりの長編小説

          【講演】翻訳家が生み出す世界〜代官山文学ナイト:鴻巣友季子の文学茶々vol.6『翻訳ってなんだろう? あの名作を訳してみる』(ちくまプリマー新書)刊行記念

          架空読書会のすすめ

          ちょうどひと月前の今日、つまりひな祭りの日だった。都内某所に女5人が集まった。うち、全員と面識があるのはひとりだけで、残りはほぼみんな初対面。だというのに、いきなり脳内にあるものを曝け出す羽目になった。架空読書会の始まりである。 と、なんとなく架空の本っぽく書き始めてみましたが、架空読書会について説明いたしますと、 ・各自、この世に存在しない架空の本のタイトルを考え、発表する ・全員がその本を読んできた前提で、感想を言い合う ・前に出た発言がどのようなものであれ、否定

          架空読書会のすすめ

          【講演】移民の文学 祈りの文学 アキール・シャルマ×小野正嗣

          2018年3月15日、東大駒場キャンパスで行われた講演会のレポートです。 以下、新潮社さまのサイトより引用。 2015年に第2回フォリオ賞を受賞した『ファミリー・ライフ』の日本での刊行に合わせて来日するアキール・シャルマ氏のトークイベント。インドのデリーに生まれ、8歳でアメリカに移住。少年期に兄が悲劇的な事故に遭い、家族とともに長期間の介護を続けたシャルマ氏は、プリンストン大学でポール・オースターなどに師事して2000年にデビュー。自身の体験を元にした本作品を13年近

          【講演】移民の文学 祈りの文学 アキール・シャルマ×小野正嗣

          【ドラマ】きみが心に棲みついた

          この一週間ほど、好きなドラマが立て続けに最終回を迎えてしまい、ロスに陥っています。「きみが心に棲みついた」も、そのひとつ。原作は読んでいないため、原作と同じ部分とドラマならではの部分のちがいなどはわかりませんが、ドラマでの感想をメモしておきます📝 ※以下、おおいにネタバレ! 主人公は、小川今日子27歳。女性下着メーカーに勤める、材料のスペシャリスト。なのに、彼女はいつも自分に自信がなく挙動不審で、昔から「キョドコ」という不本意なあだ名を付けられていたほど。その象徴とな

          【ドラマ】きみが心に棲みついた

          【小説】おばあちゃんのごめんねリスト

          ゲラを読ませていただきました!早川書房さま、ありがとうございました。 ------- 子どもには、混沌とした現実を秩序づけて理解するために、おとぎ話が必要なのだというお話を聞いたばかりなのですが、本作の主人公エルサも、混沌とした現実を生きていくためにおとぎ話とともに生きています。 エルサはもうすぐ8歳になる女の子。ハリー・ポッターが大好きで、文字はいかなるときも正しく綴られていないとイヤ。周りとは少し違ったところがあって、学校ではトラブル続き。 そんなエルサのおばあちゃ

          【小説】おばあちゃんのごめんねリスト

          【講演】カズオ・イシグロの世界

          2018年3月11日、上智大学にて行われた表題のトークイベントに行った際のレポートです。 ●土屋先生とイシグロ作品との出会い フィンランド愛好会のクリスマス会で、フィンエアーのチケットが当たり、ヘルシンキへ。そこでNewsweek を買い、書評欄に『日の名残り』が載っており読んでみたいと思っていたところ、中央公論社から翻訳の依頼が来た。それまでイシグロのことは知らなかった。 ●イシグロ作品の魅力とは? 『日の名残り』は特にイギリス的だと言われている。他の人は、英語がぎこち

          【講演】カズオ・イシグロの世界