架空読書会のすすめ

ちょうどひと月前の今日、つまりひな祭りの日だった。都内某所に女5人が集まった。うち、全員と面識があるのはひとりだけで、残りはほぼみんな初対面。だというのに、いきなり脳内にあるものを曝け出す羽目になった。架空読書会の始まりである。

と、なんとなく架空の本っぽく書き始めてみましたが、架空読書会について説明いたしますと、

・各自、この世に存在しない架空の本のタイトルを考え、発表する
・全員がその本を読んできた前提で、感想を言い合う
・前に出た発言がどのようなものであれ、否定してはいけない
・タイトルを出した人は、始めの1分間は何も話してはいけない(思わぬ方向に話を飛ばすため)
・各話、20〜30分ほどで話し合いを締める(あくまで目安。話したいだけ話していていい)

基本的なルールはこれだけ。あとはすべて、なにもかも、自由です! とはいえ、物語なんて作ったこともないし、やる前は不安9割楽しみ1割というところ。ところがどっこい、始めてみたら、なんとまあ盛り上がること!

一例として、こんな架空本がありました。

『高慢と怠慢』
「あ、これ、あの古典を基にしたやつですね」
「でもまさか、男女が逆になってるとはね」
「そうそう、元の小説は、男が高慢で女が偏見を持ってましたけど、これは女が高慢で、男が怠慢( ^ω^ )」
「元の本を知らなくても問題なく楽しめた」
「でも、あの怠慢の描写が細かすぎて、正直うざったかった」
「え! でもあのしつこさが面白かったですよ」
「そお? 相当怠慢だったよね、引きこもってて仕事もしないし、家事もしないし、、、」
「かたや女の子はバリキャリで高飛車で」
「ねえみなさん、どっちのキャラクターにより共感しました?巻末の【あなたは高慢?怠慢?チェックシート】やりました( ^ω^ )?」
「やったやった! 私はどちらかと言うと怠慢」
「私も」
「( ^ω^ ) まさかこの二人が結婚するとは💒」
「結婚生活どうなることやら」
「そう言えば続編があるらしいですよ、『自負と畏怖』っていうの( ^ω^ )」
「なにそれw」

みたいな。なんでもアリなやり取りを感じていただければ幸いです。要は連想ゲームの延長のような感じです。誰も否定しないので、どこにでも発想を飛ばせます。でもなんとかして物語としての整合性を取らないといけないので、ぽんぽんと出てきた点と点を線でつないでいくのも、良い頭の体操になり楽しいものでした。主催の方は、その後一週間もすっきりした気分で過ごせたほどデトックス効果があったとか!? 楽しくて心も軽くなる架空読書会、今後も続けたいものです♪

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