硯文子

普通。普通に生きています。 もし良かったら小説を読んでください。 ※小説は全てフィクシ…

硯文子

普通。普通に生きています。 もし良かったら小説を読んでください。 ※小説は全てフィクションです。

記事一覧

何にもなれないまま40代になった。【3】

ある日、いつものように理想の物件探しをしていたところ、すごく惹かれる物件に出会った。 中古ではあるけれど小さな庭付きの一戸建てだった。私はすぐに飛びついた。 不…

硯文子
3年前
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何にもなれないまま40代になった。【2】

そろそろ子どもが小学生になろうという頃に 住んでいる社宅が無くなるという話が出た。 無くなる直前までそのまま住んでいて、 会社が指定する他の社宅あるいは 借り上げ…

硯文子
3年前
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何にもなれないまま40代になった。【1】

何かになりたかった。 何かになれないまま40代になった。 子どもの頃、『建物探訪』が好きだった。 学校に行く前にTVで観ては、 私も将来こんな素敵な家に住むんだ! と決…

硯文子
3年前
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『大豆田とわ子と三人の元夫』について《感想・ネタバレ有り》

私が今期のドラマで脚本No.1と思っているドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』もいよいよ後半戦に突入。新たなキャスト(オダギリジョー)も出てきて今後の展開が楽しみだが…

硯文子
3年前
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ゴミは誰が捨てるのか

家庭内で毎日出るゴミ。我が家では私しか集積所にゴミを運ばない。可燃ゴミ、プラゴミ、資源ゴミ、、、毎日人数分のゴミが出る。4人がゴミを排出し、1人がそれらを適切に処…

硯文子
3年前

はじめてみる。

Twitterで前々から気になっていたnoteなるものを始めてみる。 カテゴリーは無く、フィクションなのかノンフィクションなのかもわからない、頭の中のごちゃごちゃを書くため…

硯文子
3年前
何にもなれないまま40代になった。【3】

何にもなれないまま40代になった。【3】

ある日、いつものように理想の物件探しをしていたところ、すごく惹かれる物件に出会った。

中古ではあるけれど小さな庭付きの一戸建てだった。私はすぐに飛びついた。
不動産屋に連絡した。
翌週に内覧する予約を取った。
夫に告げると
「ふうん」
とだけ言った。

小さな川が流れるところにその家は建っていた。内覧まで待ちきれなくて私は子どもたちの手を引いて、近くまで見に行った。

白い壁にテラコッタの屋根。

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何にもなれないまま40代になった。【2】

何にもなれないまま40代になった。【2】

そろそろ子どもが小学生になろうという頃に
住んでいる社宅が無くなるという話が出た。

無くなる直前までそのまま住んでいて、
会社が指定する他の社宅あるいは
借り上げ住居に引っ越すのか。
そうやって一生、社宅を転々とするのか。
一生、夫の会社に住む場所を決められるのか。
一生、好きな家には住めないのだろうか。

そう考えると悲しくなった。

もちろん、子どものこともあった。
これから小学校に入るとこ

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何にもなれないまま40代になった。【1】

何にもなれないまま40代になった。【1】

何かになりたかった。
何かになれないまま40代になった。

子どもの頃、『建物探訪』が好きだった。
学校に行く前にTVで観ては、
私も将来こんな素敵な家に住むんだ!
と決めていた。
3億円の家を建てる!と家族に宣言して
笑われていた。時はバブル期。
自分も大人になったら、と思っていた。

大人になった。
3億円の家ではなく、
家賃月3万円の社宅に住んでいた。
私は専業主婦になっていた。

20代の

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『大豆田とわ子と三人の元夫』について《感想・ネタバレ有り》

私が今期のドラマで脚本No.1と思っているドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』もいよいよ後半戦に突入。新たなキャスト(オダギリジョー)も出てきて今後の展開が楽しみだが、やはり私は前半の悲しみをまだ引きずっているのかもしれない。

とわ子の親友、かごめが亡くなって、というか、かごめが画面から消えて、もし他のドラマならば回想シーンなどが出てくるところなのだが、このドラマではそんなものが一切無いのである。

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ゴミは誰が捨てるのか

家庭内で毎日出るゴミ。我が家では私しか集積所にゴミを運ばない。可燃ゴミ、プラゴミ、資源ゴミ、、、毎日人数分のゴミが出る。4人がゴミを排出し、1人がそれらを適切に処理する。不平等ではないか。

10年ぐらい前までは、配偶者が出勤する際に、ついでにゴミを出してよと頼み、嫌だと言われ、よく喧嘩になったものだ。イチイチ喧嘩をすることに疲れ果て、今では私が主にゴミを出している。たかがゴミ、されどゴミ、そもそ

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はじめてみる。

Twitterで前々から気になっていたnoteなるものを始めてみる。
カテゴリーは無く、フィクションなのかノンフィクションなのかもわからない、頭の中のごちゃごちゃを書くために。

中学生の頃、高校生の頃、毎日死にたいと思っていた時期があった。けれどまだ私の中にあった「行きたい」という細い糸に吊るされて、なんとか成人まで生き延びられた。

成人し、そして結婚し、子どもが生まれ、「死ねない」と思うよう

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