『大豆田とわ子と三人の元夫』について《感想・ネタバレ有り》

私が今期のドラマで脚本No.1と思っているドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』もいよいよ後半戦に突入。新たなキャスト(オダギリジョー)も出てきて今後の展開が楽しみだが、やはり私は前半の悲しみをまだ引きずっているのかもしれない。

とわ子の親友、かごめが亡くなって、というか、かごめが画面から消えて、もし他のドラマならば回想シーンなどが出てくるところなのだが、このドラマではそんなものが一切無いのである。

生前のかごめが「最後の晩餐はコロッケがいい」って言っていたからとわ子もコロッケを買って食べながら帰宅したり、かごめが応募した漫画賞の佳作トロフィーがチラチラ映ったり、そういった手法でかごめの姿を視聴者の脳内で再生する。そこが制作サイドの上手いところだ。すごいなぁ。

一番目の夫、田中君も、たぶんかごめを好きだったんだけれど、久しぶりに会ったら髪ボサボサでヒゲボーボーで、「元気?」「うん」って言うんだけど全然元気そうじゃない。とわ子は元夫たちのことをどう思ってるか訊かれて「健康でいてほしい」「野菜食べてほしい」って答えるんだけれども、その気持ち最近なんとなくわかる。

昔付き合っていた人、昔仲良くしていたけれど疎遠になってしまった人、私も昔は「会いたいなー」とか「今何してるんだろう?」と思ったが、40歳を過ぎた今、その人が今どんな仕事をしてどこに住んでいて結婚していてもいなくても子どもがいてもいなくても「元気でいてほしい」「長生きしてほしい」「病気にならないでほしい」と思うようになったからだ。たとえ相手が自分と関係の無い世界で生きていても。

けれど、大豆田とわ子と元夫達の関係性、少し羨ましい。娘のうたちゃんが進学のために家を出て、寂しいとわ子は何か理由をつけて会いに行きたいんだけど、その気持ちがわかる田中(元夫)は、進学祝いを娘ではなくとわ子に送る。「そうすれば会いに行ける(会いに行く理由になる)でしょ」と。

また、仕事面では中村(3番目の元夫)が相談に乗ってくれるし。勝手にパワハラ捏造されて会社乗っ取られそうだけど、弁護士中村、メガネがズレてる男で笑ってないで、なんとかしてやれ!と思いながら観ている。でも、「君には社長より自由に働いていてほしい」って言ってるから、社長として辛そうに働くよりも建築家としてフリーで働くことを勧めるのかもしれない。

こんなに、気持ちをわかってくれる人たちが身近にいて、本当に羨ましい限り。だって、ピンチのときには電話一本で誰かしら(もしくは全員)が駆けつけてくれるんだろうし。

新しく投入された謎の男(オダギリジョー)と今後どうなるのかも気になるが、私としては、とわ子は誰とも再婚せずに、元夫たちと良い距離感で暮らしていってほしい。それができるからね、財力あるし。

まあ、寂しい気持ちもわかるけど。独りで食べるご飯は寂しいもんね。(フルーツサンド食べる時食べにくいよね!)はぁ、やっぱり、かごめちゃんに生きていてほしかったな。こんなこと言っても仕方ないけどね。

家族も大事、友達も大事、だけど、いつかいなくなってしまうかもしれない、だから依存しすぎないようにしたい、1日1日を大事に生きたいと思わせてくれるドラマかもしれない。

#テレビドラマ感想文
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