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2020年8月の記事一覧

週末はナウシカ三昧でした:新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」etc…

週末はナウシカ三昧でした:新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」etc…

歌舞伎のネット配信「歌舞伎オンデマンド」がスタート。
その一発目にコチラがありましたので…

まあ、ネット配信がなかったら観ることはなかったでしょうね。
そもそもチケット争奪戦に勝ち残れる気もしないし、昼夜通し(上演は7時間くらい。休憩を除いても6時間強)の体力の自信もないし…。

今回、通しのチケットを購入したものの、見通せるかどうかについては、あんまり自信なかったんです。
事前にYouTube

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「ダイヤの切っ先」の目が眩むような輝き:読書録「ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力」

「ダイヤの切っ先」の目が眩むような輝き:読書録「ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力」

・ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力
著者:塩野七生
出版:新潮社

「アレクサンダー大王」の生涯を追ったのが本書。
「全戦全勝」であれよあれよと言う間に大帝国を築き上げ、流れ星のように去っていった若者(死んだのは「32歳」!)の人生は、驚きと輝きと、一抹の哀しみに彩られていますが、読み終えて思うのは、
「なんと輝かしい!」

「アレクサンダー大王」ってなんとなくネガティブイメージだったんですよ。
基本

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「仕事」で使う人が増えれば、ネット界隈ももうチョイ正常化するかも。:読書録「『普通』の人のためのSNSの教科書」

「仕事」で使う人が増えれば、ネット界隈ももうチョイ正常化するかも。:読書録「『普通』の人のためのSNSの教科書」

・自分の名前で仕事がひろがる「普通」の人のためのSNSの教科書
著者:徳力基彦
出版:朝日新聞出版

読んどいて何なんですが、僕自身はSNSを「仕事」につなげる気はありません。
個人的なメモ、備忘録…ってのが基本的なスタンス。
ただまあ、漫然とずっとやってきてるんで、「今のSNSってどんな感じなのか知らん?」ってのを確認する意味で、「夏の宿題」として選んだのが、「書くのがしんどい」と本書です。

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コロナ禍の現在、あからさまになって来ている日本の統治機構の課題を考える:読書録「公」

コロナ禍の現在、あからさまになって来ている日本の統治機構の課題を考える:読書録「公」

・公<おおやけ> 日本国・意思決定のマネジメントを問う
著者:猪瀬直樹
出版:NewsPicksPUBLISHING

「なぜこんなにも意思決定過程が不明確なのか?」
「なぜ実務面でこんなにもガタガタするのか?」
「ファクトやロジックに基づかない決定がなぜされるのか?」…

コロナ対策の中で政府や自治体の対策を見ていると、そんなことを考えざるを得ません。
本書でも猪瀬さんは冒頭にコロナ対策における

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Twitterの使い方を考え直そうかな?:読書録「書くのがしんどい」

Twitterの使い方を考え直そうかな?:読書録「書くのがしんどい」

・書くのがしんどい
著者:竹村俊助
出版:PHP

もっと中身の軽い本かと思ってたんですが(スミマセン)、結構バシッと響いてくるとこのある本でした。
SNSをシッカリ書きたい人にとっては参考になるんじゃないでしょうか。
少なくともこういう「視点」はあり得るというのは知っておいていい。

僕自身は、ブログ・note・Facebook・Instagram・Twitter…と使ってるんですが、あんまり使

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「アフターコロナ」のことをジックリ考える気分には…:読書録「仮想空間シフト」

「アフターコロナ」のことをジックリ考える気分には…:読書録「仮想空間シフト」

・仮想空間シフト
著者:尾原和啓、山口周
出版:MdN新書(Kindle版)

「新しい働き方」について考察し、実践もしている2人が、コロナ禍を契機として実現が早まった「リモートワーク」を中心に、「アフターコロナ」について対談した作品。
2人とももちろんアナログへの「反動」があり得ることは認識しながら、「望ましい未来をポジティブに語る」という視点から前向きに語り合っています。

基本的に「異論」は

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SNSで書くことについて、チョット考えてみたくて、お盆休みの読書予定。

「学者たちの楽園」を維持するために必要なもの:読書録「『役に立たない』科学が役に立つ」

「学者たちの楽園」を維持するために必要なもの:読書録「『役に立たない』科学が役に立つ」

・「役に立たない」科学が役に立つ
著者:エイブラハム・フレクスナー、ロベルト・ダイクラーフ  監訳:初田哲男  訳:野中香方子、西村美佐子
出版:東京大学出版会

アインシュタインをアメリカに招聘したことで有名なプリンストン高等研究所初代所長フレクスナーのエッセイと、それを踏まえた現所長ダイクラーフのエッセイを収めた作品。
「中編」くらいのエッセイですが、なかなか「読ませ」ます。
フォイマンなんか

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経済成長の後退が見込まれる中、今後こうした考えは逆風にさらされる可能性があるかも。
#自宅フヅクエ

自分の立ち位置を自分で考える:読書録「私たちにはことばが必要だ」

自分の立ち位置を自分で考える:読書録「私たちにはことばが必要だ」

・私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない
著者:イ・ミンギョン 訳:すんみ、小山内園子
出版:タバブックス

「愛の不時着」「梨泰院クラス」を観てから、韓国のフェミニズムがちょっと気になっています。
リ・ジョンヒョクやパク・セロイの描かれ方が、それまで自分が観てた韓国映画とはちょっと違うような気がして。
加えてソウル市長のセクハラ事件。
ここには「リベラルの罠」について感じるところもある

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読み応えがあると言うか、なんと言うか。
#自宅フヅクエ

彼らの「その後」が知りたい:読書録「マカロンはマカロン」

彼らの「その後」が知りたい:読書録「マカロンはマカロン」

・マカロンはマカロン
著者:近藤史恵
出版:創元推理文庫(Kindle版)

「サクリファイス」シリーズの近藤史恵氏の「日常ミステリー」シリーズ。
<ビストロ・パ・マル>を舞台に、三舟シェフを探偵役としたこのシリーズ、「サクリファイス」シリーズより好きかも。

本作はシリーズ3作目。
8つの短編が収められています。
どれもスッと読めてしまう、程よい長さと味わいの作品。
でも読み終えて、
「この人(

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近所にあったら入り浸ってるかも:読書録「本の読める場所を求めて」

近所にあったら入り浸ってるかも:読書録「本の読める場所を求めて」

・本の読める場所を求めて
著者:阿久津隆
出版:朝日出版社

「本の読める本」<フヅクエ>を経営する作者が、そう言う「場所」を作るに至った<思考的な>経緯と、<フヅクエ>のあり方に関する説明、今後への「夢想」を書き連ねた作品。
そう言う場所があることは知ってたんですが(もっとカフェ寄りの店と思ってましたがw)、bar bossaの林さんの記事にちょっと紹介されてて、読んでみる気になりました。

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祝!ローラ復帰!…なんだけど…:読書録「特捜部Q  アサドの祈り」

祝!ローラ復帰!…なんだけど…:読書録「特捜部Q アサドの祈り」

・特捜部Q アサドの祈り
著者:ユッシ・エーズラ・オールスン  訳:吉田奈保子
出版:ハヤカワ・ミステリ(Kindle版)

デンマークのミステリーシリーズ<特捜部Q>シリーズ第8作。
本作ではメインキャラクターの一人・アサドの「過去」が、ついに明らかになります。

このシリーズ、メインストーリーとなる陰惨な事件と、主人公たちのユーモアあふれる雰囲気が最初の頃は読みどころだったんですが、「ローラ

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