「どく友会」(読書会)レポート お勧め書籍 2023.5.20開催分
1.読書会(通称:どく友会)とは何か?
僕は数年前から隔月で読書会(通称:どく友会)を主宰しています。
仕事だけの人付き合いや情報では思考に偏りが出てしまう。もっと幅広く自分の好きなことで刺激を受けることはできないかな?と考えていたのですが、世間で開催されている読書会は意識高い系で少し敷居が高いし、好きでもない課題図書を指定されて事前に予習して読み込むのも気が進まないし。
そう考え自分で主催して始めたのが数年前。いつの日かとっても喜んでくれる参加者が増え、とても濃厚で濃密な少人数コミュニティになっていました。
2.どく友会の3つの特徴
主な運営上の特徴は3つです。
①指定の課題図書なし(好きな本を持ち込み)
②少人数制(集客せずにクチコミのみの10名前後・会員は30名ほど)
③SNSへの顔出し写真はアップしない(写真アップは書籍写真のみ)
「自由さと気軽さ」をコンセプトに始めました。自分のビジネスにつなげようとか、流行りのオンラインサロンのように発展させようとか、下心ゼロです。
これにより、講師と受講生という主従関係のようなものは払しょくできます。単純に好きな本を片手に好きなことを好きな人たちとで語り合いたい。僕の気持ちはそれだけです。
ここまで思い入れがある読書会ですが、一つだけ弊害が生じました。盛り上がりすぎて毎回時間が足りずに、今では5時間が標準時間。
それでも、まだ足りないくらい・・・という感じで、休日に酒も飲まずに喫茶店で熱弁するコミュニティの摩訶不思議さと面白さは日常にはないことです。
世の中はシェアサービスで熱くなっていますが、”頭の中のシェア”も面白いものです。
本を読みたいけど、読むのが面倒な人は、人の推薦図書のプレゼンを聴いて読んだつもりになるのも一瞬で見識が広がる面白い試み、これが自由に本を持ち込む読書会のだいご味なのです。
普段、自分なら選ばないであろう本をガチで熱弁されますからね。(^^)
3.当日はこうやって進めます
1人10分、推し本をプレゼンし、10~15分質疑応答と感想レビューとなります。
一番のポイントは、なぜその本を選んだのか?自分の心境や状況と結びついたときに、本だけではなく、参加者の人間性への理解が深まりますので、絆も強くなるという副次効果付きです。
我が会はメンバーが20名ほどいますが、たいてい10名前後がご参加になります。
※顔と名前は非公開
※運営も非公開でメンバーの一般募集もしておりません。参加者を増やすことより少数で質を追求したいためです。不定期ですが、主宰者のメルマガでのみ年に1回ほど気が向いたときにだけ募集。
<実施概要>
・参加者:9名+懇親会9名
・時間:13時~18時(5時間!)+18時半~21時(懇親会)
4.今回持ち込まれた推し本を公開!
というわけで、どんな本が持ち込まれたのか、以下一覧をつけておきますね。特徴的なのは、皆がベストセラーばかりを持ってくるわけではないことです。
だからといって、教養を広げよう!みたいな意識高い系のスタンスは誰もありません。単純に面白いから読む、話す、聴く、「気づき」を得る。それだけです。自然体が一番というのをいつも痛感しますよ。
※以下順不同
(1)モリー先生との火曜日
(ざっくり所感)
人はいつ日常生活が送れなくなるか分からない。中年になった僕も、いついなくなるか分からない。だからこそ、死のことも考えつつ、今をどう生きるか?後悔なき人生どう送るべきか?
こんなことを考えたさなかで紹介された本だったので、とっても自分事として捉えることができました。
(2)SHOE DOG
(ざっくり所感)
ナイキの創業者によるサクセスストーリーと言ってしまえばそれまでなのですが、自分の情熱を一つのことに注ぎ、靴に人生を賭けて世界のスポーツ市場をつくった功績と生き様には圧倒されます。
ただ、成功をつかんだ後に著者に降りかかる不幸から、結局成功とは何なのか?という本質的な問いを投げかけてくるエンディングが印象的でした。これは、先日観た『Air』にも通じる書籍なのでリアリティがありましたよ。
以下の動画も必見です!
(3)本能スイッチ
(ざっくり所感)
この本は僕が持ち込んだ本です。読書用にではなく仕事の資料として参考になるかなと思って買ったのですが、読み物として面白いのです。ザックリ言えば、ヒット商品が売れた”顧客の本能視点”での「解読図鑑」。
ビジネスは理屈だけで戦略を考えずに、まずは人間をよく知ること、気持ちを理解すること。当たり前のことを痛感させられました。
(4)コミュ力は副詞で決まる
(ざっくり所感)
僕自身、公私問わず文章を日常で書く機会が多いのですが、いつも副詞の扱いが難しいなぁと感じていたところにこの一冊。
副詞を効果的に使えるようになると、文章に幅と奥行きが持てる。そして、ちょっぴりセンスの良さを感じてもらえるかもと思いました。副詞にこだわる文章って大人な感覚ですね!
(5)桜守のはなし
(ざっくり所感)
桜を守る職人さんがいるとは知りませんでした。シーズン期でも5日程度しか見ない桜の満開時だけでなく、残りの360日の桜の移り変わりに着目することも大事。
また、自分なりの推しの桜を1本見つけて年間を通じ、その変遷を見守ることも桜の観方としてあり!という視点は斬新でした。桜好きな僕としては、桜守の職人さんの心意気と桜の楽しみ方に感心しました。
(6)必生 闘う仏教
(ざっくり所感)
こんなに波乱万丈で、でも異国地ので宗教指導者になっている日本人がいるとは・・・驚きの連続で吸い込まれるように発表者の話を聴いていました。
最近、ネットやテレビでもザワつき始めている存在なので、一言で語りにくいのですが、以下の動画も含めてご参照を。
(7)フルトヴェングラーとトーマス・マン
(ざっくり所感)
ナチス政権下の芸術家の生きざまと人生ポリシー、葛藤を描く本ですが、もともと僕自身NHKの番組でその一端を見ていたので共感できる点、理解できる点が多くありました。
ナチス政権下で、ドイツに留まった者と国外へ出た者が双方から抱える葛藤は、本当に複雑で、どっちも一理ある生き方なのでしょう。結局、戦争はすべてを引き裂くという残念な結論があるのみですね。。。
(8)14歳からの自己啓発
(ざっくり所感)
この本は14歳に読ませる本ではなく、自己啓発書をある程度読んだ経験がある人向けの整理の書のような感じです。
それぞれの自己啓発書をカテゴリー分けしつつ、本質的に何が一番大切かを解き明かしていくみたいな。結論は、何冊読んでも自分が変わらなければ何も変わらない!という身もフタもない正論を知るだけでも十分かもね。
(9)闇の盾
(ざっくり所感)
いや~、濃すぎる内容で語るのが逆に難しい本です。簡単に言うと、闇社会が日本の裏側で一部を動かしていて、闇トラブルも一般の人には分からないところで壮絶な解決がなされていたという話です。
その当事者であり、キーマンがここまで語って大丈夫?というほど赤裸々に実名入りで闇紳士の話が出てくるので目が離せません。僕は面白くて一晩で一気読みしたほどです。怖いもの見たさで読むのはありでしょう。
以上
さて、いかがでしたか?
興味がわいた本はありましたか?
普段、あまり手に取らない本だらけだけど、息抜きがてらに紐解くと、ハッとさせられることが多いものです。
5.どく友会のサマリー
<主旨>
新たな本に出会い、新たな知恵を日常生活で実践するキッカケとする。
<進め方>
開催は、隔月の第3か第4土曜日が基本。(1・3・5・7・9・11月)
参加者が持参したお勧めの書籍の内容レビュー、感想を”ゆるく”、時には熱く、情報交換することが基本の流れです。
(レビュー頂く内容)
①著者の紹介
②ザックリと書籍の内容をレビュー
③印象深い点、気づき、学びを3つほど発表
④質疑応答
<ルール>
(1)一人一冊、必ずお勧めの書籍を持参。
(2)人生や仕事に役立つ本を持参のこと。
※著者・出版社の方は自分(自社)の書籍のPR持参もOK!
●年齢は30代、40代が多いですが、職業もバラバラなので個性的です。
●3分の1は初参加の方です。
●男性6:女性4の構成
●普通にお友達をお連れ頂くのもOK。
<経緯>
毎月平均8冊程度本を読んでいますが、ただ学んでいるだけでは面白くなく、他人がどういう視点で解釈しているのか。また、学びをどう実践するのか。そこに関心がありました。でも、なんだか世間の読書会でぴったりくるのがなかったので、自分でやってみようと思いました。
「新たな書籍との出会い×他人の価値観の学び×日常への実践活用」
この掛け算が僕のコンセプトです。
本好き集まれ!!!!!
著者・思考の整理家® 鈴木 進介