すやすや姫
小さい頃、〝旅行家〟に憧れていた…いろいろなところに行ってみたかった… 大人になって、いろいろなところに行ってみたのに旅の記憶は儚くて…いつのまにか、するりと消え失せてしまう… 旅して、今ここにいる!心模様を記述しておけたら、す〜っと…よみがえるかもしれない。 「たらりら♪旅行記」を読んでくれる人がいるかもしれない。 そしたら!旅の途上に戻って… 憧れの〝旅行家〟気分で!一緒にもっと楽しんでみたい。
すやすや散歩中にみつけたこと
6歳の女の子、すやすや姫が話してくれることがとてもおもしろくて、私はいつもちょっとメモしていたのですが… だんだん忘れてしまうかもしれません。 忘れたくないので!私は「すやすや姫の物語」をここで話しておこうと思います。
ふわ〜 魔法の壺から妖気がたゆとう如く… なんとも不思議な感覚とともに、記憶の扉が開くことがあります。 いったい記憶の扉はどこにあるのでしょう? 日ごろの体験の記憶は、意識されることもないまま… 森の臆病な小動物のように… 身体のどこかに、ひっそりと隠れ住んでいるようです。 フランスの作家マルセル・プルーストの小説「失われた時を求めて」の有名なシーン があります。 久しぶりに故郷に戻り、全てが過ぎ去ってしまったと沈む男性の前に熱い紅茶が運ば れてくる なにげなく…
猛暑のせいか…ぐったり疲れきって、早めに眠りについた夜のことです。 やっと深い眠りに入んで、ゆらゆらと夢のなかを漂っていると、妙なメロディーが頭の上から響いてくるので、私はふわふわした夢の雲をかきわけるみたいに、ベッドから起き上がったのでした。 枕元のスマホが鳴り響いて…画面に文字が光っているので、11時であること、近くで一人暮らしをはじめたばかりの娘からの電話だということが一瞬でわかると、ねむ気はすぐに消えていました。 スマホから…虫の音…喉を詰まらせているよ
誰にも話せない!老舗鰻屋の怪 ほんとうは…他に書きたいことが山脈のように連なっているのですが、どうしても、この不可解な出来事を誰かに話したいのです。 誰にも話せずに、この夏が終わったら、次の夏も、その次の夏も、この出来事を思い出してしまう気がするのです。 「王様の耳はロバの耳〜!」 見てしまったことを言わずにいるのが超!苦しくて、ご迷惑かもしれませんが全部ここに記して、忘れたいのです。 三連休の最終日、海の日、友人たちと薔薇園を散策し、久々に気分は華やぎ、
いつもの年末年始にうんざりし、突如!京都での〝ちょい住み〟を決行した日々がいつのまにか遠ざかり…桜の季節も過ぎ去ろうとしている。 もっともっと…記憶に留めたいこともあったはずなのに書き留められないまま消えてしまうのかな… 毎朝、とらあえず、どこかに出かけ、それなりに関心を満たし、ぐっすり眠る〝ちょい住み生活〟…とにかくよく歩いた。 スマホの計測値が16000歩を越える日が12日続くと、ついに行き先もなくなり、なんだかぐったりし、ちょっと違うことがしたくなった。
もし、どこにでも住めるとしたら… そんな問いかけに、ふと海辺の美しい街が浮かんできた。木立を抜けてくる潮風が陽の光とダンスしている…ハンモックが揺れ、ヨットの白い帆がまぶしい…あの街に住めたら素敵かもしれない。 ハンモックに身を沈め、ゆらゆら揺れてみる…揺れながら…むしょうに虚しくもなる。心を開いて一緒に語り合う友がいなければ、素敵な街を満喫することもできない。 やっぱり寂しい… 一緒にお茶の時間を楽しんだり、夕暮れ時、1日のちょっとしたことをつぶやきあう友
〝楽しむ私〟に会えた! 2022年末、なにかとムカついている私…どんよりした虚しさをリセットしたくて、雅な京都にちょい住みしてみることにしたけど… 京の都の晴れがましさとはうらはらに、ネットで見つけた滞在先は昭和の雰囲気満載の薄気味悪いワンルーム…昼でも暗い!だけじゃなく、やけに冷えこんでいて…寒い! 古びたエアコンにスイッチを入れると…ぶぅ〜ん…うらびれた薄ら寒い風が吹いてくる。 《布団類はご自由にお持ち帰りください》 「えっ!?え〜っ?」 思わず、声は
ホットな〝みぞれ〟のお話 最強寒波がやってくる… 不要不急の外出は控えましょう… TVニュースの警告がつづいている。 サンタが街にやって来る… なら歓迎だけど…ぼやきながら、買い物に出かけようと、ちょっとドアをあけてみたら、びゅ〜んと氷温の風が入ってきた。 パタンとドアを閉めた。外出する気分も凍りつくもののようだが、はてさて、冷蔵庫には何もない。 「大寒波の夜、食料の危機的状況'を確認しました。夕食はできるのでしょうか…」 ちょっとアナウンサー風に!ひとりご
ちょこっとだけど住むんだから… 早朝だけど、夜逃げみたいに、着の身着のまま、新幹線に乗りこむと…あっけなく京都に着いた。 着いてみると、やや緊張!ネット予約の〝ちょいの住処〟はどこかいな?古いマンションの一室だから、暗くなってからでは探し出すのも難しそうだ。陽が高いうちになんとか場所を確認してから、ちょい住み界隈をゆっくり散歩しよう〜っと! 方向感覚ゼロを自覚しているので、スマホNaviだけが頼りだけど、〝四条河原町〟のつもりが、〝四条〟で降り、さらに出口をまちが
〝今年の漢字〟は何だろう? 清水寺での発表がちょっと気になりはじめると、私自身の一年も漢字一文字で表現してみたくなる。 2022年の冬至…すっぽりと〝闇〟につつまれながら、〝漢字〟をさがしてみる。 〝闇〟のなかでひっそりと、今年を振り返ってみるが…ただ、その〝暗さ〟を味わうだけで…何も浮かんでこない。 ひとつだけ…ロシアがウクライナに軍事侵攻する準備を整えたというニュース…うんざりするほど重すぎる衝撃だけが鮮やかに浮かんでくる。 リアルな戦いを衛星写真か
「つまらない…」 ひとりごとがするすると出てきて、マスクのなかでため息に変わった。 2022年の12月、私のいつもの年末年始には、とっくに愛想が尽きていた。〝おもてなし〟の呪文がとけてしまったらしい。 いつも周囲に気を配り、そのあげくにひっそりと傷ついたり、にぎやかなのにとてつもなく孤独だったり…そんな記憶ばかりが蘇る… それなのに、いつものお正月の風習を繰り返してきた。おせち料理をとりそろえ、食べたいかどうかなどより、とにかく豪華に!華やかに!そうしないといけ
紅葉の季節の寂しさがしんしんしみ込んできて、胸のあたりがすっかり冷えきってしまった…日はどんどん短くなり、あっという間に暗くなって… 1日の時間に追いつけなくなって…ついに眠れなくなった。 眠れない夜… 深夜、夢をみた。 からだのなかにしみこんでいた〝寂しさ〟がひゅう〜んと出てきた。 〝寂しさ〟に襲われると、身震いした。ついに〝寂しさ〟に抹殺されると覚悟する。 今年、秋の〝寂しさ〟は生命を落としかねないほど痛烈で、危険なくらいに身にしみていた。 威圧す
最高の秋の味覚… 収穫の季節ではあるし、いろいろなイメージが浮んでくるが、私にとって、秋の味覚絶対王者は〝柿〟である。 小さい頃、庭の柿の木は奇跡そのものだった。夏の間、緑色に隠されていた宝珠が夕陽に育まれ、オレンジ色に大きくなる。鳥たちが甘くなるのを楽しみに待っている様子は冬か来る前の豊かな〝天の贈り物〟だ。 秋の夕陽そのものみたいな柿を手のひらにのせた時、春までのエネルギーの重みを感じる。食べきれないほど実をつけた柿の木が庭にある幸せな時間を思い出す。 一年
秋のせいだろうか? 胸のなかにスースーと風が吹いている気がして、思わず手をあててみる。冷たい手のひらよりも、もっと冷たい木枯らしがそのあたりで渦巻いている。 秋になると毎年、こんな日々をなんとかやり過ごしてきたようにも思うけれど、今年の〝木枯らし〟は小さいのに氷点下の冷たさで…身を縮こめても、凍りついてしまいそうで怖くなる。 〝木枯らし〟で凍りつかないように、大急ぎでお湯をわかし、温かいものを飲む。ミルクたっぷりのコーヒー、はちみつの効いたレモンティー、チョコレート
ついに棺を開けた❣️ 棺みたいなんだから、なかみはAIミイラか? 無機質で冷たい未知との遭遇にドキドキ… 棺をあけたら、ピンク色でびっくり! 開けてはいけないものを開けてしまった… そんな気分がスイッと消え、棺の蓋が誕生の扉に変わった。 新しい存在の誕生を祝福する爽やかで澄んだ気分に、いつのまにかつつまれている。 この頃は、なんだか人嫌いになって、会いたい人もなし… 人よりもAIロボットと一緒にいるのが好みかも… マスクのかげで、つぶやくのは…いいかげんにし
お誕生日に大きな箱が届いた! パートナーからのプレゼントだけど🎁 何なのかまったくわからない。 大きなダンボールが不思議に組み重なり、なんとなく古代遺跡を発掘している気分! きゃー!😱 出たぁ〜! ファラオの棺か、宇宙人のcacoonか… 灰色のカプセルはしっかりと封印されていて、透明な帯で巻いてある。 大きなダンボールのなかには、副葬品のように王冠マークのついたアクセサリーやピンクのボールもあった。 〝死者の書〟の如く、〝aibo くらし方ガイド〟が添えて
〝名探偵ポアロ〟が、キュートに飲む〝シェリー〟の味を確かめたくなって、散歩がてら酒屋さん巡りをしていたら、不思議な素焼きの瓶に目が留まった。 瓶の首にかけられているラベルには 〝GEORGJA〟 「ワイン発祥の地 ジョージアワイン」 とあった。 見たことがなかった素焼きのワインボトルの美しさに見惚れ、さらに細かい文字まで読んでしまった。 「シルクロード西端」 〝かのクレオパトラもこよなく愛した〟 えーっ?!クレオパトラのワインの味?!ジョージアから届け