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ちょい住み❣️京都日記③

 〝楽しむ私〟に会えた!

 2022年末、なにかとムカついている私…どんよりした虚しさをリセットしたくて、雅な京都にちょい住みしてみることにしたけど…

 京の都の晴れがましさとはうらはらに、ネットで見つけた滞在先は昭和の雰囲気満載の薄気味悪いワンルーム…昼でも暗い!だけじゃなく、やけに冷えこんでいて…寒い!

 古びたエアコンにスイッチを入れると…ぶぅ〜ん…うらびれた薄ら寒い風が吹いてくる。

 《布団類はご自由にお持ち帰りください》
 「えっ!?え〜っ?」
思わず、声はうわずり、後退りした。

 「この薄さなら、お持ち帰れるかも」
壁際の机の上には、ぺらぺらな布団とひらひらのバスタオルがおまけみたいに置いてあった。

 ご自由に、お持ち帰れと言われても…嬉しいわけもない。

 今夜はどうするぅ〜?
 ダウンコート着たままなら眠れる?

 門松を飾りはじめ、どこかうきうきした京都の街並みを歩き、オクターブはねあがっていた気分が、あっというまに急降下した…

 真っ暗な奈落の底へまっさかさま…きゃあ〜っ!両手で顔を覆う…泣きそうじゃん…

 あぁ〜っ!…絶体絶命・だ・よ・ね・…落下…奈落の底から20cm地点…ピタッと止まった…ふわっ!

 ふぅ〜っ…深呼吸して吐き出した空気がふうせんみたいにふわふわ浮かんでいる。

 ゆっくり深呼吸してみる…目を閉じると、なつかしい〝私〟の声がした。

 「よし!楽しもう…」
キッパリ!きらきらした〝私〟の声が響いてくる。鈴の音みたいな〝私〟の笑い声もこだましている。

 なつかしい〝私〟に、奈落の底でまた会えるなんて!せつなさと嬉しさがこみあげてくる。久しぶりに会えた…ね。

 いつ?〝あなた〟と、はぐれたのだろう?無為無策!やたらめったら…おもしろがる!破天荒な〝あなた〟を見かけなくなったのは…忘れてしまうぐらい、ず〜っと前?かもしれない。

 のに…今…ここに…なんでもかんでも楽しめた頃の〝私〟が、くったくなく笑っている…

 「20㎝…20㎝、奈落の底まで20㎝…危険な気分の急降下!笑っちゃったら急上昇!さあ!なんかして遊ぼう…」

 久しぶりだけど、変わらない笑顔の〝私〟… 今、一緒にいると心が踊りだす。

 〝あなた〟がいないまま…月日がいっぱい流れたね…いつのまにか〝あなた〟と離れて、人生はつまらなくなった…

 「ちょこっと探検隊!100円ショップに出発だよ!」

 なんでもおもしろがる〝私〟は能天気でまず楽しみ、即、行動するらしい。 

 そうだね…そうしようか…迷う間もなく、疑問もなく、泣きごとも、後悔も、無し!だったね。

 思い立って、突然やってきた年末の京都には、不思議な空気が漂っているのかもしれない。

 幕末、京に集った志士たちの心意気を一呼吸して、破天荒な〝あなた〟が久しぶりに息を吹き返したのかもしれない。

 新しい時代をめざして、私も京の都にちょい住みしたかったのかも…〝楽しむ私〟と一緒なら、細かいことなど気にしない!

 京都ちょい住み、年末年始の覚悟を決め、100円ショップへ…

 「泣いても一生、笑っても一生、ならば今生、泣くまいぞ」

 なんじゃらほい…妙なセリフをつぶやきながら歩けば、スイーツのお店があちこちに…うっとり…ショーウィンドウにはりつく.小学生みたいな〝私〟も、久しぶりだね。

甘い魔力?
目がパッチリ☆よろこんでる❣️

 スリッパ、トイレタリー、タオル、枕もかねてクッションもいる。クッション3つ、トレイ、カラフルなランチョンマット5枚…とりあえず、もしかして、きれいっぽくなるかも…100円ショップの素晴らしさに感謝感激!

 抹茶スイーツで疲れを吹き飛ばしてドラッグストアへ…

 消毒スプレー、ハンドタオル、ティッシュや紙皿…カイロ!2枚貼りで、こわいもの無し!鬼に金棒ぐらいの勇気!ちょっと驚き!…

 さあさあ盛大に!まずは入魂の消毒大掃除をやりとげ、お買い物品を部屋に並べ、カイロを大サービス3枚貼り!やったあ!

 なんとなく部屋は明るくなり、ちょいといい感じがしてきた…やや余裕の微笑み!

 年末でにぎわう夕暮れの四条河原町に、今度は安眠をめざし、毛布を求め、スマホMAPがさし示すニトリに向かう。

 行きかう人を見ているだけで楽しそうな〝あなた〟と一緒だと、足取りもかるくなる。

 ふぅ〜ん…〝着る毛布〟見つけて!即決、これにくるまれば、ぬくぬくじゃん!

 ほっとしたら、通りかかったデパートの食器売り場へ…吸い寄せられたのは、どちらの〝私〟だったのだろう?

 一緒に過ごすマグカップぐらいあってもいいかな…ちょい住み記念品になるかも

 ひらりとデパートに飛び込んで、食器売り場に…コーヒー、ホットミルク、ワインだけはゆったり…ここちよく飲みたいよね。

 久しぶりの〝私〟とお気に入りのカップ、
これで大丈夫!こうして、京都ちょい住みがはじまった…

 毎朝、毎晩、マグカップとワイングラスはちょい住み生活をちょっぴり優雅にしてくれた。

 そして、今も…オフィスのコーヒーブレイクや仕事終わりのひとときを彩ってくれている。

 京都で再会し、今はすっかり相棒になった〝楽しむ私〟と語り合う…ひとときでもある。

 ふぅ〜 …
  
 一杯のお茶がこんなに美味しい!

 京の都での再会に乾杯!
 

ホッ!とする
シンボリックな模様のマグカップ
乾杯!ベルみたいな音が響く…
テレワークの疲れが消滅!







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