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柿食えば…

 最高の秋の味覚… 収穫の季節ではあるし、いろいろなイメージが浮んでくるが、私にとって、秋の味覚絶対王者は〝柿〟である。

 小さい頃、庭の柿の木は奇跡そのものだった。夏の間、緑色に隠されていた宝珠が夕陽に育まれ、オレンジ色に大きくなる。鳥たちが甘くなるのを楽しみに待っている様子は冬か来る前の豊かな〝天の贈り物〟だ。

 秋の夕陽そのものみたいな柿を手のひらにのせた時、春までのエネルギーの重みを感じる。食べきれないほど実をつけた柿の木が庭にある幸せな時間を思い出す。

 一年中、手に入る果物がどんどん多くなっているなかで今も〝柿〟は秋の味覚であり続けてくれている。店頭に並んでいるのは秋の限られた時間だけ…だから待ち遠しい。

 再会するのは、必ず、メランコリックな秋…だから愛しくて、毎日毎日、夕陽のような〝柿〟を食べる!

 きょうは夕陽色の柿に真っ白なヨーグルト…シナモンをふりかけて、美しいコーヒータイム…夕焼けのように輝く柿を口にいれた!その時にオルゴール時計がムーンリバーを奏でた。

 秋深し…
今、ここにとどまるすべさえ見つけられないまま、時が流れていく…2022年霜月

ムーンリバーを奏でる時計

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