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ホノルルの潮騒を聴く②クヒオ・ビーチ~アラモアナ・ビーチ

約3kmにわたるワイキキ・ビーチの沖には、9つのサーフポイントがある。かつてサーフィンはハワイの王族のためのスポーツだった。
王国崩壊後の1905年6月にハワイを訪れた人気作家ジャック・ロンドンは、サーフィンの手ほどきを受け、その魅力を世界に発信。
さらに、1912年のストックホルム・オリンピックの100m自由形決勝で金メダルを獲得したデューク・カハナモクがサーフィンの魅力を世界に発信。
1917年の夏、17mを超える波が、ダイヤモンド・ヘッドの外側から、ホノルル港に向かって、北東の角度で近づいてきた。デュークは長さ16フィートのサーフボードにしがみつき、一番の大波に乗ると、ボードの上に立ち上がり、斜面を下ったという。
その波は現在、ワイキキ・ビーチを浸食しつつあり、砂浜と防波堤の修復対策が講じられている。

クヒオ・ビーチ
クヒオ・ビーチは、カピオラニ王妃の養子で、ハワイ王国崩壊後の1900年に、米国の準州となったハワイに戻り、準州選出議員として19年間、連邦議会下院で活躍したクヒオ王子にちなんで名づけられた。
クヒオ・ビーチは、海面の多くが堤防で仕切られ、波は穏やか。背後のホテルとはカラカウア通りで隔てられ、ゆったりした雰囲気。
2023年2月8日、水曜日、午後4時40分。クヒオビーチパークから沖へ伸びる突堤からダイヤモンドヘッドを眺める。風が強く、雲の動きが速い。太陽があたると、山の麓に草が生えて緑色になっていることに気づいた。

2023年2月8日、水曜日、午後4時10分。青Tシャツのおじさまがビーチを行き来している。

クヒオ・ビーチの堤防の外は、波が荒い。「クイーンズ」というサーフスポットがある。ここを頻繁に訪れたカアフマヌ王妃とリリウオカラニ女王にちなんで名付けられたそうだ。
2022年9月25日、日曜日、午後2時30分。強い雨が降り続いたので、カラカウア通りの空き店舗の屋根の下で雨宿りをしていると、沖で悠々と波に乗るサーファーたちが見えた。雨が止んだので、突堤の先へ行き、動画を撮影した。

ロイヤル・ハワイアン・ビーチ
2020年2月14日、金曜日。今日は快晴。海の底まで透き通って見える。ワイキキ・ビーチの本来の姿は、溶岩起源の岩石(玄武岩)が砕けて造られた黒い砂利の海岸だったそうで、その名残が感じられる。1920~1930年代にオアフ島ノースショアやカリフォルニア州から白砂を運んできたらしい。

ワイキキ・ビーチの海底は岩場

砂浜の浸食対策。
2018年12月30日の写真では、少年が走っていくところにコンクリート基盤が露出して波に洗われている。
2020年2月24日の写真では、砂浜の浸食を防ぐために沖にむけて砂袋が突堤状に敷かれ、波打ち際はコンクリート基盤の手前に後退した。

2018年12月30日のワイキキ・ビーチ
2020年2月24日のワイキキ・ビーチ

ワイキキビーチ特別改善地区協会は、ハワイ州土地・天然資源局の協力のもと、浸食されたロイヤル・ハワイアン前からデューク像前までのビーチを復元するため、ワイキキ沖から2万立方ヤードの海砂を浚渫・脱水し、ビーチへ戻す作業を、新型コロナ・ウイルス感染症のパンデミックによる閑散期を活用して、2021年1月25日に開始し、6月末に完了した。

ワイキキビーチ特別改善地区協会による砂浜の回復工事

2022年9月27日、火曜日、12時。クヒオ・ビーチとの境から西側のワイキキ・ビーチを眺める。砂浜から、モーターボートが猛スピードで発進したことに、驚いた。平日のせいか、サーファーの人数が多く、海水浴客と同数ぐらいに感じる。

2023年2月19日、日曜日、午後5時。モアナサーフライダー前のビーチ。風が強い日で波も荒い。波打ち際の主役は、子供たちだ。男の子も女の子も、次々にやってくる波の高いところを見つけて、走っていく。崩れる直前の波に身体全体で触れて、波の強さを感じている。

2023年2月28日、火曜日、午後5時18分。アウトリガー・ワイキキ・ビーチ・リゾート前から、カタマランヨットのケポイカイⅡ号が西陽を浴びながら出航。しばらく進んでから方向転換し、帆を上げる。2人のサーファーが後を追っていく。

2022年10月3日、月曜日、午後2時30分。ロイヤルハワイアンホテル前の砂浜からダイヤモンドヘッドを眺める。太陽はワイキキの南にある。カタマランヨット3隻が次々と沖へむかった。海は家族連れや若者たちでにぎわっている。

2023年1月5日、木曜日、午後6時21分。日没17分後、ロイヤルハワイアンホテル前の浜辺から、ホテル群とダイヤモンドヘッドを見渡す。カタマランヨットが夕暮れの海に出航する。カップルが波打ち際を裸足で歩いていく。

ロイヤルハワイアンとシェラトンとの境から沖へ伸び、東側へカーブする防波堤がある。ワイキキビーチの浸食を93年間防いできたが、老朽化したため、ハワイ州は外出禁止令発令中に防波堤の改修工事を行い、2020年8月1日に完了。堤防の両サイドの砂浜が回復している。

ロイヤルハワイアンとシェラトンの間から突き出た防波堤は、2020年に改修。

2023年7月27日、木曜日、正午。シェラトン・ワイキキ前の海岸沿いの通路を人々が行き交う。通路下の砂浜は回復しつつあるが、波は岸壁に打ち寄せ、その音が響きわたり、飛沫が上がる。ダイヤモンドヘッドを背景に、カタマランヨットが緑青色の海へ出航していく。

グレイズ・ビーチ
シェラトンとハレクラニの間のビーチ。海底から真水が湧き出しているそうで、珊瑚礁が形成されず、真水が沖へ流れる道がある。王族が罪の赦しを求めて身を清めたカヴェヘヴェヘという場所でもある。
2023年9月24日、日曜日、午後3時、シェラトンのエッジ・オブ・ワイキキから、カヴェヘヴェヘを眺める。太陽の光で輝く波と戯れる人たちの歓声が聞こえる。飛行機が空を渡っていく。

2022年10月7日、金曜日、午後1時。海底から真水が湧き出して、沖へ流れる道があり、透明度が高く、海はグレーに近い青なので「グレイズ・ビーチ」と呼ばれる。

2023年7月27日、木曜日、12時30分。7月14日にアウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートの1階海側に開店したモンキーポッド・キッチンでは、クリー・カホアが「テネシー・ウイスキー」を歌っている。ホテルの前まで波が打ち寄せるので、母と子が波に翻弄されている。

2022年9月20日、火曜日、午後6時30分。アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートの西側にある突堤では、多くの人が夕陽を見つめている。雲に隠されていた太陽は、日没直前に姿を現した。

フォート・デルッシー・ビーチ
かつて養魚池があったが、中国人富豪の別荘地となり、1904年に米国陸軍が取得。ハワイ陸軍博物館、アジア太平洋安全保障研究センター、米軍ハレコアホテルが並び、アメリカを感じる場所。
2023年2月1日、水曜日、午後4時。この先のヒルトン・ハワイアン・ビレッジと手前のワイキキを往来する人々が歩く道がビーチの背後にある。靴を脱いでビーチへ入る女性、折り畳みチェアを背負ってビーチを去る女性たち…

2023年2月1日、水曜日、午後4時。この先のヒルトン・ハワイアン・ビレッジや手前のワイキキへ、脱いだ靴を手に持って、波打ち際を裸足で歩いていくカップルが多い。砂浜に残された足跡は、しばらくすると波が消していく。

デューク・カハナモク・ビーチ
1890年生まれのデュークは、この地に住み、このビーチで水泳やサーフィンを楽しんだ。ヒルトン桟橋からは、水深30mの海中へ潜航するアトランティス潜水艦にアクセスでき、カタマランヨット「スピリット・オブ・アロハ」が出航する。
2022年9月23日、金曜日、午前11時。ハワイの英雄にちなんで名づけられたビーチを、アトランティス号やカタマランヨット「スピリット・オブ・アロハ」が出航するヒルトン桟橋から眺めた。

2022年9月28日、水曜日、午後1時30分。快晴。ビーチの南端から、ココヤシとカヌーの向こうに海とダイヤモンドヘッドを眺める。南端は堤防に囲まれているので、波は穏やか。サーファーが砂浜や堤防から海へ入っていく。アトランティス号が潜水艦から戻ってきた。

2023年2月1日、水曜日、午後5時30分。アラワイ・ボートハーバー横の小さな砂浜。仕事帰りのサーファーたちが、デューク・カハナモク・ラグーン前の駐車場にクルマを停め、サンセット前の海に入っていく。

マジック・アイランド
マジック・アイランドが出来たのは1962年のことだ。ホテル群を中心としたリゾート地帯にという意見が支持されていたが、公園として使うと1970年に決定された。
2022年11月11日、金曜日、午後5時。マジックアイランドの東側は、アラワイ運河とボートハーバーの先にあり、カヌーからヨットまで、さまざまな船が出入りする。ヒルトンハワイアンビレッジの沖ではサーフィンを楽しんでいる。風が強く、波の音が、あまり聞こえない。

2022年11月11日、金曜日、午後4時22分。マジックアイランドの先端にあるラグーンは楕円形だ。山側には美しいビーチが広がるが、海側は岩壁に波が打ち寄せる。1964年に人工的に造った半島だが、火山の火口を思わせる。

アラモアナ・ビーチ
海岸が作られたのは1955年のことだ。オアフ島の西側から大量の砂を持って来て、アラモアナ・ビーチとなった。
アラモアナ・センターのある場所は、ディリンガムが所有する野原だった。野原はショッピング・センターとなり、多くの様々な人たちが集まる。
リーフの内側にあるプール状態の静かな海。海岸。公園。道路をはさんで、ショッピング・センター。
2022年11月11日、金曜日、午後3時45分。今日は退役軍人の日で祝日なので、家族連れがバーベキュー・パーティや海水浴を楽しんでいる。沖ではサーフィンをやっているが、水際は波が穏やか。背景はワードの高層コンドミニアム群。

2023年5月29日午後6時30分から、アラモアナ・ビーチで開催された「シンニョ・ランタン・フローティング・ハワイ」。4年ぶりに戦没者や亡くなった愛する人を偲ぶ7千個の灯籠を流した。仏教教団の真如苑が主催。メモリアル・デーのイベントとして定着し、約5万人が参加。

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