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#ロードレース

【厚底カーボンシューズの最新論文】世界トップクラスのケニア人+欧州のアマチュアランナーのランニングエコノミーのばらつきと厚底カーボンシューズに関するメタ分析

【厚底カーボンシューズの最新論文】世界トップクラスのケニア人+欧州のアマチュアランナーのランニングエコノミーのばらつきと厚底カーボンシューズに関するメタ分析

2023年3月にオープンアクセスとなった、以下のカーボンシューズに関する最新の論文を紹介する。

【タイトル】
Variability in Running Economy of Kenyan World-Class and European Amateur Male Runners with Advanced Footwear Running Technology: Experimental a

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各メーカーのカーボンシューズ計39足の比較(2022年新作23足+2023年新作:14足)

各メーカーのカーボンシューズ計39足の比較(2022年新作23足+2023年新作:14足)

前回は“2021年秋までのカーボンシューズ32足の比較”を書いたが、今回の記事は2023年最新版で2022年以降に発売されたシューズを中心に紹介する。

【更新履歴】
※ 2/22:飞电3 ELITE / 飞电3 CHALLENGERを追加し24 → 26足に
※ 3/2:UA Flow Velociti Elite / Deviate Nitro Elite 2を追加し26 → 28足に
※ 3

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アディダスの2021年・ガチの新作ランニングシューズ。

2021年5月25日、アディダスオーストラリアの公式ホームページに2021年の新作シューズのラインナップが掲載された。

世界陸連の承認済シューズリストの最新版(5月21日)にもアディオスプロ2/タクミセン7等が掲載されていたので、それらはそろそろ発売が近そう。

そういえば、アシックスのメタスピードスカイの発売前(公式発表の3/30の前)にもアシックスユーロのサイトに先に公式情報が掲載されていた

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競技選手はスーパーシューズについて"正直に話したほうがいい"その④:ベス・ポッター🇬🇧(アシックス)

競技選手はスーパーシューズについて"正直に話したほうがいい"その④:ベス・ポッター🇬🇧(アシックス)

(写真:Instagram Beth Potter 📷 Peter Brown)

今年に入ってからイギリスの陸上中長距離界におけるシューズ論争の話題が尽きない。

クリス・トンプソンはonの契約選手でありながら、黒く塗りつぶしたVFネクスト%で3月下旬に開催された東京五輪マラソン英国選考会で優勝。onはその日にonのTwitterの公式アカウントのリプでonの契約選手にブラックアウトVFネクス

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🏓 飞影PB 👟でマラソンのPBを2時間19分台→2時間16分55秒に縮めた行場さんの70日間の練習メニューと“飞影PB”の購入方法

🏓 飞影PB 👟でマラソンのPBを2時間19分台→2時間16分55秒に縮めた行場さんの70日間の練習メニューと“飞影PB”の購入方法

2021年のびわ湖毎日マラソンで2:16:55の自己新を出した35歳の行場竹彦さん。大学時代は早大競走部で駅伝主務を務め、社会人になってからは5000mからマラソンまででベストを更新。

2018年には初のウルトラマラソン(サロマ)でいきなり6時間20分台の好走を見せ日本代表入り。秋のIAU100km世界選手権で、2回目のウルトラマラソンながら2位に入った実力者。そんな行場さんは2021年にマラソ

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本気ならアシックス / 令和もよろしくアシックス / モーエンもよろしくアシックス。

本気ならアシックス / 令和もよろしくアシックス / モーエンもよろしくアシックス。

2021年3月30日にアシックスが新しいレーシングシューズの発表を行うことが予定されている。それを前にした3月23日に↑の予告動画がアシックスの公式SNS(日本)で公開された。

現在、日本のエリート〜サブエリート長距離選手はロードレースにおいて90%前後がナイキのシューズを使用している現状である。

女子は東京五輪マラソン日本代表に内定している前田穂南(天満屋)、男子はびわ湖毎日マラソンで8年ぶ

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競技選手はスーパーシューズについて"正直に話したほうがいい"その①:クレイトン・ヤング🇺🇸(アシックス)

競技選手はスーパーシューズについて"正直に話したほうがいい"その①:クレイトン・ヤング🇺🇸(アシックス)

(写真:Instagram Clayton Young ©︎kevmofoto)

今日からこのテーマの記事をシリーズとして毎日書いていく。

1回目はアシックス契約のプロ選手、クレイトン・ヤング(アメリカ)について。

(3月21日の全米15kmロード選手権で優勝したクレイトン・ヤング)

スーパーシューズの“アドバンテージ”を授かった選手私が彼のことを知ったのは、2019年6月の全米学生選手権

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【最新の厚底シューズに関する雑感】

【最新の厚底シューズに関する雑感】

(トップ写真:Qiaodan社 / 飞影PB)

さっき、10分ぐらいで※Twitterにツイートしたことを雑感としてnoteにまとめます。

※(お陰様で6,000フォロワーになりそうです。ありがとうございます)

最近では、新しい厚底カーボンシューズの情報がリークされるとき、だいたいアメリカ時間の夕方に情報が出回って、日本時間の朝に時間差で出回るパターンが多い。

【2/12 日本時間朝の6時

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今後、ランニング用カーボンシューズの評価項目で「価格」と「重さ」を重視するのがいいだろう。

今後、ランニング用カーボンシューズの評価項目で「価格」と「重さ」を重視するのがいいだろう。

2020年は本当に多くのメーカーがカーボンプレートを挟んだ新製品をリリースして、ランニング界が盛り上がりのあった1年だった(一部違う素材のプレート内蔵の製品もあるが)。

それでも、王者ナイキの牙城は崩されず、ネクスト%、アルファフライがロードレースや12月までのトラックレースでは選手たちの足元を支えた。

また、来年には東京五輪を控え、アシックスの厚底シューズ(プロトタイプ多数...メタフライな

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なぜホカやリーニンの「厚底シューズ」の厚さが世界陸連のシューズリストで25mm未満なのかを細かく解説します。

なぜホカやリーニンの「厚底シューズ」の厚さが世界陸連のシューズリストで25mm未満なのかを細かく解説します。

2020年8月に発表された12月1日以降の公認トラックレースでの25mmルール。いわゆる厚底シューズが12月1日以降の公認トラックレースで履けないというものでランナー界隈で大きな議論が起きた。

10月や11月になって世界陸連は認可されたシューズリストを更新しており、それらのシューズの厚さが25mm未満なのか、それ以上なのかが一眼でわかる。ここに、元祖厚底のホカオネオネのシューズで25mm未満とな

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ランニングシューズのアッパー素材の変化【ナイキのヴェイパーウィーブがもたらした合成繊維の興隆】

ランニングシューズのアッパー素材の変化【ナイキのヴェイパーウィーブがもたらした合成繊維の興隆】

私はエリートランニングの世界におけるランニングシューズが劇的に変わったのは2017年のヴェイパーフライ4%の登場以降の3年間だと思っている。

そして、この1年間の間でアッパー素材の変化が目覚ましく起こっているが、後述する合成繊維のアッパー素材をパフォーマンス系のランニングシューズに惜しみなく投下しているのは、今のところナイキ、アディダス 、そして中国のメーカーであると感じている。

素材を知るこ

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各メーカーの厚底カーボンシューズ計30足の比較(2021年新作:11足)

各メーカーの厚底カーボンシューズ計30足の比較(2021年新作:11足)

2017年の夏にナイキがヴェイパーフライ4%をリリースしてからはや3年。

各メーカーがこぞって厚底カーボンシューズの新製品をリリースし始めたのが2020年になってからだった。今や、メジャーなブランドだけでなく世界中のシューズブランドがこのシステムのシューズをリリースしているので、今回は19足+2021年の新作11足の比較を“各ジャンル”ごとに行うことにした。

シューズの重量は各26.5cm、各

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アディダスの新厚底シューズ【アディゼロアディオスプロ】のポテンシャルその②:各パーツのインプレッションと3種類の走行テストで導かれたこのシューズの特徴

アディダスの新厚底シューズ【アディゼロアディオスプロ】のポテンシャルその②:各パーツのインプレッションと3種類の走行テストで導かれたこのシューズの特徴

アディダスの新厚底、アディゼロアディオスプロを着用した選手がプラハハーフで好記録をマークし、アディダスの反撃を印象付けた。

2020年9月14日には全世界で一般発売されたアディオスプロであるが、このシューズのそれぞれのパーツについてのインプレッション 、また3種類の走行テストから導かれたこのシューズの特徴について記す。

【関連記事】

アッパー(フィット感・ホールド感・通気性)ランニングシュー

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厚底カーボンシューズ戦国時代履き比べレビュー【2020年秋場所】

厚底カーボンシューズ戦国時代履き比べレビュー【2020年秋場所】

5社の厚底カーボンシューズの5種のテストランを9月6日の朝に行った。

よく会う人に「おはようございます」と言われたけど、内心「あの人何してんねん」と思われたかもしれない。笑

“2020年秋場所”

左から(L to R)
① RACE 160x(Xtep)
② Endorphin Pro(Saucony)
③ Fei Dian(Li-Ning)
④ Adios Pro(adidas)
⑤ VF

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