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【最新の厚底シューズに関する雑感】

(トップ写真:Qiaodan社 / 飞影PB)

さっき、10分ぐらいで※Twitterにツイートしたことを雑感としてnoteにまとめます。

※(お陰様で6,000フォロワーになりそうです。ありがとうございます)

最近では、新しい厚底カーボンシューズの情報がリークされるとき、だいたいアメリカ時間の夕方に情報が出回って、日本時間の朝に時間差で出回るパターンが多い。

【2/12 日本時間朝の6時頃の投稿↓】

【からの...2/12 日本時間AM10:21の投稿↓】

よって、インスタで見たほうが情報としては早いが、拡散力はTwitterの方が大きい。最近は独自リークが少なく、だいたい"1日で↑の主要アカウント"が時間差であげている印象である。

なお、中国人の主要アカウントのうち、製造工場と深い関係性を持っている人物はプロトを素早く入手していると思われる(メーカーを挟まない)。


各メーカーの最近厚底シューズに関する動向

ナイキ:これまで「ハイパーフライ」と呼ばれていたハーフマラソン以下の距離に特化したレーシングシューズの名称が「ストリークフライ」でWAのリストに1/29からプロト申請されている。

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(出典:Shoes Approved by World Athletics - as at 29 January 2021)

この1足はナイキのビーバートン本社で開発は進んでいるが、そこに近いBTCのメンバーが多くテストしており、モー・ファラーもプロトをテストしている。

今年はネクスト%2もアッパーのマイナーアップデートのみっぽいので、ストリークフライへの期待が高まるが、この1足はトラックでは履けない厚さである(トラックではドラゴンフライやヴィクトリーを履いてください)。


アシックス:ナイキの「二番煎じ」など...と以前はプライドを持っていただろうが、もはやそれではダメだということは箱根駅伝でアシックスのシューズを履いている人が1人もいなかったことが物語っている。

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(出典:箱根駅伝2021年 厚底シューズ戦争より)

ということで、アシックスの厚底プロトがWAのリストに6種類載っているが、これは日本だけでなく世界中のアシックスの契約選手を増やしているという状況を見れば納得できる。

そもそもアシックスの良さといえば「選手ごとにシューズをカスタマイズする」という"きめ細やかさ"や"契約選手との関係性の構築"だったりする。

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(出典:Shoes Approved by World Athletics - as at 29 January 2021)

この中からどれだけ製品化できるか。そもそもアシックスはミッドソール素材を自社開発することに拘っているが、それを捨てない限りはナイキを超えることは現段階では難しいのではないかと思う(※個人の感想です)。

スパイクも開発している。

Zoom Xを超えるようなフォームは今のところ知らないが、他メーカーによる模倣的なPebaは広く使われている。

超臨界EVAに熱可塑性エラストマー(TPE)をミックスしたような素材にZoom Xに対しての勝機が見出せるのではないかと思うが、それは中国メーカーが得意としている分野なので、日本メーカーはそのうち中国製品に追い抜かれてしまうかもしれない。

とはいえ、アシックスは現在、1タイプだけでなく何種類もWAにプロト申請しており、世界中の長距離選手を今、手中に収めようとしている(アディダスとナイキは良い長距離選手を囲い込んできたが、ナイキはストーリー性のある選手を除いて2020年末※本来の五輪イヤーまで契約解除した選手が結構多い)。

【全米歴代2位の2:20:32をマークしたサラ・ホール🇺🇸↓】

【2:25:27をマークしたエマ・ベイツ🇺🇸↓】

【2019年全米学生選手権10000m優勝C. ヤング🇺🇸↓】

【ケニア拠点のオーストリア人選手のトーマス🇦🇹↓】

【マラソンニュージーランド記録保持者:ゼーン・ロバートソン🇳🇿↓】

【4回目の五輪出場を目指すリサ・ウェイトマン🇦🇺↓】

【2018年欧州選手権マラソン優勝K. ナート🇧🇪↓】

【2019年ドーハ世界選手権5000m10位E.マッコルガン🇬🇧↓】

今、レースが少ないのでそれらの契約選手の露出がある機会が少ないが、大会が再開し始めた時、アシックス勢のグローバルで見た時に反撃はあると思うが、

さて日本はどうだろうか。

以前広告塔を務めていた選手はナイキに乗り換えたりしてしまったが、川内優輝が練習で厚底を履き始めたり(その後実業団ハーフで久々の63分台、びわ湖で8年ぶりの自己記録更新)

トヨタの大石港与、太田智樹、女子の実業団勢などもチラホラとレースでもそのうち使用すると思われるが、↑の海外のプロ選手とは違って契約内容からか、あまり宣伝チックにならないので、海外の選手の方がよりアシックス製品の積極的なPRに貢献している印象を受ける。


アディダス:Adizero XとAdios Pro 2 / アバンチとアンビションのフォルムが明らかにされたが、あれは意図的なリークだったのか??

ともかく、アディダスがやっとナイキのシューズに追いつく可能性はあるが、アディダス契約の選手は今までよくこの危機的状況を耐え抜いたと思う(住友電工・田村和希、九電工・大塚祥平、ワコール・福士加代子、アフリカ勢など)。

男女のハーフ世界新などでアディオスプロが結果を出しているというよりかは、アディダス契約の選手は元々強かったけど、ナイキに匹敵できる良いシューズが用意できていなかっただけであるから、今度のアディダスにはかなり期待できると思う。

【Adidas Runnersの活動にも参加する予定の岩出玲亜↓】

【今年からナイキ→アディダスに変わったS. パデュー(ハーフ68:23)↓】


サッカニー:エンドルフィンプロ2のフォルムがリークされていたが、これはマイナーアップデートだったと思う。

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(出典:インスタグラム

日本のABCマートは在庫の足数も少なく、流通量が限られている。どちらかというと、エンドルフィンプロよりもエンドルフィンスピードのほうが汎用性は高いシューズのほうがもっと売れるべき商品だと思うが、どちらかというとサッカニージャパンはエンドルフィンプロの方を推しているのではないか??

エンドルフィンプロでロングランやペース走をやる人がいるけど「エンドルフィンスピードでやった方がええんちゃうん?」と思うケースが多い。

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(ハッシュタグはエンドルフィンプロのほうが多い)

理由はエンドルフィンスピードのほうが耐久性が高いこと、ナイロンプレートなので、操縦性が高いということでもっと自分の体の機能性を高めるにはある程度の操縦性を持つシューズで「トレーニング」をすることが重要だと思っている。

私は練習で速いタイムを出すことばかりが「トレーニング」だとは思っておらず、タイムに出ないような内部負荷を高めることが重要だと思っている。Ex. 起伏/不整地を走るなど。


プーマ:ニトロシリーズがリリースしてきて、長距離用のシューズに本格参戦(以前からもあったけど)。

現在はズームフライやフューエルセルTC、ハイペリオンテンポ的なディヴィエイトニトロがレーシング用で、ガチレーシング用はディヴィエイトニトロエリートが開発されているので、五輪までにリリースされることに期待してみる。


スケッチャーズ:超臨界EVAミッドソールのハイパーバーストを開発して以来、それを軸にパフォーマンス部門のシューズは展開されているが、大きなニュースはない。

しかし、Razor 3 / Speed 6 / Speed Elite Hyper / Razor Eliteの4足に加え、春にはRazor 3の厚さもりもりバージョンのRazor Excessも販売されるから楽しみではある。

とはいえ、致命的なのはサッカニーと同じく日本での流通量が少なくカラー展開も致命的に少ない、そしてサッカニーとは違って値段が高く日本市場における課題は多い。

また、スケッチャーズのシューズで実業団の世界で勝負したり、びわ湖マラソンで着用する選手がいるが、ナイキやメジャーどころ以外のシューズを着用してる、ということで「その選手が注目されれば」それはかなり有効な手段だと思う。

今やサブテンや27分台も数が増えたので同調より”差別化”を図るのは有効。
それが後に物品提供だけでなく、金銭が発生する正式契約やプロトのフィードバックなど新製品の開発といったことに携われるようになると、ブランドとの信頼性を構築することに繋がっていくが、

それでも...

日本では広告塔や製品開発に携わっていた選手が突然他のブランドに乗り換えることがたまにある。

例えばプーマ契約のM. サイデル(東京五輪女子マラソン全米代表)は拠点のボストンとプーマ米国本社が距離的に近いことや、それもあって頻繁にプロトの開発に携われるという条件もありプーマ長距離シューズ開発チームに参画した(契約が2021年からサッカニー → プーマに変わった)。

米国ではトップ選手とメーカーの関係性は深く、そこには必ず金銭が発生する。逆にいうと"物品提供"だけではメーカーと選手が深い関係性を構築するのは難しいのではないだろうか。

日本は「物品提供でPRして案件」が横行していて、YouTubeやインスタやいろいろなところでPRするのに、それらの人はガチレースはナイキを履くというのが結構多い

逆に金銭が発生しない物品提供のみで、ガチランナーでそこのブランドを突き通している人がいれば、それはそれで結構凄いことだと思う。

私はこれまで多くの中国シューズを試してきたが、どれもクオリティは高く素晴らしい。そして、自分以外の人も「これいいですね!」となるとやはりそれは「そうだったんだ」と気づく。

今やどこのメーカーも新製品の厚底シューズで高反発/軽量を謳うのは当然なので結局威力を発揮するのは“口コミ”である。

その、口コミが良いというのは中にはステマ行為も見受けられるので、メーカー案件でなく個人購入のレビューもしくは、良い点だけでなく良くないと思った点もきちんと述べているレビューの信頼性がやはり高いと思う

そして、製品評価に関しては「ラボでの測定」といった客観的データも加わってくるとなお製品のクオリティは担保されるが、確かに”良い製品は良い数値”が出る。

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以上が今日の朝にふと感じたことの雑感です。

たまには10分ぐらいで頭に出てきたテーマに対してこうやって文字にしてみるのもいいですね。今後もたまにやっていきたいと思います。

Twitterではこのような雑感のツイートが多く出るときは、このようにnoteにまとめることができ、それが記事になります。

今ではClubhouseでこういうことを皆さんお話しするのかもしれないですが、私の場合はまだ子供が小さいので夜間のClubhouseは厳しいのでnoteにまとめたりしてみます。

Podcastでは音声は残りランニング中には相性がいいですが、メモをしたりする機会があまりなく頭に残りにくいような気もします。一方、noteではこうやって文字が残りますので、勉強と同じく書き留めてもらえればより内容が頭に残るのではないかと思います。


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