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住むのは雲眠るのは川遊ぶのは風

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最近の記事

雪、夕方、微睡と祖母

2024年 3月某日 静かな自室で、薄闇が徐々に東から流れてくるさまをぼんやりと眺めながら、時間があることを謳歌するように横になっている。休日である今日、必要な用事は通院することだけで、ただし外は寒いので出かける気にもならない。3月だというのに昨晩、降り頻る雨が雪に変わり、朝カーテンを開けると曇天でも眩しく感じたのは、目の前に広がる畑が真っ白に覆われていたからだ。今日は近所の中学校の卒業式だったらしい。思い返せば高校の卒業式の日も、冷たい雨の日だった。かつての入社式の日も、

    • 日記 2023/10/29(極小)とびきり馬鹿な服

      とびきり赤くて、とびきり馬鹿らしくて、とびきり可愛い服がある。ニットではないけれど、トレーナーというには薄手で柔らかすぎるトップス。真ん中に、超フワフワのたぬきがいる服である。たぬきはスケートボードをしている。私はこの服を、底抜けに馬鹿に、元気になりたいときに着る。秋になってまだ一度も着ていなかったけど、今週は2回着た。今週はとても、毎日、暗くて谷底深くにいる気分だった。堂々巡りの、擦り切れた、でも抜け出すことができない悩みの中を、皇居ランナーのようにずっとぐるぐる走り回って

      • 日記 2023/10/22 先new観

        あまり話したことのない年下の人に、とあるアーティストの名前を羅列して「誰々とか、そっち系聴いてそう」と言われてなんだか不穏な気持ちになった。 まだそこまで打ち解けていない間柄の人と話すとき、先入観を提示して事実と比較してみるという会話を取る場合がある。話題の切り口が難しいと、自分のイメージを先に話すことで相手が話しやすくなるというパターン。私もたまにその方法を取ることがある。「何何が好きということは何何も好き?」とか。でも今回は言われてみて、「む、?」という感情になる。私は

        • 日記 2023/9/24 救いと言葉

          いくつかの救いがある。 あなたと車で水族館の帰り道、素直に戻るのが惜しくてするまわり道。あなたとの真剣な会話、真剣な態度。そしてすこしふざける、かなりふざける、乾いたようなパラパラとした笑い声、葛藤や苦悩を誤魔化そうとするときの、鼻と口の繋がったところで砕けるような笑い声。コンビニのコーヒー、見慣れたコンビニが、煌々と見えて永遠とは両極端にあるものとして私の中に入ってくる。柴田聡子の「涙」、ミツメの「メビウス」、アネコアヤノの「明け方」。好きな本に出てくるやさしさについての

        雪、夕方、微睡と祖母

          日記 2023/9/17 おにぎりと新幹線

          北へ向かう。5月ぶりに新幹線に乗った。 私は仕事終わりにバタバタと身支度をして東京駅へやって来たけれど、世間は三連休の中日で、新幹線の乗り換え改札口は大きな荷物の人で賑わう。岩手に着いたら祖父母と母と焼肉屋へ向かうことになっている。はやぶさは早い。2時間もすれば着いてしまうけれど、この小腹の空き具合とやり場のない小浮かれをしっかりと身体で確かめたくて、売店をうろうろしながら胃袋への問いかけの時間とする。シュウマイ弁当の魅力に取り憑かれて暫く見つめてしまったけれど、やめた。お茶

          日記 2023/9/17 おにぎりと新幹線

          殴り書き - 遅刻待ちの安堵

          あ〜、恐ろしい気分だった。 よかった〜〜〜。 今の気持ちはこれ。どっと流れ出るような安堵感。 今日は朝から出掛ける予定で、友人と駅で待ち合わせをしていた。時間ちょうどくらいに駅に到着。普段私よりも先に待ち合わせ場所に来る友人の姿はなく、連絡もない。おや、と思う。もしかしてまだ寝てるかも。昨日は金曜日だし、なにか夜遅くまでの予定があったのかも。社会人になってから遅刻を滅多にしなくなった友人。疲れてたのかなあ。私は素直に「おや、珍しい」と連絡を入れた。暫くすれば起きるだろう。

          殴り書き - 遅刻待ちの安堵

          日記 2023/9/13 夏風邪サラバと音楽編

          地下鉄が地上に出たとき、夕焼けがとても綺麗だった。地平に向かって空が桃色に染まって、勢いの弱まった優しい雲たちも美しい桃色で縁取られている。沈みかけの太陽の光は暖かい。居眠りしていなくて良かった。この嬉しさを勢いに文章を書くことができている。 先週くらいに長きに渡って格闘した夏風邪とお別れした。話す時に咳が出ないのってなんて快適なんでしょう。右耳の聞こえにくさは若干残っているけれど、なんのその。私の快復とともに、早朝に“涼しさ”が到来したので私は穏やかさを取り戻している。寒

          日記 2023/9/13 夏風邪サラバと音楽編

          日記 2023/08/30 夏風邪継続編

          noteの更新が滞ったまま本当に1ヶ月が経過してしまった。風のように吹き荒んだ1ヶ月だった。タイトルの中に全てが集約されている。私は絶賛夏風邪っぴき継続中なのである。 ことの発端はまだお盆の最中だった。世の中はまだお休みムードに浮ついているころ。外出中に体に違和感を覚え、家に帰って熱を測ってみるとあら、微熱。仕事もあるし友人との予定も残っていたお盆の只中、意地で治してやると覚悟を決め、なけなしの解熱剤と多量のポカリを摂取し、冷えピタにマスクに氷枕という重装備で床につく。いける

          日記 2023/08/30 夏風邪継続編

          日記 2023/7/29 近ごろのこと

          「自分のこと全部知られたくないって思っちゃう」 多分こんな感じ。多分こんなことをきみは言いました。 それはそうだ。当然そうだと思う。まあ中には、例えば好きな人には自分の中身の全てを差し出したいと思う人もいるとは思うけれど。でもきっと、こうしてnoteで文章を書く人の多くは、自分の思うあれこれをことばに落とし込みながらも、本当の本当の自分のまんなか、大事にしている小さな想いの海の場所は、秘密にしているはず。 してやられたな〜と、また思う。私はきみのことが好きで、知りたいけど

          日記 2023/7/29 近ごろのこと

          写真 2023/7/24

          初夏から夏にかけての写真をお見せします。 こんな回があってもいいよなと思って。 (全てフィルムカメラを使っています)

          写真 2023/7/24

          日記 2023/7/13(極小)くるっくるのふわっふわ

          今日は悲しい気持ちになったから、アルバイトを退勤するとき、スタッフルームの鏡に向かって言ってみた。 「ほら、くるっくるのふわっふわ。どんなもんじゃい」 掛け直したばかりのパーマは調子がいい。前髪はあまりにもくるくるっと縮れて、眉毛が見えるから急に幼さを取り戻して、なんだか可笑しい。どこかしこに踊る髪の毛陽気な様。鏡に向かってにこっとしてみたら不気味で笑えた。学生のころはよく社会人に間違えられたのに、最近はもっぱら「学生さんですか」と聞かれる。精神年齢が止まったままなのかな

          日記 2023/7/13(極小)くるっくるのふわっふわ

          夜道でゴキブリ見つけてはしゃいでんの私くらいだろうな

          夜道でゴキブリ見つけてはしゃいでんの私くらいだろうな

          日記 2023/07/12

          渋谷の紅茶の名店「ケニヤン」で暇を潰す。 私はランチの「自家製ハンバーグ」を平らげて、既に冷たくなりつつあるチャイミティーをちびちび飲みながら本を読んでいた。ずっと読みたいと思って書店で何度も手に取っていた、くどうれいんさんの『わたしを空腹にしないほうがいい』である。買うべき時に買うべき場所で購入できたので、満を持して読んでいる。あー、なんとお腹が空く文章!そしてなんと生きることの小さな煌めきを感じられる文章。先日ちょっとお腹を壊してまだ本調子じゃない中、ハンバーグをガツガツ

          日記 2023/07/12

          hoshi tsuki yoru

          夏バテになっちゃって脳みそが動かないから、最近作ったプレイリストを載せとく。 ✴︎ 夜は静かで畦道は怖くって。ペットボトルは空っぽなのにコンビニなんか全然なくて、もうどうしようって参ってる。なのにきみは至って冷静だね、腕を真っ直ぐに伸ばして親指で月を、まあるく満ちた月を隠したりしながら、片目瞑って見ているね。こっちはこんなに怖がってるっていうのにさ。夜は怖いし自然は怖いよ、どこかに魔物が潜んでるかも。そんな不安をよそに畦道に座っちゃったよ、きみ。あーあ、泥だらけになっても

          hoshi tsuki yoru

          2023年上半期反省会

          6月30日?明日から7月?今年が半分終わる? 嘘だ、信じられない。私は信じないぞ! ———そうか、たとえ君が信じなくても私は前に進むのみ。ひとりで停滞してウジウジ文句垂れでもしておくがいい。それではさらば。 季節の声が聞こえる。仕方ないから私も2023年の下半期とやらに踏み出さなければならない。そうは言っても、日々は淡々と巡ってしまうけれど楽しみも沢山あるぞ。行きたいところもいっぱいあるぞ。素直に考えれば、漠然とした未来への不安はあれど、明日が来ることを恐れるほどの絶望がな

          2023年上半期反省会

          「久しぶりに寝過ごした」

          久しぶりに寝過ごした 昨日帰りが遅かったから 昨日いっぱい歩いたから 昨日あまりに楽しかったから 楽しかったから、楽しかった? ふくらはぎの疲労感連れてきた 大きな橋渡ってきた 小菅駅は眩しかった 電車撮る自転車ボーイは光っていた ホームで買った水 110円 285ミリリットル ちょっと割高 そんなことどうだっていいこと 河川敷の運動 綺麗な体の動き 遠くから眺めたくて電車で立った窓際 なのに見逃した 見落とした だって、しかたない 耳を奪ったグッドミュージック 言葉が鋭

          「久しぶりに寝過ごした」