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日記 2023/08/30 夏風邪継続編


noteの更新が滞ったまま本当に1ヶ月が経過してしまった。風のように吹き荒んだ1ヶ月だった。タイトルの中に全てが集約されている。私は絶賛夏風邪っぴき継続中なのである。
ことの発端はまだお盆の最中だった。世の中はまだお休みムードに浮ついているころ。外出中に体に違和感を覚え、家に帰って熱を測ってみるとあら、微熱。仕事もあるし友人との予定も残っていたお盆の只中、意地で治してやると覚悟を決め、なけなしの解熱剤と多量のポカリを摂取し、冷えピタにマスクに氷枕という重装備で床につく。いける、治せる、治す。そう思って少し眠ってみると、調子付いたかのようにぐんぐんと熱は上がっていった。

そんなこんなで仕事も休んで3日寝込んで、なんとか出勤できるようになったのはいいものの、私の気分を非常に煩わせる症状が残ってしまった。咳や鼻水も勿論そうだけれど、風邪に誘発されて右耳が中耳炎になってしまったのだ。これがあまりに辛い。右耳がこもってよく聞こえないし、たまに痛むし、音程が少し高くなって鼓膜に響いたりする。接客をしていてお客さんの注文がよく聞こえなくて、見当違いの返答をしてしまうこともザラじゃない。右耳に自分の喋り声が響いて、さながら扇風機に向かって声を発している時のようだったりして、大変不快なのだ。言っちゃうとマジダルい!こんなんが実に2週間も続いて、心底参っている。夏風邪がこんなにタチの悪いやつだったとは。やってられん。(某ウイルス検査は陰性だった)

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風邪の話はこの辺で。上旬の話でも。
7月の終わりから働き続けて、8月の頭に3日連休をもらって旅行をした。中国・四国地方を回るドライブ。広島空港に降り立ち、四国を周って岡山で宿泊、尾道を通って山口に向かい萩という場所に宿泊、最終日は福岡に移動して福岡空港より帰路に着くという、側から見ればとんでもなくやり過ぎな所業である。旅行のメインイベントは折坂悠太さんの弾き語りツアー「らいど」の山口公演。2日目の夜に山口へ向かった。会場となった旧山口県会議事堂は大正期に造られた建物で、古典的な荘厳さと気品を兼ね備えていた。そこに立つ折坂さんの美しさたるや。簡単にお話しできません。開演時間がちょうど夕暮れ時で、窓がたくさんある会場は柔らかな桃色に包まれる。四方から蝉の声が聞こえていた。時間が深くなるにつれて夕闇が空気を覆っていくと、わずかなスポットライトに照らされた折坂さんは月のごとく浮かび、ギターの音色と伸びやかな声が光のように宙を舞った。


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このところ心身の不調(主に身体の不調から来る心の不調であることは明白である)でやりたいこともすべきことも手に付かない日々が続いた。仕事以外はぼうっとしていることが増えたし、眠い、眠いと挨拶のごとく唱えている。部屋も汚い(絶望的!)。そんな日々に一筋の光というか、一輪の花というか、一杯の紅茶のような安らぎを与えてくれているのが、“おみゆ”こと小谷実由さんのポッドキャスト「おみゆの好き蒐集倶楽部」である。ゲストの方やリスナー、時にはおみゆさんご本人の「好き」について深掘りして、好きにまつわる話のあれこれを集めていく番組なのだが、これが本当に深い癒しをくれるのだ。まずそもそも、おみゆさんの声のトーンや話し方がすごく心地いいのに加えて、ゲストの方の話をしっかり引き出すつつ優しさのあるナビゲートに心打たれる。しかも毎回、ゲストの方に合わせておみゆさんがお菓子を用意していて、まずはそれを二人で楽しむところからトークが始まるのだ。菓子折が好きというおみゆさんの“好き”を感じられるのも良いし、お菓子を通してトークが柔らかく解けていく過程を聞くのは心地がいい。パリッ!とかサクッ!という齧りサウンドに食欲もそそられてしまう仕掛けになっている。
“好き”ということはあなたにとってどういうことか、と根本的に人に問うことは思ったより多くない。好きなものが何で、どのように好きで、どれくらい好きで、とその先の話には膨らんでいくことは多いけれど。この番組では、フォーカスは最終的に原点に戻る。“好き”って自分にとってなんだろうということ。その答えは人によって様々だ。そもそも好意的な感情は千差万別で誰一人として同じではなくて、人と比較したり、他人の目を気にしたり、人に意見できるものではない。そういう当たり前のことにふと気付かされる。私も好きなものは色々あるけれど、知識が伴っていないが故に「好きと言える立場ではない」と思ってしまったり、「これが好きなら別のこれも好きじゃないとおかしいかも」と世間の形式を気にしてしまうことがある。別に誰が測るわけでもないのに。なんだか無駄な思い悩みが多い人間になってしまったが、好きなものは清々しく好きでいようと改めて思う近頃だった。


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