「ノスタルジーにビーム」

「懐かし」
 街を散策していると古い記憶が甦るものを見つけた。

 子供の頃、よく遊んでいたゲームセンターのシューティングゲームだ。

 角張った液晶画面とボタンとレバー。

 懐かしさのあまりに僕は導かれるようにゲームセンターに入った。

 早速青色の椅子に座って、百円玉を入れた。

 すると画面が起動して、ドット絵のエイリアン達が次々とあらわれた。

 ゲームがスタートし、手を構える。

 かつての記憶を手繰り寄せて、一つ一つ、エイリアンの攻撃に対処する。

  今のご時世では聞かなくなった独特の機械音と共に次々と迫り来るエイリアンを撃っていく。

 エイリアンを倒していくととてつもない快感が体を突き抜けた。

 しかし、油断した僕はエイリアンに敗北を許してしまった。

「くそっ! もう一回!」
僕は再び、百円玉を入れた。そして、再びエイリアンとの対決を始めた。

 負けるごとに一つまた一つと百円玉を入れていく。

 次第に腕が良くなっていた。いや、幼い頃の僕の感覚に戻ってきていたのだ。

 そして、ついにゲームをクリアすることに成功した。

 気がつくと辺りを夕焼けが赤く染め上げていた。


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