“温度を感知する”義手開発の第一歩
📖 文献情報 と 抄録和訳
上肢切断者における自然な温熱感覚の回復について
[背景・目的] 近年の上肢切断者の義手開発の進歩により、様々なアプローチで触覚の回復が可能であることが分かってきた。しかし、現在の技術では、温熱感覚を回復させることはできない。
[方法-結果] より自然な感覚を上肢切断者に提供するために、残存肢の敏感な部分に熱刺激を与えることで熱感覚を回復させる非侵襲的ウェアラブルデバイスを開発した。これらの感覚は、無傷の手足の感覚と現象的に似ており、時間経過とともに安定していった。このデバイスを使用することで、被験者は熱ファントム・ハンド・マップをうまく利用し、異なる熱刺激を検出・識別することができた。
[結論] 熱感覚の回復は、既存の技術と組み合わせることで、義肢装具使用者に自然に近い体験を提供することに貢献すると考えられる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
近年、人間の構造や機能(それは脳の細部に届くほど)が明らかにされるにつき、それは仕組みをもった機械のような感慨を持たざるを得ない。
一方で、今回のような研究もある。
最初、ギチギチ、カチコチの補装具だったものが、いまや感覚を得つつある。
脳卒中片麻痺患者などから、しばしば聞かれる言葉だ。
最近、あながち冗談に聞こえなくなってきたから、驚く。
人間は機械に近づき、機械は人間に近づいた。
言い換えれば、命と人工物の境界線がぼやけつつある。
あなたは、次の問いにどう答えるだろうか?
命を獲得するか否かが、選択できる時代。
そんな時代にこそ、人間哲学が求められる。
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