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転倒の要因は3つに分類される

📖 文献情報 と 抄録和訳

転倒予防:アドヒアランス、転倒の恐怖、評価、介入

📕Freiberger, Ellen. "Falls prevention: adherence, fear of falling, assessment, and intervention." Journal of aging and physical activity 30.4 (2022): 569-571. https://doi.org/10.1123/japa.2022-0101
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[レビュー概要]

■ 転倒の危険因子は多く確認されており、内在的因子、行動的因子、外在的因子に分類される (📕Rubenstein, 2006 >>> doi.; 📕Todd, 2004 >>> pdf.)

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■ 内在的因子;Intrinsic Factor
・当事者の属性、身体機能、パフォーマンスなど本人に起因する転倒要因
・例えば、過去12ヶ月間の転倒、歩行・バランス障害、筋力の低下である(📕Deandrea, 2010 >>> doi.; 📕Todd, 2004 >>> pdf.)。

■ 行動的因子:Behavioural Factor
・個人の行動、感情、選択を含む
・行動的因子には、転倒歴、転倒への恐怖、栄養・水分補給不足、運動不足、不適切な靴や衣服、複数の薬、特に精神安定剤や抗うつ剤などの精神作用薬の服用が含まれる。
・行動的側面:いくつかの研究では、U 字型の関連、すなわち、最も不活発な人と最も活動的な人が最も転倒のリスクが高いことが示唆されている(📕Gregg, 2015 >>> doi.; 📕Stürzen, 2003 >>> doi.)。
・心理的・感情的側面:転倒恐怖を含む転倒関連心理的懸念(FrPC)、また、その裏返しである自己効力感である

■ 外在的因子:Extrinsic Factor
・環境要因と言い換えることもできる。
・環境因子が高齢者の転倒リスクに与える影響の大きさは不明である。いくつかの研究では、地域在住の高齢者の転倒の30%から50%が環境要因によるものであると報告されており、また、転倒の20%が主要な外部要因(健康な成人であれば誰でも転倒するような要因)によるものであると報告されている(📕Feder, 2000 >>> doi.; 📕Day, 2003 >>> doi.)。
・外在的因子には、以下のようなものがある
 ー 環境上の危険(照明の不備、滑りやすい床、表面の凹凸など)
 ー 履物および衣服
 ー 不適切な歩行補助具や補助装置

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

思考しようとする対象の情報量が膨大な場合、そこに戦略が必要になる。
なぜなら、いっぺんにその全ての情報と対峙すると、情報を処理しきれない状態になるから。
その情報を処理しきれない戦略を「一辺対峙戦略」と呼ぶ。

まず、なぜ「一辺対峙戦略」では情報を処理しきれないのか?
それには、『マジカルナンバー7±2』という概念を理解する必要がある。
ひとが、一度に対峙できる情報量(ワーキングメモリ)は7±2個ほどであるらしい(📕Miller, 1994 >>> doi)。
そのため、一辺に100個の情報が来たとき、その情報を処理しきることは困難になる。

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では、どうしたら良いか。
「ピラミッドストラテジー」を使えばいい。
ピラミッドストラテジーとは、ざっくり言えばフォルダ仕分けである。
例えば、先ほどの100個の情報も類似と包含関係があったりする。
それを整理し、仕分けるのだ。
そうすると、100個の情報が以下のような感じで分けられる。
・4つの大フォルダ→5つずつの中フォルダ→5つずつの小フォルダ
すると、何が起きるか。
まず、大フォルダのことを考える。
そうすると4つしかないから、処理しきれる。
次に、着眼したある1つの大フォルダの下位項目である中フォルダのことを考える。
そうすると5つしかないから、処理しきれる。
同じように小フォルダに着眼しても処理しきれる。
このような感じで、一辺に対峙せず、順々に対峙していくことで思考容量の限界を超えずに処理することができる。

「転倒の要因は?」と聞かれたとき、大小混在したあまりにも多くの要因が明らかにされており、目が回る思いがする。
しかし、今回の論文によって示された3つの区分を用いたらどうだろう。
例えば、「転倒要因→内在的因子→筋力→下腿三頭筋」。
ものすごく、スッキリ整理された。
まず、転倒要因を思い浮かべた際には、3つのフォルダ(内在的、行動的、外在的)が出現し、その下にドメインを整理して行ければ、転倒要因に関する莫大な情報量を処理していけるかもしれない。

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