見出し画像

コラーゲン補給+筋トレで腱の断面積が11%アップ🔺

📖 文献情報 と 抄録和訳

特定のコラーゲンペプチド補給とレジスタンストレーニングの併用がアキレス腱の特性に及ぼす影響

📕Jerger, Simon, et al. "Effects of specific collagen peptide supplementation combined with resistance training on Achilles tendon properties." Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports (2022). https://doi.org/10.1111/sms.14164
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Connected Papers
✅ 前提知識:腱の断面積に関するミニレビュー
- 腱の断面積(cross-sectional area: CSA)を正確に評価することは、ヤング率、応力、弾性率、エネルギー密度などの生体力学的特性を推定するための重要な前提である(📕Ge, 2020 >>> doi.)
- 腱は弾性体であり、張力が作用すると伸張し、その伸張量は腱の断面積と長さに依存する(📕Benedict, 1968 >>> doi.)
- 高強度運動の14週間の介入後、アキレス腱の部位特異的肥大を見出した(📕Arampatzis, 2007 >>> doi.)

[背景・目的] 本研究の目的は、特定コラーゲンペプチド(SCP)とレジスタンストレーニング(RT)の併用が、腱と筋の特性の変化に及ぼす影響について調査することであった。

[方法] 無作為化プラセボ対照試験において、40名の健康な男性ボランティア(年齢:26.3±4.0歳)が、14週間の高負荷レジスタンストレーニングプログラムを完了した。一方のグループには5gのSCPを毎日投与し、もう一方のグループには5gのプラセボ(PLA)サプリメントを投与した。アキレス腱の断面積(CSA)、腱の剛性、筋力、および足底屈筋の厚さの変化を測定した。

スクリーンショット 2022-07-17 6.52.08

✅ 図1. 遠位25%のアキレス腱の超音波スキャン(A)。ImageJによるCSAの手動解析(B)

[結果] SCPの補給により 、PLAグループ(+ 4.7%)と比較して腱CSA(+ 11.0%)が大幅に( p = 0.002)増加した。さらに、統計解析の結果、SCP群では、PLA群(+2.7%)と比較して、有意に(p = 0.014)筋厚が増加した。最後に、腱の硬さと筋力は両群で増加したが、群間の統計的な差はなかった。

スクリーンショット 2022-07-17 6.53.54

✅ 図2. 14週間の筋力トレーニングの前後(後)の腓腹筋の断面積(A)、アキレス腱の硬さ(B)、最大随意トルク(C)、および腓腹筋の筋厚(D)の平均値介入。白い長方形=プラセボグループ、灰色の長方形=特定のコラーゲンペプチドグループ。直線は個々のケースを表します。 *は、特定のコラーゲンペプチドグループに有利な有意な時間×グループの相互作用(p <0.05)を示します

[結論] 本研究は、若い身体活動的な男性において、特定のコラーゲンペプチドをRTと組み合わせて補給することは、RT単独よりも腱および筋肉構造の肥大化に関連することを示している。これらの効果は、日常活動中の腱のストレス(負荷のかかる構造物へのコラーゲンの沈着)を軽減する役割を果たすかもしれない。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

「Stretch Shortening Cycle: SSC」という言葉がある。
SSCとは、「主動作前に逆方向に素早く予備伸長(反動)を加えることで、主動作のパフォーマンスが向上する」というもの。
バレースパイクの踏み切り、走り幅跳びの踏み切り、バスケットのダンクやリバウンドにいくときの踏み切り。
スプリンターの一歩一歩の蹴り出し、サッカーの切り返し。
野球のピッチングにおけるしなり(主に上半身だが)。
『すべての』と言えるほど、スポーツ動作にはSSCが強く関わっている。
最大筋力だけがパフォーマンスにとってものをいうのであれば、すべてのアスリートがボディビルダーになった方がいい。だが、そうではない。
最大筋力とは違ったパフォーマンスの方向性がある。
その1つが、SSC能力、身体のバネ機能だ。

そのSSCを構成する要因の1つが「腱の力学的特性」であり、腱の断面積はその力学的特性に影響する重要な1つの指標だ。
たとえば、1本の輪ゴムと5本の輪ゴムでは、引っ張られたときに同じではないだろう。
そこまで単純ではないにしても、腱の太さは大事な指標の1つ。
その腱の断面積が、筋トレによりアップする。
さらに、コラーゲンペプチドの補給が追い風を吹かす事が明らかとなった。
「11%」大きくなる、というのはインパクトの大きい数字だ。

早速、コラーゲン購入してみた。
コラーゲン摂取の注意点・ポイントは、以下のようなものだという。

✅ コラーゲンサプリ摂取の注意点・ポイント
(1)適量を守る。
(2)コラーゲンの働きを助けるビタミンCを一緒に摂取する。
(3)紫外線を受けて壊れた皮膚のコラーゲンを再生するプロリンという成分が含まれる「緑茶、チーズ、トマト、昆布、卵、鶏肉」などと一緒に摂取する。
(4)寝る前にコラーゲンを生み出すアミノ酸を摂取する。
🌍 参考サイト >>> site.

肌ツヤ、よくなったりして笑。

⬇︎ 関連 note✨

○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
良質なリハ医学関連・英論文抄読『アリ:ARI』
こちらから♪
↓↓↓

【あり】最後のイラスト

‥ ‥ ‥ ‥・・・━━━━━━━━━━━●○

#️⃣ #理学療法 #臨床研究 #研究 #リハビリテーション #英論文 #文献抄読 #英文抄読 #エビデンス #サイエンス #毎日更新 #最近の学び

この記事が参加している募集

最近の学び