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速筋は熱で強くなり、遅筋は寒冷耐性が強い
📖 文献情報 と 抄録和訳
ラット腓腹筋内側部の運動単位の収縮特性に及ぼす温度の影響
📕Malak, Bartosz, Jan Celichowski, and Hanna Drzymała-Celichowska. "The Influence of Temperature on Contractile Properties of Motor Units in Rat Medial Gastrocnemius." Journal of Electromyography and Kinesiology (2022): 102738. https://doi.org/10.1016/j.jelekin.2022.102738
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[背景・目的] 哺乳類の骨格筋機能に対する低体温および高体温の影響はこれまでにも報告されている。しかし、異なるタイプの運動単位(motor unit, MU)の収縮特性に対するそれらの影響については記載されていない。本研究では、25℃(低体温)、37℃(常温)、41℃(高温)に保たれたラット内側腓腹筋のMUの収縮特性に対する温度の影響を調べることを目的とした。
[方法-結果] 低体温は、すべてのタイプのMUの強縮時間パラメータを延長し、力-周波数曲線の急峻な部分を低周波数側にシフトさせ、その急峻さを増加させた。さらに、低体温は、遅筋(slow-twitch, S)MUの筋力発揮速度を低下させたが、強縮力は低下させなかった。さらに、速筋疲労性(fast-twitch fatigable, FF)MUの強縮力を減少させた。一方、高体温は強縮時間特性および力-周波数関係に逆の影響を及ぼした。強縮時間比はFFおよびFR MUで減少し、力-周波数曲線の急峻な部分は高周波数側にシフトし、急峻さが減少した。
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[結論]この結果から、FF-MUは温度に対して最も感受性が高く、S-MUは最も感受性が低いことが示された。さらに、運動ニューロン発火頻度の変化を伴う力制御過程は、速筋MU、特にFF-MUで根本的に変化した。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
体育の授業を思い出した。
夏には短距離走を、冬にはマラソンをした。
「なんで、冬に一番きついマラソンなんですか」
と思っていたが、理にかなっているようだ。
本研究によって、以下のことが示された。
遅筋は、寒さに屈しない。
一方で、暑さによるパフォーマンス変化も少なめ。
速筋は、暑さによってのパフォーマンス向上が大きい。
頭寒足熱、という言葉がある。
昔から、足元を暖かく、頭は冷やしておくことがいいといわれていて、それを示した言葉だ。
何を熱し、何を冷やすのか。
それによって何が期待できるのか。
✅ 理学療法とは?
理学療法とは病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。
温熱は、僕たちの専門領域のど真ん中ストライクだ。
どこの温度を、上げ下げするとどうなるか、そこは熟知しておきたい。
📕速筋は熱で強くなり,遅筋は寒冷耐性が強い
— 理学療法士_海津陽一 Ph.D. (@copellist) January 4, 2023
・25℃/37℃/41℃の3条件
・ラットの腓腹筋の収縮特性を調査
🔹高体温:疲労試験, 速筋の力発揮を増大 (遅筋は変化少)
🔹低体温:遅筋の力発揮速度が低下, 力発揮は変化なし
筋線維の種類によって『温度感受性』が異なるのですね😲#遅筋 #速筋 #温度 pic.twitter.com/bdZ1cwgnDU
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