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繰り返して大人になっていく。

我が家は夕ご飯後にNetflixでアニメを観る習慣があります。
Netflixで最新のアニメを見て次回配信まで待てない!となってしまったら、3日後にはその原作漫画が家に届くシステムもあり。(夫の仕業です)

私の漫画好きは、フィリピンから帰国してすぐ。
1年だけフィリピンにいただけなのに、日本語をすっかり忘れていて、日本の小学校(2年生で転入という形)に入る前に、自宅でひらがな、カタカナ、漢字の勉強をしていたけれど、なかなか覚えられなくて。
そんな中、母は日本の漫画を読んだら日本語を思い出せるのでは?というアイデアで、私たち姉弟に漫画雑誌(当時私はりぼん、弟はジャンプ)を買ってくれて、漫画で日本語を思い出そう計画は大ヒット。
半年ほどで英語やタガログ語ではなくて、日本語で話したり日本語が読めるようになりました。
(今では英語とタガログ語は全く喋れなくなってしまいました)

中でも小学校からずっと好きな漫画、「フルーツバスケット」がこの間アニメで最終回を迎えたのでご紹介。

フルールバスケットのざっくりなあらすじ

高校生の本田透は、唯一の家族だった母親を亡くしてから一人でテント暮らしをしていた。ところが、テントを張ったその場所は由緒正しい『草摩家』の敷地内だった。
草摩紫呉に家事の腕を買われた透は、学校の王子様的存在の草摩由希、そして由希を敵視する草摩夾と一緒に住むことに。
しかし、透はまだ知らない。『草摩家』が何百年も前からある呪いに縛られていることを……。
居候初日、透は草摩一族の秘密を知ってしまう。彼らは代々十二支の物の怪憑きで、異性に抱きつかれると憑かれた獣に変身してしまうという体質だった。

原作漫画も揃えていて、話の内容はわかっているのに、毎回夕ご飯後アニメを見てると必ず泣く。
ストーリーは学園ラブコメと称されますが、親と子の問題や兄弟の問題、人間関係、いじめなどにも焦点を当てていて、人間の内面的な優しやや人間の心の成長などに深くフォーカスしています。
主人公の透が草摩の人々の傷を癒していく過程や登場人物の心理的描写がとても素敵なんです。
一話一話とてもあたたかくて優しいお話です。

中でも一番心に残っていているのは、主人公の透が将来の不安で押しつぶされそうになっている時に、紫呉が透にかけた言葉は、時折思い出して自分に言い聞かせたり、夫と話したりしています。

たとえば透君が山のような それはもう足許まで溜って身動きできないほどの洗濯物に囲まれてしまったとしましょう?
しかも洗濯機がなくて 一枚一枚手で洗わなきゃいけない
透君は途方に暮れる
本当に全部洗濯できるかな キレイにできるかな
満足のいく結果を自分はちゃんと出せるのかなって
考える度 不安になってくる
けれど時間は刻々と過ぎていく
さて透君はどうするべきか
…とりあえず足許にあるものから 
洗濯してみるといいかもね 
先を気にするのも大切だけど先ばかり見てると
足許の洗濯物に足がからまって転んじゃうでしょう?
『今』や『今日』何ができるか考えるのも大切
そうやって一枚一枚洗っていけば 
なんだか あっけないくらいにアッサリと
お天道さまがのぞいたりするものだから
不安はそれでもこみあげてきたりするけど
そういう時は ちょっと一休みするんだよ
本を読んだり TVを観たり みんなで素麺食べたりしてね

先を見据えることは大切だけれど、そればかりだと足元を掬われて立てなくなってしまうときもあります。
将来が不安でやらなきゃいけないことが多すぎて進めなくなった時、少し疲れてしまった時は、我が家は素麺ではないけど、コーヒーとお菓子をつまむお茶タイムを設けるようにしています。
少し休むことで頭の切り替えになるし、夫と二人で他愛もない話をするのは楽しいし、次もがんばろうという気持ちが湧いてきます。

フルーツバスケットは小さな私に色々なものを教えてくれました。
出てくる言葉たちは私を前向きに軌道修正してくれるし、良い・悪いと他人をすぐに断定してしまうのではなく、人のことを平面的に考えるのではなくて、多面的に受け取るということも教えてくれました。

透のお母さん、今日子さんの言葉もとても好きです。

「疑うなんて誰にでもできる簡単なことだし 透は信じてあげな 透は信じてあげられる子になりな」
「 それはきっと誰かの力になる」

子どもが生まれたらそっと家の本棚に忍ばせて、いつか読んでくれたらいいなぁと思う作品です。

アナザーも良かった!前作の登場人物たちが結婚して、その子どもたちが出てくるのはファンにとってとても嬉しい。
前回は草摩家の人々が透に救われる形だったけれど、今度は草摩家が救う形がよかったなぁ。


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