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漫画みたいな毎日。「いつだって、絆創膏があれば。」

4歳になる末娘は、絆創膏が好きだ。

指のささくれにも
転んで擦りむいた傷にも
知らないうちにできた切り傷にも
ぶつけて痛い場所にも
彼女は絆創膏を貼る。

私の指先が切れたり
料理中に「熱っ」と声を上げたり
何処かに足をぶつけて「イタタタツ!」と言ったときも
末娘は、いち早く絆創膏を手に現れる。

「痛くしたの?これ貼ったら治るよ。」

そんな彼女が愛おしくて
傷になっていなくても
私は絆創膏を貼ってもらう。

「お~!もう治った!ありがとう!」

「でしょ?絆創膏貼ったらすぐ治っちゃうから!」

彼女はリュックにも絆創膏を常備している。
小さなポシェットにも。
小さな手提げにも。


〈大容量100枚入り〉

そうかかれた絆創膏の箱の中身は、あっという間に空になる。

大人からみれば、

「そのくらいの傷、絆創膏を貼らなくても大丈夫なんじゃない?」

そう思う傷でも、その言葉は言ってはならないと思っている。

転んで泣いている子に「そのくらい大丈夫!」というのと似ている。

転んだ痛みは、その子だけのもの。

「痛い」という感覚も、感情も、その子が抱きしめている大事なもの。

「痛かった」という、その感覚をそのまま受け入れたい。


〈私にとっては大丈夫でも、あなたがそう感じるとは限らない〉

そのことを
子どもたちに対して
他の人に対して
忘れないようにしよう。

いつも自分に言い聞かせる。

何にしても、
今、彼女の中で、絆創膏が必要なのだ。

絆創膏はなんでも治すことができる魔法のアイテム。

気が済むまで貼ればいい。
たくさん、たくさん、貼ったらいい。

〈絆創膏を貼れば、なんでも治る。これで私は、大丈夫。〉

彼女が、そう思っていることが大事だと思うから。

もう少し大きくなったら、きっと、絆創膏に替わる何かが、
彼女の中で、「もう大丈夫」と言ってくれると思うから。

私は、今までも、これからも、どんなことが起きても、
「あなたは、大丈夫」と思いながら、近くや遠くで、眺めているから。


「また沢山入ったの、買ってこないとね。」


あっという間に空になりかけている絆創膏の箱を見て驚いた夫は、
やや苦笑いしつつ、スマホの買い物リストに〈絆創膏〉と加えていた。


絆創膏の魔法を使いこなす末娘。


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