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昔から、好きなものは最初に食べてしまう女だった


suuです。近況報告を兼ねてゆるりとお話しをしたくて。いろいろな当たり前が損なわれすぎて、SF映画の世界のようなニュースが飛び交う今日この頃。みなさんお元気ですか。




昨日Twitterで呟いた内容は、わたしの最近の1番の悩みというか、克服しなければならない社会人最初の壁である。

【早起きの継続】である。

わたしは言わずもがな早起きが苦手だ。ついでに言うなら、世の中の「早起きが正しく、夜遅くまで起きている事は悪」のような考え方にもいまいち賛同し兼ねる。そんな私がこの考え方に勝手に付けた落とし前は【義務教育において】という枕詞をつける事だった。

【義務教育において】「早起きは正しく、夜更かしは悪である」

これなら理解できる。成長過程に必要な睡眠と自分で生活リズムをコントロールできない子どもに対しての言葉。飛んだ屁理屈をと思う方もいるとは思うのだが、とにかくそれくらい、わたしは早起きが不得意かつ好きではない。


加えてわたしはほんとうに働くことが嫌いなタイプらしい。

もちろん誰だって基本的には働きたくはないとは思う(仕事好き!って言葉も聞くには聞くけれどわたしはシンプルにお布団で寝ている方が何倍も好きだ)。それもめちゃくちゃにがんばって週4日が限界。就活の時にわたしはやりたかった仕事に就くことができなかったので(別記事参照)、以前から住みたかったとある街に住める条件を明確化し、その条件に当てはまる職業を選んだ。


シフト制である事はその条件のうちの一つだった。

自分でも救いようがないとは思うのだが、すぐ手の届く範囲にご褒美がないとエンジン切れして全く走れなくなってしまう。「忍耐」「継続」という言葉はほんとうにわたしが苦手な二つである。ハイリスクハイリターンでも楽に大きな利益を得たい、そしてなるべく休みたいと思ってしまう。


思い返せば、昔から、好きなものは最初に食べてしまう女だった。後にとっておく、ということができない。これに関してはおばあちゃんが「次の瞬間に災害でも起こったら食べられなくなるから好きなものは先に食べとくんよ!」と忠言してくれたことも幼心に大きいかもしれないが(笑)


たぶん、根本的に「なんとかなるだろう、ならなかったらそのときはそのとき」という楽観的な思考が存在しているのだが、これによって今までのだいぶリスキーなゲームのような人生は支えられ、また言い方を変えれば、作り上げられてしまってきたのだろう。


朝早く起きて働くも、夜中の90分で一攫千金を狙うも、本人さえ良ければ何でもありだ。ただ同じ人間でも、社会人になると、よりライフスタイルの選択に差が出るところに面白さを感じた。


ライフスタイルについて、もう少し広い視点でもう一つ。


4月の頭から、新卒の合同研修と称してとある田舎の県に1週間滞在していた。わたしの会社はその県と東京都に支店を構えていて、土地は離れていても同じ新卒同士の交流を深めることが目的だったのだと思う。

田舎と一概に言ってもかなりばらつきが出ると思うが、今回の研修先は島だった。街を囲む緑と海が美しい土地だった。島の方はフェリーに乗って近くの本土に買い物にくる。言葉もかなり違ったし、ここまで生活が違う同い年くらいの子と交流するのは初めてだった。

最初はお互いにどこか遠慮していたが、さすがに1週間も寝食をともにすると相手との距離も自ずと縮まった。

わたしは東京で生まれ、東京で育った。だから何というつもりは全くないし、家が特別裕福なわけでもなかったから、ただ家が東京にあっただけの普通の学生だ。だが、例えばなにかイベントに行く時に「距離に阻まれる」という経験はほとんどなかった。気になる音楽や映画はすぐに電車で10分の隣町まで行けば見ることができたし、同じような趣味に興味を持っている友達も誰かしらいた。

だから「同じ県内の1番近いライブハウスまで2時間かかる」という言葉を聞いた時に正直驚いた。昔何かで「エンタメ格差」という言葉を聞いたことがある。都市と地方とでエンターテイメントの供給に格差があるという意味の言葉だが、インターネットがここまで普及した時代においてもやっぱりまだまだ事実エンタメ格差は存在している。加えて、これは東京に限ったことではなく大阪や名古屋などの都市にも共通することであると思うが、数年後最終的には都市に出たいと希望する子や中には今回の就職で都市圏内に行ってしまった恋人と遠距離になってしまった子の話を聞いていて「ここには何もないからなあ」と朗らかに笑う同期を見て少し胸が痛くなった。


でもたぶん、実際のところ、彼や彼女たちの中で、数年後ほんとうに東京勤務を希望するメンバーはほんと一握りだと思う。

これはほんとうにその場の統計でたまたまかもしれないが、10人以上いる地方メンバーの半数以上にもう3年以上付き合っている地元の恋人がいた。東京メンバーは長い子で2年、そのほかは恋人がいないものも含めてバラバラだった。

「えっすごい!長いね」の回答に「地域柄この先多くの人に出会えるわけでもないからみんな慎重なんよ」と返された時に、ああでもこの人たちはすごく幸せそうだなと心底感じた。幼い頃に読んだ、童話『田舎のねずみと都会のねずみ』という物語の教訓は「人の幸せのかたちは人それぞれ」であった。わたしがここで生まれて、ここでコミュニティを形成し20年と少し生きていたら果たして東京に出ようと思っただろうか。愛する家族や恋人、友人を残してまで東京に何かを探しに出てこようと思うのだろうか(それこそ仕事でという選択肢も大いにあるとは思うが)。


今までなんとなく、学生のレールに乗って1年生が6年生になって、その流れで大学生活が終わっていったが、わたしは、どうやら人生を選んでここに立っているらしい。その最初の分岐点が新卒での就職であった。

今は住みたい街に住み続けるべくお金のために働いている。だから次こそやりたいことを仕事にしたいわたしは、きっと数年後今の職場を離れるような気がする(新入社員の身分でこんなことを言うのは申し訳ないが)。キャリアや企業の名前で就活を進める友人が多かった中、わたしの就職活動はかなり異様ではあったけど(極論一人暮らしができて今の街に住めれば職はなんでもよかった)どうやらわたしはわたしで自分の人生に必要なものを選んできたらしい。


生まれた土地も背景も大切にしたいものも違う人たちが、みんなで協力してお金を稼ぐって、実はとってもとっても難しいことなのではないだろうか。




働く大人はみんな偉い。


同志たちよ。明日も早起き頑張りましょう。


2020.4.10

suu

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