見出し画像

毎日がジェットコースター。“ツレうつ”で症状との付き合い方を学ぶ│#15

うつ状態になると、たった1日のあいだでも大きな気分の浮き沈みがあります。
お昼まではなんともなかったのに、夕方になると急に不安が襲ってきて号泣してしまう……ということがたびたびありました。

いちばん困るのは、一緒に暮らしている家族だとおもいます。
さっきまで平気そうにしていたのに、急に「消えたい」と泣き出すものだから、ぎょっとして距離の取り方が分からなくなってしまうだろうなと。

わたし自身も、「このジェットコースターのような情緒不安定さとどう付き合ったらいいものか」と悩んでいたのですが、一本の映画と出会ってから徐々に症状との付き合い方が見えてきました。


うつの全体像を把握できる『ツレがうつになりまして。』

“ツレうつ”は、コミックエッセーを実写化した宮崎あおいさんと堺雅人さん主演の映画です。

わたしのメンタルは夜になるにつれて落ち込む傾向があったので、気を紛らわすために映画を観るようにしていたのですが、TSUTAYAでふと目にとまったのがこの作品でした。


うつが悪化していく過程や、サポートする家族の心境がリアルでかなり感情移入をしてしまうので
もしかしたら、渦中にいらっしゃる当事者の方は観ないほうがいいかもしれないのですが……。
(ほのぼのテイストで描かれてはいるものの、号泣で心臓ばくばく、気持ち悪くなりながらラストを見届けました笑)

「いま自分は地図上のどの位置にいて、この先にどんなことが待っているのか?」ということが分かるので、うつと上手に付き合うための参考資料になるとおもいます。


3つの期間を乗り越える

うつは1日の気分の変動だけでなく、回復の過程にもさまざまな波があります。症状は人それぞれですが、大きく3つの期間に分かれると言われています。

・急性期→1ヶ月〜3ヶ月
・回復期→4ヶ月〜6ヶ月
・再発予防期→1年〜

「はじめの急性期がいちばん怖いのでは?」と考えていたのですが、この時期は体力も気力もないので自ら命を絶つようなことはできず

むしろ、すこしずつ元気になってきて、思考がはたらき意欲がわいてくる回復期こそ注意が必要になるということを知りました。


完治ではなく、寛解が待っている

また、うつの治療は「完治」ではなく「寛解」を目指すのだということも、この映画を通して学びました。

どうしても「元気だったあの頃の自分に戻りたい!」という気持ちが先走ってしまいますが、そもそも、それまでの在り方に無理があったからこそうつ症状が出ているので。

完治=元に戻る
ではなくて、
寛解=あたらしい在り方に立つ
なのですね。

このマガジンにつけたタイトルのように、「過去の自分と仲直りをしながらあたらしい道を探す」ことが大切なんじゃないかなと思います。


1日のなかで、体調や気分にどんな変化があるのか。そして、1年を通してどのようなリズムがあるのか。
これを知っておくだけでも、無意識のうちにうつに対して抱いてしまう、得体の知れない怖さや抵抗が和らぐのではと感じています。

たいへん励みになります!心のなかでスキップをしつつ、チョコとアイスを美味しくいただきます!