時代を繋ぐクライマー小林由佳さん/4days to 彼女たちの山
【4days to 彼女たちの山】
2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。
出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します。
スポーツクライミングの項に、小林由佳さんに登場いただきました。スポーツクライミングという言葉ではくくれないクライマーでいらっしゃいますね。
由佳さんをインタビューすると決めたのは、中根穂高さん=ジャックのアドバイスがあったからです。
日頃から原稿に行き詰まったり、方向性が見いだせなくなった時、色んな人に相談します。仕事の仲間、友人。メッセを入れたり、電話したり、電話の挙句「今から、行っていい?」と押しかけたり。私一人の経験や知識はちっぽけで、こうやって周囲に協力を仰いで、本や記事が出来上がり、おかげ様で私自身の経験も少しずつ積み重なっていきます。
ある日、ジャックが勤務する目白のクライミングとテレマークスキーのプロショップ・カラファテへ行きました。
接客や営業の訪問の合間、立ち話でジャックに相談し、由佳さんのインタビューを決めました。昭和の終わりから平成へと、由佳さんがクライミングの世界をブリッジしていると感じたからです。
その時のことを、由佳さんもFacebookに書いてくださいました。
由佳さんの師匠である宮崎秀夫さんにもご登場いただきました。
由佳さんのクライミングの原点、その時から伴走しているクライマーです。
実は私は、由佳さんの初の小川山のとき、その場に居合わせています。お父さんと姉の真秀さんとやってきて、マラ岩の川上小唄を登りました。小学2年生だったそうです。
あの時も宮崎さんが一緒で、私は宮崎さんやジャックと同じJMCCの木田研さんと登っていたので、小林姉妹に会うことができました。あれ、松浦くんもいたかな。
けっして難しくなく短いルートだけれど、あの時の身長で巧みに登るなあという印象でした。マラ岩のてっぺんから景色を眺めて喜んでいる様子でした。
私が一方的に覚えている出会いですが、以来ずっと由佳さんのクライミングを遠くから眺めていました。由佳さんにとって、小川山との出会いが、クライミングにのめりこむきっかけだったと聞き、嬉しかったです。
今回初めてインタビューをし、とても聡明で、しっかりとした人間性をもつクライマーでいらっしゃるのだと、感服しました。
由佳さんのこれまでの歩みは、時代と符合していくような話でもありました。
由佳さんがいまでも「越えられない」という木村理恵さんや南裏保恵さんの話も出てきました。
ところで、現在発売中の『ROCK&SNOW』の表紙は由佳さんですね。
ご自身のSNSでも、ロクスノの紹介をしています。
由佳さんのクライミングのスタートであり、いまでも所属しているJMCC(ジャパン・モダン・クライマーズ・クラブ)が開拓した岩場・白河エリア(福島県)の記事についても触れていて、最後に「大事に登ってねー☺︎」って書いてあったのが印象的でした。由佳さんのハートフルな声が聞こえてきそうです。
『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(山と溪谷社、3/14発売)
https://www.yamakei.co.jp/products/2821172050.html
小林由佳 → Facebook
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クライミングコンペ戦歴
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