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インドネシア滞在記①

こちらの記事の続きになります。
読んでいただいてる前提で書いてますので、よろしければこちらからご覧ください。



バリの島民は「歳上を敬う(年功序列)」と「弱者に優しく」の精神で生活をしています。

が、同じインドネシアという国でも、島が違えばこの精神が全く違います。

例えば、首都のジャカルタがある島では、ヒエラルキーのトップは「お金持ち」や「大企業に勤めている」です。

バリ島民は他の島民と違って、福祉の精神が根付いています。
しかし、それがあまりに当たり前の事の為、福祉がビジネスになってないんですね。


福祉がビジネスになっていないというのは一見理想のように見えますが、そうでは無い側面もあります。

周り全員に余裕が無くなれば、サービスが無くなる事を意味します。
また「せっかくしてあげたのに」が出てしまう可能性もありますし、相手が望んで無い事をやる可能性もあります。
少し極端ですが、被災地に千羽鶴送って喜ばれなかったら怒る…とか。

福祉の精神が根付いているけど、まだビジネスになっていない…超少子高齢化の日本の救世主となる可能性を秘めているのが、このバリ島なんです。


そこで、私が今回の視察で一番魅力に感じたビジネスは、日本語学校関連事業です。

人材を確保したい日本の企業が日本語学校にお金を出して、インドネシア人への日本語教育と業種別の勉強を行う…というものです。

これは日本とインドネシアとの国家間の取決めで、日本語と仕事を学んだインドネシア人を5年間雇用できる制度の元に行われる事業になります。
16業種に対応しているのですが、ハッキリ言ってまだまだ制度がイマイチで、ちゃんと機能しているとは言い難い状態です。

例えば、日本語学校で日本語とタクシー業界の勉強をしたインドネシア人が、タクシー運転手として来日します。
しかし、日本でタクシー運転手として働く為には、日本で日本語の2種免許試験に合格する必要があります。

タクシー業界が解禁されたのは最近ですが、そんな状態で誰がきてくれるのでしょうか?
どこのタクシー会社が手を挙げるのでしょうか?

また、学校の質にも問題があります。
本来、学校側の利益は、日本企業へ請求する分のみとなるのですが、残念な事に生徒となるインドネシア人からもお金を取っている学校があります。
しかし、それは禁止されてはいるのでハッキリとお金を請求する訳ではなく

「学校にお金を借りた」

という事にして、日本で仕事をして得られる給料の一部を返済に宛させる…という何とも酷い事をしている学校が存在するのです。

そんな状態でも「日本で働きたい」と希望する若者は多くおり、借金という条件を呑んで必死に勉強し、来日するのです。

しかし、給料から引かれる金額がそこそこ大きくなり、逃げてしまう…という事が現実起こっています。

働きに来たインドネシア人と、教育費を出して雇用した日本企業が泣きを見て、インドネシアの日本語学校だけが笑っている…なんて状況が多くあるのです。

当たり前ですが、まともな学校もたくさんあります。が、こういう酷い所もあるのです。



そこで弊社では、バリに日本語学校を作り、障害福祉事業(グループホームの夜勤者)に特化した人材育成をする事を決めました。

今まで何度か記事にしていますが、弊社は全国各地に多くのグループホームがありますし、弊社の受講生さんが経営されているホームも全国に数多くあります。

今後日本の労働人口は、確実にすごいスピードで減っていきます。
障害・介護福祉業界は、現在ですら働き手が少なく避けられがちな業界なんですから、人手不足になることは火を見るより明らかです。

実はこの日本語学校ビジネスは数年前から構想はあったのですが、コロナの影響で頓挫してしまっていました。
今回、それが再び動き出したのです。

外国人を雇用する事に、不安を感じる方もいらっしゃると思います。が、ハッキリ言って、日本人だから安心出来る…なんて経営者を経験した私からしたら思えません。

以前私のホームで、日本人の夜勤の方に、マスク・トイレットペーパー・ティッシュペーパー・お米なんかを盗まれてた事がありますので(笑)

まぁそれでも、いきなり外国人雇用は不安だと思います。

そこで、以前から交流のあった「まともな」日本語学校に協力してもらい、弊社のホームのやり方に特化した教育を30名程に試してもらっています。
お客さんを取る前に、まずは自分達で実践です。来月の頭には1人目となる男性(20代後半)が、5年間弊社のグループホームで夜勤をしてくれる事になっています。

今回、その面接に私も参加したのですが、緊張しながらも割としっかりとした日本語で受け答えをしてくれました。
ちなみにその男性の彼女さんは、ひと足先に弊社とは別の介護施設で働いている為、彼は早く日本に行きたくてたまらない様子でした(笑)



このビジネスのネックは、5年で帰国する、という点です。
新たな人員がその都度確保出来るので、日本起業側はそこまで大きく困らないのですが、問題はインドネシア人側にあります。

「5年後何すんの?」

例えば、福祉関連であれば、日本で介護福祉士の資格を5年以内に取得すれば、本人が望めば延長が可能です。
しかしそれには、タクシーの2種免許同様に、日本語で書かれた介護福祉士の試験に合格しなければいけません。

さらに、試験を受けれるのは3年目以降となっている為、実質チャンスは2回しかありません。

そんな彼らが、5年後にインドネシアに帰国した際、就職先はあるのでしょうか?
もちろん、日本語が出来るのでそれを活かした就職をする事が可能ですから、母国語しか出来ない方達に比べたら安心感はあるでしょう。

しかし、日本語が出来るという事が武器になる程、減っている日本人がバリ旅行出来るでしょうか?


そこで、5年以内にインドネシアで訪問介護施設を作ります。

これなら、日本に来てくれた方達は、帰国した後の就職先の心配する必要はありません。
日本で安心して5年間働いてもらえますし、5年後の就職先の用意もある、魅力のある学校になりそうです。

私がどう関わるのかというと、日本の福祉企業に、弊社の日本語学校を紹介する営業マンですね。

さらに続きがあるのですが、長くなってしまったので今日はここまで(笑)

BtoBの内容なので皆さんには直接的に関係無いかもしれませんが、お仕事で障害福祉に関わっておられる方とは、ひょっとしたらご縁があるかもしれませんね!


グループホームをやっている社長さんで、奥様が外国籍の方がいらっしゃるのですが、その奥様は日本語が話せないんですね。

ですが、ホームの利用者さんと一番仲良くされているのが、その奥様です。

正直、お互い何言ってるのかさっぱりわからないんですけど(笑)、そのホームはみんな笑顔で、笑いに溢れています。

言葉って仕事をする上では必要なんですけど…支援に必要なのは心なんだなって気付かされますね。


二人の障害児の父
すけじろう

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