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23歳が倒産寸前の会社を立て直した話 第1話 #プロローグ

初めまして。杉山やすたかと申します。

私はとある地方で小さな会社を経営している28歳です。23歳の時に倒産寸前だった父の会社を継いで立て直し、現在では従業員5名を抱え年商1億円前後のそれなりの会社に成長させることができました。しかし、その道のりは決して平たんな道ではありませんでした。

ここで私のいままでの体験談をみなさんのビジネスライフに少しでも役立てばと思いストーリー形式で連載していきたいと思います。壁にぶつかったときどのように切り抜けてきたか具体的な方法も書いていきますので何卒よろしくお願いいたします。

きっかけは母からの「お金貸して」

私は5年前まで医療従事者として地域の総合病院に勤めていました。高校卒業後、都内の医療系四年制大学に進学し卒業時に国家資格を取得、地元に帰る形でいわゆるUターン就職をしました。

就職後は実家から勤め先の病院に通い、いずれは一人暮らしをしようなんて考えて就職から半年が経過したころある事件が起きました。

休日で特に用事もなく実家のリビングでゴロゴロしていた私に母が突然、神妙な面持ちで「話がある」と声をかけました。そんな母の表情を見たことがなかった私は過去の自分の悪事が走馬灯のように脳裏を駆け巡り「一体どれがバレたんだ」と戦々恐々としたのを覚えています。

するとゆっくりと口を開いた母が放ったのは「50万円貸してくれないか」という言葉でした。

消費税が支払えない

突然のこと過ぎて状況を理解できない私は母に理由を問いました。すると「父の経営する会社の消費税を支払うことができない」との返答でした。

経営のことなどさっぱりわからなかった私はおそらく家業の一大事だと察し、なけなしの貯金をほぼすべて母に渡しました。

会社を経営している方や経理を担当されている方はご存じかと思いますが消費者が支払う代金には消費税が含まれており、会社側は消費者から一時的に消費税を「預かっている」という状態になります。その後、会社は一定期間ごとに国に消費者から「預かった」消費税を支払います。

すなわち、消費税が支払えないという状況はお客様から預かった消費税を使い込んでしまったということになるのです。

ずさんな経営管理状況

私は母に半年間でためた貯金を手渡しながら恐る恐る「そんなに経営が苦しいの?」と問いました。

すると、「なぜこうなったのかわからない。」というのです。一応、一社会人として働いている私としては、そんなはずはないと思い帳簿や収支報告書を見せてほしいと求めると母から返ってきたのは驚きの一言でした。

「そんなものはない。」

私の実家は私が物心ついたころから父が個人事業主として会社を経営してきました。決して裕福な家庭とは言えませんが人並みに不自由しない暮らしをさせてもらった記憶があります。

しかし、そんな少なくとも20年くらいは続いてきた会社がまともな帳簿も収支報告書もないのです。月の売上や経費、利益がいくらなのかさえわからないのです。

毎年の確定申告の時期になるとその年の領収書や請求書をまとめて古くから付き合いがある税理士に送り付け、申告をしてもらい言われた通りの納税額を収めていたとのことです。

私の決断

23歳の時に起きたこの一件で私は家業を立て直すことを決断しました。とりあえずは現在の病院を辞めずに父に実働を続けてもらい、経営のことだけ介入して立て直すことにしました。

ーこの決断が私の人生を大きく変えることになったのですー

続く


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