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読書日記~高護「歌謡曲-時代を彩った曲たち」編。

 高護さんの名前を意識し始めたのは歌謡曲の伝説的ミニコミ「REMEMBER」や「よい子の歌謡曲」を読み始めた1985年前後だったと記憶しています。
特に印象に残っているのはジャックスの『Legend』が再発された時期、彼らについて書かれた黒沢進さんによる文章です。
1954年生まれということで、黒沢さん、高さんにゴジラが挙げられていたのが妙に頭から離れないのでした。

 「よい子の歌謡曲」や「REMEMBER」を知るきっかけは既に覚えてはいませんが、初めて買ったのは先に述べた記事にあるVOL.10で、お茶の水駅を下ったところにあった書泉ブックマートの地下だったはずです。

 歌謡曲を掘り下げるという点では「よい子の歌謡曲」と「REMEMBER」は共通していましたが、「よい子の歌謡曲」はアイドルをリアルタイムで追いかける傾向が強くて、「REMEMBER」はレコードとしての作品やグループ・サウンズ、歌手ごとについてディープに掘り下げたと思っていました。
集めだした時期が予備校生~大学生になりたてだったのと、基本的に勘違いして生意気でしたから、まずは「REMEMBER」に入れ込みましたね。

・高護「歌謡曲-時代を彩った曲たち」(岩波新書)

 あ、肝心な高護さんについての説明をしてなかったんですね。
高さんは歌謡曲のミニコミ「REMEMBER」を創刊し、継続して発行しながら、ソリッド・レコードを創立してジャックスやはっぴいえんどの発掘音源をレコード化しています。
その後、「定本ジャックス」や「定本はっぴいえんど」に雑誌「ON STAGE」など多数の書籍や雑誌に携わっていたり、近田春夫さんやサエキけんぞうさんなどのマネージメントを担当したり、CD再発の企画、販売など多岐に渡って活動している方なのです。

 歌謡曲を作家別に研究したり、アーティストやレーベルのディスコグラフィーを発表することを具体化したのは「REMEMBER」の創刊前と後では意味が違っているように思うんですよ。

 以前、読書日記として書いた「日本フォーク紀」の元本もSFC音楽出版から発売されましたからね。

 現在、読むことが難しくなった「REMEMBER」などの雑誌や書籍で書かれていたことを更に分析し直したのが、この「歌謡曲-時代を彩った曲たち」なんですよ。
その文章と共に掲載されている歌謡曲作家の方々の写真と、レコード・ジャケットなどはかなり小さい形ではあるものの、その意味は大きいです。

 取り上げられている楽曲とその分析もかなり興味深いものでして、読み返していて何度も唸ってしまいました。
歌謡曲~流行歌について調べるにはもってこいの本でありますし、この本からどう掘り下げていくか?というのが、それぞれに与えられた課題になるのではないでしょうか?
この本、とにかく面白いです。

 この本からかつて出ていた「REMEMBER」や「HOT WAX」に進んでいく人がいると思うと、胸が熱くなってしまいますね。
今日はこんなところで。

 ではまたー。

 
 

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