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「照れ隠し」、少しも伝わっていない問題

カレー、美味しいですよね。

カレーを作る時に、「隠し味」入れたくなるじゃないですか?

各家庭に伝わる秘伝の隠し味とかありますよね。

「ワイン」とか「ニンニク」とか「マヨネーズ」とか「トマトジュース」とか色々入れてみて、実験気分を味わったりもしますよね。


「隠し味」って、作った側からすると、

「お、しっかり味ついてるなー」

なんて思いながら食べますけど、

調理の過程を知らなくて、出来上がったカレーを食べる側の身としては、


「カレーだな」


くらいの感想しかないわけですよ。


「隠し味わかる?」とか言われても


「カレーだな」


としか思えないし、

ましてや何も言われずに食べていたら、


「カレーだな」


としか思えないんですよね。

プロの料理人として修行を積んだり、ソムリエの資格を持っていたりすれば、気付けるのかもしれませんが、

人間の感覚なんて本当に当てになりません。

お正月番組の「格付けチェック」とか見てるとよくわかりますよね。

100グラム500円の肉と100グラム1万円の肉の違いなんてあんまりわからなくて、

はっきりわかるのは「肉であること」くらいなんですよね。

そう考えると、隠し味に気がつくなんてことを期待する方が間違っているわけなんです。


コミュニケーションにおける「照れ隠し」は、料理の「隠し味」同じようなもので、基本的に気づかれないです。

よくあるのがお父さんと子どもの会話で、

「ねーねーお父さん、平均点より10点も上だったんだよ!!」

「ん?おー。良かったな。でもお前より上に20人もいるじゃないか。」

「・・・もういい。」

というような感じです。


お父さんの目線から見れば、

「ん?おー。良かったな。
(中々頑張ってるんだな!でもここで褒めすぎると、調子に乗ってサボってしまうかもしれないし、発破をかけてやろう)
でもお前より上に20人もいるじゃないか。
(お前の能力ならより努力すればもっと上を目指せるはずだしな。頑張れよ!)

くらいの気持ちで言っていたりするのですが、

子どもの耳に残るのは

「でもお前より上に20人もいるじゃないか。」

だけだったりします。


もうね、隠さなくていいです。

というか隠しちゃダメなんですよ。

「照れ隠し」が身を結ぶのは月9の中だけですし、月9だって最終的には見ている方が恥ずかしくなるくらいのセリフを言って解決するわけですから。

カレーにどんな隠し味を入れてもカレーのままであるように、
否定の言葉にいくら愛情を混ぜたところで否定の言葉であることは変わらないんですよね。

中間試験を一生懸命頑張って、前よりグンと成績も伸びて、誰よりもお父さんに褒められたかったのに、
願いが叶わずしょんぼりした顔で塾に来て、お父さんとのやり取りを報告してくれた生徒を見ながらそんなことを思いました。

人間って本当に鈍感です。

密かに込めた思いには誰も気がつきません。

褒めるなら褒め言葉で、怒るなら怒りの言葉で、好きなら好きだとストレートに伝えていきましょう。

つい照れてしまうお父さんの気持ちもわかるんですけどねー笑

それでは!

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