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【経営の根幹】見直しておきたい”人事力”を鍛えるポイント解説!

人事の「5本柱」とは?

経営理念については、近年、その重要性が強調されてきた結果、しっかりとしたものを掲げている企業が非常に多くなっています。現代の一般的な経営においては、経営理念を持たない企業のほうが少ないと感じられるくらいになってきました。
もちろん、その浸透度合いを個別に見ていくと、企業によってばらつきはあります。しかし、「経営理念を持ち、それをベースに会社を展開させていくことが重要である」という認識は高まっていると言えます。

企業が人事力を向上発展させていくには、経営理念の価値観を敷衍(ふえん)しこれからの時代の変化を先取りした「人事の理念」を構築していることが重要です。
またその上で、人の価値観が多様化していく中で、どのような人材が集って仕事をするかという「人材像」を描き、そして変化の大きい時代に具体的にどのような「人事制度」を構築し、実際的な「人事施策」が経営にとっても社員にとっても意味があり効果的かを、将来展望を基に組み立てる必要があります。

すなわち、 ①経営理念、②人事の理念、③人材像、④人事制度、⑤人事施策、という「人事の5本柱」が一体となり、緊密に連動していることが必要だと考えます。

5つの柱それぞれの「意味」が緊密に連動していることが重要

①はしっかりしていても、②や③が明確でないという企業は多く見られます。
これら5本柱がこれからの「ありたい姿」「ビジョン」に基づいて人事の考え方と制度および施策の関連性に明確な意味がある企業は、社員や応募者への説明ができますが、一部が欠けている企業はもちろん、意味の連動が取れていない企業は、一つの施策の改定にとどまってしまってどこかで矛盾が生じ、ひずみができてしまいます。

例えば、一定の期間に成果を出すことを求める成果主義を方針とする場合に、単に成果さえ出せば良いのではなく、自社の求めている人材はこのような人材であり、なぜその成果をつくる必要があるか、それによってどのような将来が実現できるかの”連動性”が肝要です。
また、働き方改革の一環として子供を育てる社員のための施策を打ち出すと、単身の社員から不満が出る企業もあります。
つまり施策が有利不利でしか捉えられないのです。人材に関する考え方の基本的な点に偏りがあれば、それに基づく人事施策も行き詰まります。

例えば、経営理念で「お客様満足」「社員の幸せ」「社会に貢献する」といったことを謳っている企業が、人事の理念としてどういうものを持っているのでしょうか。「公平な評価をする」あるいは「頑張った者は頑張っただけ評価する」という思いを経営者が持ってはいても、ほとんどの場合、人事の理念というものにまでは昇華できていません。経営層の発言としてはあっても、明文化もされていなければ、社内での共有化もあまりなされていないのです。
こうしたことが、人材像や人事制度・人事施策についても言えるのです。

「5本柱」が一気通貫した流れになっているか

人事は常に経営と共に変化します。
これまでも、年功主義、能力主義、実力主義、成果主義などその時々の経営に必要な考え方が指摘されてきました。
現在は、企業ごとに多少の強弱はありますが、これらの要素が組み合わさっています。今までも人材像・人事制度・人事施策は時代と共に組み立てられてきており、社員の価値観という点では、もちろん幅はあるにしても今ほど多様化していませんでした。あるいは、価値観は多少の幅はありましたが、働くスタイルは同一でした。
しかも人事はすべて組織のトップダウンで行われたと言っても過言ではありません。

ところが、働く人の価値観が多様化してきて、働くスタイルも、将来のありたい姿も、収入もライフサイクルも「自分はこうしたい」「自分はこうありたい」という考えがあることが世代によっては一般的になっています。
経営における人事のべースが根本から変化しているのです。
このような時代には、目指す人事の方向性について社員目線・管理者目線・経営目線で、深く討議し柔軟に発想し、細やかに運用しなければいけません。

(一部抜粋:「強くて優しい会社 ―人と組織の潜在能力を活かす、現場の人事デザイン』 著者:末永春秀)

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