中村勉

元高校演劇部顧問。上演許可はsuchanga07@gmail.comへ。

中村勉

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最近の記事

放課後の旅 高校演劇の脚本について第4回  キャラクターとなろう系   

季刊高校演劇 No.273に掲載した文章と同じものです。 peing.net/ja/suchanga 質問箱です。ご意見などありましたらお願いします。 ツイッターのアカウントは @suchanga 陽キャと陰キャ、コミュ力について 陽キャは「特定同類同士の同質性を求める」そうです。ヤンキー、ギャル、学園祭実行委員、クラスマッチの応援団、教員のコミュ力の正体ですね。陰キャは楽観論や公正世界信念に惑わされずに現実を直視できる。自分の内面と向き合う機会も多い。 なろう系とキャラ

    • 放課後の旅  第3回 台詞について

      放課後の旅 第3回 台詞について 『季刊高校演劇2023秋』 が刊行されたのでこちらにも投稿します。 peing.net/ja/suchanga 質問箱です。ご意見などありましたらお願いします。 ツイッターのアカウントは @suchanga 一軍は一軍でつらいんだよ これは平成の初めの頃の話。あの子たちはずるい(二軍のこと)。あたしたちだっていやなことはあるし気分が乗らないことはあるけど、必死で盛り上げてるのに、反応もしない。じぶんに正直なのがそんなにえらいの?ここは我

      • 高校演劇の講評について

        高校演劇との関わりについて。たぶんこれから顧問をやる機会はないと思うのですが、高校演劇とは関わっていきたいと思います。これからの部活動はそのあり方が変わってくることは間違いない。高校演劇の場合、この先より大きな意味を持つ存在として外部指導員と審査講評が挙げられると思います。 外部指導員は脚本書いたり演出したりするだけでなく、演技指導、演出や裏方の指導という役割も果たさないとならないでしょう。地域委託はたぶんなかなか進まないだろうから、舞台作りも部活作りも、どっちも任されること

        • 放課後の旅 高校演劇の脚本について 第2回 演出について

            peing.net/ja/suchanga 質問箱です。ご意見などありましたらお願いします。 ツイッターのアカウントは @suchanga 1 脚本が七割というたとえ話 偏屈な文章に付き合っていただきありがとうございます。あるひとつの高校演劇のつくり方ということで、こんな人もいるんだ、ふーんぐらいの気楽な気持ちでお願いします。 高校演劇は脚本が七割というのは先輩方からよく聞いた話です。高校演劇の同人誌に寄稿しながら、もとい頼み込んで載せてもらいながら言うのもあれですが

        放課後の旅 高校演劇の脚本について第4回  キャラクターとなろう系   

          放課後の旅・高校演劇の脚本について

          季刊高校演劇 2023年春 が発行されたので、ここに同じ文章を掲載します。 peing.net/ja/suchanga 質問箱です。ご意見などありましたらお願いします。 ツイッターのアカウントは @suchanga 1 日々のミザンス この文章は、一般的な戯曲の書き方を記したものではなく、ある特殊な事例(自分のこと)について述べています。まず高校演劇の脚本であるということ。演劇の経験は顧問から、師系にあたるものがほぼないこと。(勝手に師事しているのは共愛学園の荒井先生)何よ

          放課後の旅・高校演劇の脚本について

          『全校ワックス』わからん問題

          『全校ワックス』の作者です。『全校ワックス』は2005年度の県大会・関東大会を経て2006年京都全国大会に参加、国立劇場の優秀校公演でも上演しました。キャストは5人で、大道具なしなので、脚本はいまだに全国で上演されています。 高校演劇っぽい、高校演劇を煮詰めたような脚本と思っている人も多いと思います。いっぽうで初演当初から「『全校ワックス』わからん問題」も高校演劇部顧問からも持ち上がっていました。「わからん問題」はまだ継続中です。上演数は作者も把握していませんが、200から3

          『全校ワックス』わからん問題

          世界の謎ともうひとつ

          山梨県立甲府南高等学校演劇部 2012年度関東高等学校演劇研究大会参加作品  レイカ(女子2、ママ2、カナのおかあさん)   カナ(CEO、女子1、ママ1、スフィンクス、リス、妖精、レイカのおかあさん )  ノブ(リス、妖精、オイディプス)   イッシン(司会、制作、大道具係、リス、妖精)   ハル(ずん台甲府、司会2、清掃員、店員、女子3、ママ3、森のおばさん、リス、妖精)  1 高校生クイズ 高校生クイズ会場 早押しボタンを前にレイカ、カナ、ノブ

          世界の謎ともうひとつ

          高校演劇と外部講師

          ・高校演劇は上演と運営と審査ぜんぶやってこその醍醐味はたしかにありますね。高校演劇の文化にじっくり浸かるというか。まあやらなくてはいけないというわけでもないんですが、どこかで手を汚さなくては、というか。恥をかくのはもうしかたがないので。 ・顧問として上演はもうないかもしれないので、どこかにお手伝いに行くとかですね。どこでも行きますのでお声かけてください。 ・ワークショップもやりたいですねえ。演出ワークショップ。タイトルは「演技指導なし!台詞稽古なし!ちょっとだけ深みが出る簡単

          高校演劇と外部講師

          イノセント鉄道とぼく

          2019年度甲府南高校演劇部大会参加作品 イノセント鉄道とぼく 高校生たち1~8 ナツミ アズミ ミアサ ミオ カリン イチ リク ヤス 先生たち1~8 その他たくさん 1 音楽 高校生たちが舞台へ 椅子をもって歩く しばらくして椅子に座る 体が揺れ出す 電車の発車する音 ヤス  ある日、ぼくのところに郵便が届いた。封筒の中には青春18きっぷとムーンライトながらの指定席のチケット。夏休みの直前。一学期の終業式の二日前。送り主はわからない。ただチケットが二枚入っている

          イノセント鉄道とぼく

          歌は言葉の花

          山梨県立甲府南高等学校 2021年度大会作品 歌は言葉の花 キャスト ホノカ  ヒナ    チハル   ユウカ  シュウスケ 先生 放課後 学校のどこか 小さい机一台と椅子が数脚 高校生たち 学園祭の準備をしている 初秋 ある日の16時から17時 1 一日目 一句~二句 花を折っているホノカ スマホをいじっているヒナ ホノカ  (何かいいたげに)ねえ。 ヒナ    すご。〇〇が○○したって。(ネットニュースの話題を出してください)

          歌は言葉の花

          『スーパーリリックとマサコさんの帰還』

          山梨県立甲府南高等学校演劇部 2020年度大会参加作品 作/中村勉  スーパーリリックとマサコさんの帰還 マサコ ホノカ アユミ ヒナ アヤセ   ヤス リク 高校生たち 先生たち 1 はじまり 放課後 高校生たちが舞台上の思い思いの場所に置かれた椅子に座っている。 舞台奥の洋服掛けに白衣がかかっている。 音楽 チャイム 高校生たちがはじめは小さな声で、徐々にはっきりと言葉を口にする。 その手広げ 迎え …

          『スーパーリリックとマサコさんの帰還』

          ノー・ファール

          1998年 ノー・ファール       男1・ブイレンジャー・ブイレッド・遠藤・おじいちゃん 男2・弟子(小林)・小林 男3・レツアクダー・高野 女1・ブイピンク・佐藤・高橋先生 女2・ブイイエロー・田中 (ブイレンジャー、レツアクダーなどの名称ははやおとうじ作『夏休みの風景』から借りました) 音楽。 アイマスクを付けた男1が黒子に連れられて舞台に登場する。 男1、アイマスクを取って。 男1   何?これ何?どこ?舞台? 上手から男2が駆

          ノー・ファール

          山梨県大会39年の歩み 県代表一覧

          山梨県大会39年の歩み 県代表一覧 第1回(S.54)吉田高校 伊原はつ美『手風琴のある風景』 第2回(S.55)吉田高校 榊原政常 『廬山夜雨』 第3回(S.56)日川高校 町井陽子『そして誰もいなくなった』 第4回(S.57)甲府東高校 北村想『寿歌』 第5回(S.58)甲府東高校 北村想『The Sheler』

          山梨県大会39年の歩み 県代表一覧

          甲府南からのメッセージ(全国高演協事務局ブログから転載)

          2015年の文章 甲府南高校です。もう一年経つんですね。以下、思い出した順です。 Tシャツ 会場に行って、あ、忘れてたと思ったことは、ああTシャツというものがあったか、ということで、かわいそうにそろいのTシャツがないのはうちだけだった。そういえば甲府昭和のときもつくっていなかった。つくるとすれば「マナちゃん」とか大きく書くのだろうが個人的には着たくはない。他の出場校顧問は着ているけど。部員に聞くと「別にいいです」ということでした。 壮行公演 壮行公演は学校の大研修室で、

          甲府南からのメッセージ(全国高演協事務局ブログから転載)

          関東大会創作脚本賞(山梨県)

          1999年度の関東大会で甲府西 はやおとうじ作『アフリカのイヴ』(顧問創作)が山梨県初の創作脚本賞受賞。その後県内で創作脚本が増える傾向に。 2003年度白根 神田葉月 『1/3』(生徒創作) 2005年度甲府昭和 中村勉作『全校ワックス』(顧問創作) 2006年度甲府西土屋百合香・高須敏江 『盤上の沖縄戦』(生徒顧問創作)2008年度甲府西 山本あゆみ『Where Is White Rabits? 』(生徒創作) 2009甲府昭和 中村勉 『放課後の旅その他の旅』(顧問創

          関東大会創作脚本賞(山梨県)

          高校演劇の審査員

          2013年の文章  出場校と事務局と審査員を現役でやっているというけっこうめずらしい立場だ。大会と審査員について書く。  思うに肝心なのは、審査員にだれを選ぶかであるが、もっと大事なことがある。それは審査員を選んで呼んでくる係を選ぶことだ。呼んじゃいけない審査員を呼んじゃう人を係に据えちゃダメだ。ここはゆずってはいけない。 審査はまあしょうがない。だれもが気に入る結果などはない。それより講評だ。講評ができない、言葉が粗い人は一回呼べば分かるから、リストから外さなくちゃいけな

          高校演劇の審査員