「私はうそつきである」と言えるか? ~自己言及のパラドックス~
1.「私はうそつきである」「私はうそつきである」「この文章は偽である」のように自分で自分自身のことについて述べることをその名の通り「自己言及」という。
この自己言及は論理的に非常にややこしく、しばしばパラドックス(矛盾)が生じる。
例えば「私はうそつきである」という命題を考えてみよう。
この命題が真ならば「私はうそつきである」が本当のことを言っていることになるため、私はうそつきになってしまう。
いま命題を真と仮定しているので「私=本当のことを言う人」であるにもかかわら