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『デート・ア・ライブ』概論⑨
1.はじめに
本稿は『デート・ア・ライブ』概論の第九回目になる。
今回は第8巻の『七罪サーチ』について見ていく。
今回もネタバレを含む内容となるため、未読者は十分に注意されたい。
2.『七罪サーチ』あらすじ
ハロウィーン一色で彩られた街並み。
そこに空間震警報が流れ、第7の精霊 七罪が現れる。
七罪は当初士道に高い好感度を示すものの、自分の本当の姿を見られたと思い込み、途端に士道に敵対する行動をとるようになる。
七罪の能力は対象を任意の姿に変身させることであった。
七罪は自身の幼い容姿にコンプレックスを抱いていたため、その能力を使って妖艶な理想の姿に変身していたのである。
その秘密を士道に知られたと思い、七罪はとあるゲームを仕掛ける。
「この中に、私がいる。誰が私か、当てられる?誰も、いなくなる前に。」
こう書かれたカードとともにその日から毎晩1人ずつが七罪の能力によって消されていく事態となった。
士道は容疑者となった全員とデートをして怪しいところはないか探していくことになるが、捜査は難航する。
日に日に消えていく容疑者を前に、士道は最終判断を迫られる。
そのとき、士道は最初のカードに書かれていた「この中に」という表現が引っかかる。
また、毎晩一人が消されていくというルールでは、人数がだんだんと減っていくことで必然的に七罪が指名される確率が上がってしまうことに違和感を覚える。
七罪は「人物」に変身しているのではなく、なにかの「もの」に準ずるものに変身している可能性に行き当たった士道は記憶を必死に辿り、四糸乃のパペットである「よしのん」が本来知るはずのない情報をしゃべっていたことに気づく。
こうして、無事に正解を当てた士道だったが、七罪は当てられたことに激高し、全員を幼児にして逃げ去ってしまった。
3.第8巻における伏線
DEM社の創設には現在の<ラタトスク>機関の議長であるウッドマンも関わっていたことは以前よりほのめかされていた。
8巻ではウェストコットとウッドマンの対立がより浮き彫りとなり、DEM社は30年前のある目的のために組織された機関であったことが明かされた。
4.霊装・天使/識別名
セフィロトの樹において、「七罪」は七番目のセフィラである「ネツァク」を象徴する。
色は緑で宝石はエメラルドであることから、髪色と瞳の色にそれぞれ反映されている。
神名は<アドナイ・ツォバオト>、守護天使は<ハニエル>である。
また、七罪の霊装は<神威霊装・七番(アドナイ・ツォバオト)>、天使は<贋造魔女(ハニエル)>である。
<AST>による識別名は<ウィッチ>で、見た目通りの名前となっている。
5.『そして誰もいなくなった』
七罪のゲームは、周知の通りの、アガサ・クリスティの小説『そして誰もいなくなった』を彷彿とさせるようなゲームである。
ただし、完全に『そして誰もいなくなった』に準じているわけではなく、オマージュのような形になっている。
最後まで容疑者全員が消えてしまうことはないが、すでに消えた人物のなかにヒントが隠されているという点は、『そして誰もいなくなった』の結末(ネタバレ回避のためぼかした言い方ではあるが)を想起させる。
6.まとめ
今回は第8巻である『七罪サーチ』について見た。
第8巻と第9巻も上下巻のような構成となっており、次巻で決着となる。
なお、七罪という名前からは七つの大罪が想起されるが、関連性は不明であったため、今回の記事では取り上げなかった。
→第9巻へ続く
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