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Kの向くままにおススメ映画『乱れる』ネタバレあらすじ感想日記

こんばんは。お酒が大好きなKです。今回は『乱れる』。一言で表すと「秩序と自由に揺れ動く恋愛映画」です。



こんな映画です  

夫を戦争で亡くした礼子は、それ以来18年間リカーショップ森田屋を切り盛りしています。夫の父も病死し、この家は礼子、夫の弟(幸司)、夫の母 の3人暮らしです。礼子は、店を手伝わず毎日遊び回っている幸司を実の弟の様に可愛がっていますが、彼が長年自分に好意を寄せていた事を突然知ります。
礼節や体裁、秩序を重んじる礼子は困惑します。以前から《森田屋》は幸司が継ぐべきだと考えており、それについて自分が邪魔になっているように感じていた礼子は郷里に帰る決意をします。しかしその道行き、幸司が家も店も捨てて付いて来たのでした。


もう少し詳しく  

言うまでもなく『乱れる』とは礼子の心です。それに対して幸司の行動は実は終始一貫して変わりなく、礼子の気を引く為だったんですねー。

そしてそのメロドラマと同時進行するもう一つの主題は資本主義への批判でしょう。簡単に背景を説明すると、便利で安いスーパーマーケットの台頭により周囲の小売店が壊滅的大打撃を受けているという状況です。
しかし、一つ便利になると一つ何かを失う、ここ大事!安けりゃ何でも良いのかい?そりゃ、消費者は物を安く買って経営者は儲かる、みんな幸せ。
…のように思えるけど、けどね、大きな(物質的・利便的)利益に隠れた代償には気付き難いもの。多くの場合、見えない代償は見える利益より遥かに大きいんです。
では、このお話での代償は何だったのかというと、《人間性》ですね。

人間の営みて損得だけではないはず。好きか嫌いかとか道徳観念とか芸術性とか義理人情とか、色々な判断基準がありますよね。一番金出した人が決める、とかはチョット品がない。とはいえ何を言っても資本主義なので金出した人が決めるんですけど…。

でも資本だけじゃないよ!っていうのが序盤のシークエンス、卵の使い方に関して。確かに卵は買った人の物、その人が捨てても潰してもOKです、資本主義の理論だけで言えば。けど幸司はそれを許せない。
コレは損得だけで物事を決定しようとする人たちが失っていく《人間性》を露にすると同時に、幸司の純粋で子供の様に真っ直ぐな正義感をも表現する重要場面だと感じました。


観た後はこんな気分になりました  

秩序の礼子か、自由の幸司か、どちらを重んじるかで2人分の観方ができそうです。因みにKはどちらにも共感できました

最後は脚本上礼子の目線ですが衝撃でしたね。一言目にはみんな同じ感想と思います。
そんな、、、、、、


おススメのポイントまとめ  

◎恋愛映画ですが家族で観ても大丈夫な内容です(小さな子が観て面白いかは別として)
ラストは衝撃でした


要注意点まとめ  

▲でも衝撃のバッドエンドだからハッピーが好きな人は××
▲白黒映画です。色が好きな人は面白くないのかも。


心に残ったセリフ  

礼子 :「あの頃の私たちが、どんな気持ちで毎日毎日生きてたか、分からないでしょうね、きっと。そんなこと歴史の本には書いてないものね。」

確かに歴史の教科書には偉人の話しか載らないから、こういった庶民の苦労や努力は人知れず…。
それに対してこの作品は映画史の本にも載る偉人が作った歴史的名作、なので観て損しませんよ!…あ、損得で決めてはいけませんね…。


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